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第39回 あなたを嘲笑う狼藉者に対する復讐の機会が。神よ!

過日、駆け込み乗車した通勤電車でローリングストーンズを聞こうとしてイヤフォンをカバンから出した私は絶望した。コードが激しくからまっていたのだ。聴けない。神は死んだ!

神なんて大袈裟な。と笑うかもしれませんね。ところが大袈裟でもなんでもない。住宅事情上、私は最寄り駅までのごく短時間しか乗車しない。つまり、私はイヤフォンのコードのからまりを正しているだけで、貴重な乗車時間を費やしてしまいかねないのである。その上、私はイヤフォンのコードを直すために不浄の左手は使わないという戒律を己に課している。難易度は高い。神よ!と嘆くのが当然ではないか。

昨日は神の不在を嘆くだけではすまなかった。向かいの席に座ったニット帽を被り、ヘッドフォンを耳にあて、紫色のダウンを着た若者が、私がタイムリミットに焦りながらコードをあれこれ直している姿をバカにするように薄笑いを浮かべたり、目を閉じて音楽に身をゆだねていますという感じで頭を振ったりなどしていた。