第43回 あなたは男性? 女性? はっきりさせたい夜もあるのだ。
一見では性別がわからない人が増えて難儀している。草食系男子という言葉で形容されるフニャフニャした男性が増えた一方、しっかりと自分を主張する女性が増えたからだろうか。たとえば「AneCan」という雑誌があるのに対して「AniCan」が刊行されていないのは象徴的に私には思われる。性転換をすることで、本来の性別を選ぶ人も増えた。素晴らしいことだ。けれども性的に自由になるにつれ、男性なのか女性なのかわからぬ人が増え難儀する事態が増えているのも事実。わからぬなら尋ねればよいだろう、お前には口がないのか、という浅はかな人には閉口するばかりだ。赤の他人に真顔で性別を尋ねること、その難易度を想像してみるといい。
かつて。オカマバーで泥酔した私は前後不覚どころか前後左右上下不覚となり、従業員に対して極めて乱暴に「男なんだろ?男なんだろ?」と心無い発言をして、店の裏で少々恐ろしいことになった。