第55回 きさらぎ賞(G3)
2月8日(日) 京都競馬場 芝1800m
クラシックを目指す素質馬が多く出走するきさらぎ賞。関西馬優勢の傾向が強まった90年代半ば以降は、出走馬から後のG1馬や、G1好走馬を数多く輩出している。特に日本ダービー好走馬が多く、96年以降ではネオユニヴァースなど4勝、そして2着は11回を数える。また、11年には同じ京都の菊花賞1~3着を、オルフェーヴルなどきさらぎ賞出走馬が独占した。今年はどんな馬がクラシックへと名乗りをあげるのか。過去の傾向を見てみよう。
Check1
1~2番人気は安定、3番人気以下は混戦
過去10年、1着馬10頭中8頭が4番人気以内で、特にここ5年は1~3番人気馬が優勝している。ただ、ハンデ戦らしく2~3着には人気薄の好走も多く見られ、2桁人気も4年連続・計6頭が馬券に絡んでいる。上位人気馬が1~3着を独占した年はなく、3連単は4万~9万円台が7回。大きく荒れたのも08年(64万馬券)1回のみで、人気馬にも人気薄にも偏らない組み立てが必要だ。
過去10年、1、2番人気とも連対率50.0%と安定した成績。特に2番人気は勝率、複勝率で1番人気を上回る結果を残している。一方、3番人気以下は8番人気まで複勝率20.0~40.0%。10頭立て以上が10年で6回にとどまることを考えると、下位人気に相当する馬まで幅広く警戒したい一戦だ。一昨年は8頭立て6番人気のタマモベストプレイが優勝、昨年は9頭立て6番人気(単勝62倍)のエイシンエルヴィンが3着と、出走頭数も加味すれば少々買いづらい馬が馬券に絡んでいる。
【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 2-3-1-4 20.0% 50.0% 60.0%
2 3-2-2-3 30.0% 50.0% 70.0%
3 2-0-1-7 20.0% 20.0% 30.0%
4 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
5 1-2-0-7 10.0% 30.0% 30.0%
6 1-1-2-6 10.0% 20.0% 40.0%
7 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
8 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
9 0-0-0-8 0.0% 0.0% 0.0%
10 0-0-1-5 0.0% 0.0% 16.7%
11~ 0-0-0-13 0.0% 0.0% 0.0%
Check2
逃げ馬には要注意
競馬道GT8による脚質別の成績を見ると、「逃げ」に分類された馬が【2.4.0.4】で連対率60.0%の好成績。特にここ4年は、11年に8番人気のリキサンマックスが2着になるなど【0.3.0.1】と、逃げ残りの2着が3回を数える。多頭数になりづらいため、後方からでも楽に馬群をさばいて差し込めるレースだが、まず逃げ馬への注目は欠かせない。
【脚質別成績(過去10年)】
逃げ 2-4-0-4 20.0% 60.0% 60.0%
先行 2-1-3-17 8.7% 13.0% 26.1%
差し 4-2-5-39 8.0% 12.0% 22.0%
追込 2-3-2-17 8.3% 20.8% 29.2%
Check3
外国人騎手騎乗馬は外せない
外国人騎手の騎乗は過去10年で7回と多くはないが、その成績は【3.1.1.2】で勝率42.9%、複勝率は71.4%。特に07年以降にかぎれば【3.1.1.0】と5頭すべて馬券に絡んでいる。この5頭に1番人気馬は1頭もおらず、08年には8番人気のレインボーペガサスが優勝しており、今年も騎乗があるようなら人気に関わらず警戒が必要だ。
Check4
未勝利戦1着馬が5年連続好走中
前走はさまざまなレースから好走馬が出ているが、中でも注目したいのは未勝利戦組で、過去10年【1.2.4.10】複勝率41.2%。過去5年なら【1.2.3.4】複勝率60.0%で、5年連続で3着以内馬を輩出している。この10年以降5年間の好走馬6頭は、同じ京都芝1800mなど直線の長いコースで勝ってきたことが共通点。また、1番人気で勝ち上がってきているのがベストだ。なお、同じ1勝馬でも、前走新馬組は10年で【0.0.0.6】。前走500万2着以下は【1.2.3.19】複勝率24.0%である。
Check5
人気馬なら馬ナリ、人気薄なら一杯
パソコン用調教分析ソフト「競馬道 調教マスター」過去7年の追い切りを分析すると、出走馬の多くが「一杯」(末一杯なども含む)に追い切られた馬である。ただ、1~3番人気にかぎると、「馬ナリ」調教馬が昨年1着のトーセンスターダムなど【3.0.1.1】複勝率80.0%の好成績。今年も馬ナリで追い切った馬が上位人気に推された際には注目したい。一方、4番人気以下は3着以内の好走馬11頭中8頭が「一杯」。中位人気~人気薄ならしっかり追われてきた馬が狙いだ。
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