OPAP-JP 代表理事・「こうしす!」監督の井二かけるです。
昨年は多くの皆様より暖かいご支援・ご協力を賜り、こうしす!第3話Part1を完成し公開することができました。心より御礼申し上げます。

さて、あっという間に2018年になってしまいました。

これが私にとって、20代最後の年明けとなります。集団的な自主制作アニメに関わり始めてから約10年、OPAP-JP設立から5周年。そして、2月で、こうしす!企画立ち上げから5周年を迎えます。

あっという間です。とはいえ、30代が近づくにつれて、一気に体力や気力面で無理が利かなくなってきたのを感じます。この先、いかに長く、「こうしす!」やその他のアニメ作品を作り続ける仕組みをつくるか、というのが大きな課題だと感じています。

そのような意味で、昨年は初めて企業協賛を募集し、「こうしす!」にとっては大きな進展となりました。無償のボランティア参加者だけでなく、有償での参加者を受け入れることが可能となりました。アニメーターの賃金問題が世の中で問題視される中で、これが十分であるとは決して口が裂けても言えませんが、理想には一歩近づけたと思います。

さて、5周年ということで、ここまでの実績を簡単に振り返ってみたいと思います。

「こうしす!」シリーズ全体では累計47万6千再生(LITEシリーズ含む)以上を記録しました。コメディ × アニメ × セキュリティ × 姫路 × 鉄道という超ニッチな分野で、他の追従を許していません。昨年はクラウドファンディングや協賛金の募集に挑戦し、成功しました。

そして、OPAP-JPは自主制作の強みを活かし、以下のようなことを実現してきました。

・オープンソースアニメ(※)を実際に作ること
・1人1カットから気軽に参加できること
・オンラインで制作工程がすべて完結すること

※オープンソースアニメ=完成品だけでなく素材も公開し、誰でも自由に無償で利用できるアニメ作品のこと。


ここから先は、いかに長く作品制作を継続できるかが勝負となります。
そのためには、以下のようなことを実現していかなければならないと考えています。

(1)ファン、支援者、そして参加者自身が、作品・素材を生活の糧にできること
(2)業務委託ではなく職員を直接雇用できるような経営基盤を確保し、それを持続すること
(3)組織として活動を継続できること

残念ながら、OPAP-JPや「こうしす!」が勝負できる武器は多くありません。ただでさえコンテンツ産業は厳しいと言われる中で、ないないづくしのOPAP-JPが勝ち目を見出すことは困難です。しかし、オープンソースであるということは他にない有力な武器といえるでしょう。

◇従来の商業作品ではファンアートは黙認(または明示的に許諾があっても制限あり)
 →オープンソースアニメなら、ほぼ制限なくファンアートを作って楽しめる

◇従来の受託制作では関わった事すら公表できない場合がある
 →オープンソースアニメなら、自分の成果物を自分の実績として公表できる

◇従来の受託制作では自分の関わった作品を自由に利用できないことが少なくない
 →オープンソースアニメなら、自分の関わった成果物を自由に利用できる。商用も可。

一方、従来の商業アニメが上記の点を実現するのは困難であり、ましてや丸ごとオープンソース化されるようなことは当面ないことでしょう。ここにOPAP-JPの優位性があるといえます。優位性が保たれているうちに、この優位性をもっと活用していかなければなりません。

そんなわけで、OPAP-JPと「こうしす!」の挑戦はまだまだ続きます。

今後とも何卒ご支援・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。