閉じる
閉じる
×
お墓にもフリーダムを。 愛する人が亡くなった時、誰もが故人の生前の願いを叶えてあげたい、精一杯の愛情で弔いたいと願うことでしょう。ただ、その方法は千差万別。また故人の願いもさまざまです。 本日は米Kotaku姉妹サイトのio9から、実在する風変わりな形のお墓とそれにまつわるエピソードの数々をご紹介します。どの話も悲しく、美しく...そしてちょっと怖いかも。詳細は以下より。
【大きな画像や動画はこちら】
いつでも会えるお墓
1871年に10歳のフローレンスちゃんが幼くして亡くなったとき、悲しみに暮れた母親はいつでも娘の顔が見られるようにと、特別なお墓を作りました。お墓の裏の階段を降りると、ガラス窓のついた金属の扉の向こうにやはりガラス窓のついた棺桶があり、フローレンスちゃんの顔が見られるようになっているのです。 母親は嵐が来ると、雷を怖がっていたフローレンスちゃんのために必ずお墓へ行っていたと言われています。1950年、お墓が荒らされるのを防ぐために、ガラス窓はコンクリートで塞がれたそうです。 [写真:Flickrユーザー jag9889]
メルセデス・ベンツのお墓
こちらは1982年製メルセデス・ベンツ240ディーゼル・リムジン墓。レイ・ジュニア君の将来の夢はベンツに乗ることでしたが、残念ながら夢が叶う前の1981年に15歳で世を去ってしまいました。 そこでレイ君のお兄さんは26トンの御影石で作らせたフルサイズのベンツの彫刻をお墓に飾ってあげることに。石のベンツは今も米ニュージャージー州リンデンにあるそうです。
駐車場のお墓
1750年にニュージャージー州ニューブランズウィックで生まれ、1828年に一人で亡くなったメアリー・エリスさんのお墓は、林の中にありました。180年以上経った現在、彼女のお墓の周りは映画館の駐車場になっています。 言い伝えによると、メアリーさんはいつか迎えに来て結婚すると彼女に約束した旅の船乗りの言葉を信じて、近くのラリタン河に戻る船をこのお墓のある場所で待ち続けていたとか。船乗りは戻りませんでしたが、彼女の亡骸は今もここに眠っています。
座ったままのお墓
ルーファス・E・ケースさんの最後の願いは、お気に入りのロッキングチェアーに座った状態で、自宅の方角に向けて埋葬されることでした。 先に亡くなった彼の子どものお墓も兼ねて、墓石は3段重ねに。彼の遺体は子どもの棺桶の隣に、ロッキングチェアーに座り、自宅の方角に向けて安置されました。 [写真:Ghostinmysuitcase]
赤ちゃんの木
インドネシアのタナトラジャ地方には、村のいちばん小さな子どもが亡くなったときの埋葬場所となる特別な木があります。この「赤ちゃんの木」がお墓なのです。 歯が生え始める前に子どもがなくなってしまうと、母親はその子を布にくるみ、「赤ちゃんの木」に穴を彫ります。そして子どもの遺体を穴に入れ、封をします。木の生命力で穴が塞がったとき、亡くなった赤ちゃんは木の一部になったと信じられているそうです。 [Via malformalady and The Oddment Emporium]
デービス家のお墓
この荘厳なお墓といいますか慰霊堂は、妻を亡くして悲しみに暮れた(かどうかちょっぴり怪しい)ジョン・ミルバーン・デービスさんが1930年に建てたもの。妻のサラさんの死後、彼はこのお墓の装飾に全財産をつぎ込み、高価な石像や大理石の椅子をイタリアから米国まで取り寄せるなどしました。 当時の世の中は大恐慌で、町の人々はみな彼の散財ぶりに腹を立てたそう。彼が本当に妻の死を悲しんで大金を使ったのか疑わしいとする証言や、妻の血縁に財産を渡したくなかったからだという話も伝えられているそうです。 しかし、今やお墓は観光名所として町の収入に大いに貢献しているようですし、もうちょっと心温まる話として伝えてあげても良さそうな...。
お墓の家
妻のメアリーさんが亡くなった時、夫のジョナサン・リードさんは自分も彼女と一緒のお墓の中で暮らすことにしました。将来の自分用の棺桶や家具、薪ストーブ、絵などを持ち込んで、妻の眠る石室で暮らしたのです。 最初の年は、お墓で暮らす彼を見に7000人もの人々が訪れました。そこでの彼はよく、メアリーさんに話しかけていたそうです。
知られざる婦人のお墓
1816年の米バージニア州アレクサンドリアで、ある若い夫婦が宿屋に泊まりました。妻は具合が悪く、その様子から腸チフスのようでした。 妻がいよいよ深刻な状態になったとき、夫は医師と宿屋の使用人に自分たちの素性を打ち明け、誰にも彼らのことを口外しないよう約束させました。 妻は亡くなり、やがて町の人も秘密を守ったまま墓に入りました。残されたのは、彼女が「知られざる婦人(Female Stranger)」として埋葬されたお墓だけ。高価な石でできた墓碑には、次のように書かれています。 知られざる婦人の思い出に捧ぐ 死の苦しみから解き放たれ
23年8か月の生涯を終え
1816年10月14日
ここに眠る。 婦人を腕に抱いて最後の息を受け止め
婦人死してなお冷たい耳を温めようと
神の御下に最善を尽くした
哀れな夫の手によりこの石は置かれた。 かつていかに愛されいかに尊ばれようと
何の血筋で誰のもとに生まれようと
汝はここに残る塵の山のみ
それが汝のすべてにして誇りのすべて。 「彼につきては預言者たちも皆
おおよそ彼を信ずる者の、
その名によりて罪の赦を得べきことを証す」
使徒行伝10章43節 [Via The Oddment Emporium]
野獣666の犠牲者のお墓
カナダ・オンタリオ州にあるリリー・エディス・グレイさんの墓石には、名前と生没年月日の下にこう書かれています。 野獣666の犠牲者(Victim of the Beast 666) 野獣666とは一体何なのか、そして彼女の身に何が起きたのか? 非常に気になるところですが、あるお墓データベースサイトの情報によると、墓石を注文した夫のエルマーさんはどうやら精神を患っていたとか。 でも真相は誰にもわかりません。本当はやはりリリーさんが未知の野獣666の犠牲となり、人知れず世界の終わりか何かを防いでくれたのかもしれませんよ。 [写真:findagrave]
さて、io9が紹介したお墓は以上ですが、コメント欄には「こんなお墓もあるよ!」と海外読者からたくさんの写真が寄せられていたのでいくつかご紹介しましょう。
椅子のお墓
---------------------------------------
オハイオ州トレドのウッドローン墓地で撮った写真です。[Rufus Honker IV]
---------------------------------------
車の棺桶
---------------------------------------
この車の棺桶がシアトル美術館に展示してあった。確かアフリカのものだと思うけど、どこの国だったか忘れちゃったな。[fallhammer13]
---------------------------------------
PCのお墓
---------------------------------------
俺のPCは誰にも渡さない! [FrankN.Stein]
---------------------------------------
エドワード・キーンホルツのお墓
---------------------------------------
芸術家エドワード・キーンホルツもこのテーマに合うんじゃないかな。彼の「防腐処理された遺体は茶色の1940年製パッカード・クーペの運転席に固定され、ポケットには1ドル札とトランプ1組、助手席には1931年製キャンティのボトル、後部座席には愛犬スマッシュの遺灰が供えられた」。[www.time.com]そのパッカードの写真がこれ。
[christinee279]
---------------------------------------
ルート66のお墓
---------------------------------------
この間見たルート66(アメリカの国道66号線)のドキュメンタリー映画で、ニューメキシコ州マドリードに立ち寄って、こんなお墓がいっぱいあるアーティスティックでヒッピーな墓地を紹介してたよ。[@NightyFury]
---------------------------------------
ウクライナの紳士のお墓
---------------------------------------
ウクライナのドニプロペトロウシクから。[onelungas]
---------------------------------------
---------------------------------------
これ知ってる。ロシアの「合法的なお仕事の皆さん」によくあるやつだな。[dfstuckey]
---------------------------------------
パックマンのお墓
---------------------------------------
お墓集ならマイケル・リロイ・「パックマン」・ルーサーのお墓を入れないとダメだろう。[www.findagrave.com][Kyle Kulakowski]
---------------------------------------
のパックマンのお墓、「ゲームオーバー」ってそんな...。 日本でもいつか痛墓なんて登場したりして...と思ったら、日本のお墓は基本的に先祖代々入るので、なかなかチャンス(?)はないかもしれませんね。欧米のお墓が個性豊かなのも、基本的に一人ずつの埋葬だからということでしょうか。
The Strangest Real-Life Graves in the World [io9] (さんみやゆうな)
RSSブログ情報:http://www.kotaku.jp/2012/10/stragest_graves_in_real_life.html