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オークションなどではプレミア価格で取引されている伝説の名著が、ついに復刻。

『∀ガンダム』放映当時、そのデザインについては賛否両論が巻き起こりました。どちらかというと一般的なガンダムファンには「否」が多かった印象ですが、とにかく∀ガンダムのそれまでのMSとはまったく違うデザインが大きな衝撃を与えたことは確かです(象徴的なのは「ヒゲ」ですね)。

しかし時を経るにつれ、『∀ガンダム』の作品としての評価の高さもあってデザインへの再評価の声が大きくなり、ガンプラ・マスターグレード(MG)シリーズの記念すべき100体目の製品になるなど根強いファンを持つガンダムとなりました。

∀ガンダムをデザインしたのはシド・ミードさん。『トロン』『ブレードランナー』『エイリアン2』などSF映画のビジュアルデザインの第一人者であり、その未来的な意匠は映画やゲームを始めあまりにも広範囲にわたる影響を与え続けています。

そんなシド・ミードさんと富野由悠季監督サンライズ側が、新しいガンダムをデザインするにあたってどのようなやりとりをしていたのか、決定稿に至るまでのデザインの変遷はどうだったのか、それらが圧倒的な情報量でまとめられたのが2000年に刊行された『MEAD GUNDAM』という画集です。この本は刊行後すぐに品切れとなり、その後はかなりのプレミア価格が付いていましたが(参考までに記事執筆時のAmazonマーケットプレイス価格は19,800円)、なんとついに復刻されることが決定しました! 詳細は続きで。
 

 
『MEAD GUNDAM [復刻版]』は復刊ドットコムへの多くのリクエストが実り、今回の復刊が決定しました。

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シド・ミード氏が描いた「∀ガンダム」のすべてがここに!

2000年に発売されて瞬時に品切れ状態となり、いまだ復刊リクエストが絶えない幻の一冊がついに復刻!!

「機動戦士ガンダム」シリーズ史上、そのデザイン性で大変な話題を呼んだ人気作『∀ガンダム』。そのモビルスーツをデザインしたのは、フォードのカーデザインをはじめ、「ブレードランナー」や「トロン」「スタートレック」等のデザインで教祖的存在となっているシド・ミード。その工業デザイン的な造形は、大きな反響を巻き起こした。

シド・ミード氏が描いた400点超のデザインワークに加え、サンライズとの意見交換の文書も時間軸に沿って収録した、画期的なドキュメント・ファイル!

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復刊ドットコムの予約ページでは、本書の内容の一部を公開しているので、ぜひチェックしてみてください。

シド・ミードさんの大量の設定画はもちろんですが、もうひとつ注目してほしいのはテキストです。「架空の兵器」であると同時に「歴史ある人気キャラクター」でもあるガンダムという存在にどうやって新たなデザインを吹き込むか? という難しいミッションを、シド・ミードさんとサンライズとのやり取りの文章でドキュメンタリー的に浮き彫りにするという構成は、ガンダムファンやシド・ミードさんのファンに限らず「ものづくり」に興味のある人は必読の内容となっています。

プロのプロダクトデザイナーがデザインするとき、そこに無意味な線などは一本もなく、すべてに意図がある...。設定画とテキストによって、その意図を多面的に読み取れるのが本書の最大の魅力と言えるでしょう。

『MEAD GUNDAM [復刻版]』は2013年1月下旬刊行予定予価:3,390円(税込)で、現在復刊ドットコムにて予約受付中です。


MEAD GUNDAM [復刻版][復刊ドットコム]

(マコ小林)

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RSS情報:http://www.kotaku.jp/2012/11/mead_gundam.html