メトロイド


上手く行けばすごい作品になりそうですが、中止させられないでしょうか?

Kickstarterで資金提供を募るゲームのファンムービープロジェクト。少し前には、『ファイナルファンタジー VII』のプロジェクトがありましたが(プロジェクトがどうなったかは後述)、今度は『メトロイド』のプロジェクトが登場しました!

先日ローンチした、この『Metroid : Enemies Within』プロジェクトは、サムスとサイラックスの戦いを描く10分の動画を作るために、9万ドル(約867万円)を集めようというもの。任天堂に了承などはとっていない、あくまでもファンプロジェクトですが、公開されたストーリーボードを見る限りなかなか面白そうです。早速見てみましょう。
 


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製作はMassive Stateスタジオで、プロジェクトページのF&Qによると、グラフィックノベル『Y:The Last Man』をベースにしたファンムービー(なお、この作品は「ファンムービー」ではない、本当の映画化プロジェクトも進行中の模様)も6万5000ドル、約626万円の自己資金を集め、昨年完成させているんだそうです。

プロジェクトは「このムービーを作ることで利益を手に入れることはない」としています。しかし、資金を集めて製作するのって大丈夫なんでしょうか?

任天堂から許可を得ていないこのプロジェクトですが、任天堂はファンが熱意を持って作った作品にはおおらかなことでも知られています。任天堂の岩田聡社長も、任天堂のゲームへの愛から作品を作るファンを「すぐに犯罪者としては扱わない」と発言しているそうです。

こういう方針の任天堂だからこそ、Exploding Rabbitの『Super Mario Bros. Crossover』のような、愛から生まれた作品(この作品は製作にあたって資金を募るなどはしていない)が存在するわけですね。しかし、Exploding Rabbitが資金を集めてゲーム『Super Retro Squad』を開発する際に、オリジナルなアイデアで作品を作らないといけなかったのも、資金を集めることが問題になる可能性があったからです。

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1744万コピー以上売り上げ、任天堂の最も成功したフランチャイズの一つでもある『メトロイド』ですが、人気があるにもかかわらず、映像作品が実現したことはありませんでした。『メトロイド』には映像作品が作られるべきなんです。
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とプロジェクトページに書いているMassive State。Kickstarterプロジェクトページの「リスクと挑戦」セクションには、「任天堂の弁護士団に作品製作を中止に追い込まれる可能性」なんてことは書かれていません。

しかし、それは例の『ファイナルファンタジー VII』の実写ウェブシリーズにまさに起きたことで、このプロジェクトは、知的財産侵害で中止を余儀なくされています。『FF VII』のプロジェクトの方では、その可能性はF&Qに書かれていたものの、主に返金に関する内容で、30日間の資金集め期間の終了前にプロジェクトが中止に追いやられたら、資金は提供者のもとに戻るという内容でした

一方、今回の『メトロイド』プロジェクトで、Kickstarterが資金提供者からプロジェクトに資金を分配した後に任天堂がプロジェクト差し止め請求をしたら、お金はどうなってしまうのでしょうか......。そこまで大変なことにはならない可能性は高いですし、『メトロイド』のムービーが作られるのは素晴らしいことです。しかし、クラウドファンディングの現実は、「それを望むなら、お金を払うことはできるけれども、そこから何を得ることができるかは別の話」ということでしょうか。

プロジェクトページでは、監督、サムス・アラン役の女優兼プロデューサー、美人プロデューサーが作品について語ったり、VFXテストショットなどの映った動画などが掲載されており、9万ドルの資金ゴールのうち、執筆時現在5000ドルが集まっています。資金集め中や制作中に中止させられる可能性もありますが、期待する方は是非Kickstarterのプロジェクトページを訪れてみてください。


Metroid: Enemies Within (A Metroid Fan Film) [Kickstarter, via DualShockers via Kotaku

(abcxyz)

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RSS情報:http://www.kotaku.jp/2013/08/metroid_enemies_within.html