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ハリウッドが忘れている大ヒット映画を生み出す10のルール
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ハリウッドが忘れている大ヒット映画を生み出す10のルール

2013-10-27 00:00
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    この夏のハリウッド映画は超大作続き...な印象でしたが、実は複数の作品が米国内の興行成績もいまひとつ振るわず、映画会社はハラハラしているところ。 ハリウッドは大ヒット映画を生む方法をわかっていたはずなのに、大事な基本を忘れてしまったのかもしれません。今日はそんな10の基本ルールを確認してみましょう。


    1. 自分の子どもが聞いたことがないネタに、2億ドルもつぎ込んではいけない


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    映画『バトルシップ』はアメリカの有名なボードゲームを元に作られましたが、このゲームを全米の老若男女が知っていたのは数十年前の話。今の時代の35歳以下がまったく知らないようなネタなら、もっと小規模な予算にするか、知名度を復活させるぐらいの下地作りが必要です。『グリーン・ランタン』や『トロン』も同様、映画の前にコミックでも出しておくべきでした。


    2. ジャンルミックスしていいのは、両方のジャンルに人気があるときだけ


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    ヒント:「歴史的人物伝」と「バンパイアもの」は今特に人気のあるジャンルではありません。確かに『トワイライト』シリーズは米国で人気でしたが、それ以外の最近のバンパイアものは不発に終わってるんですよね。西部劇のジャンルミックスも多く、火星人(『ジョン・カーター』)、スーパーヒーロー(『ジョナ・ヘックス』)、エイリアン(『カウボーイ&エイリアン』)との組み合わせがありましたが、必ずしも成功したとは...。


    3. シリーズ物の1本目はあまりお金をかけず、続編でもっとかける


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    少し前まではこれが鉄則だったはず。『バットマン』、『アイアンマン』、『トランスフォーマー』もシリーズ1作目の予算は1億5000万ドル程度で、2作目以降にもっと大きな額を投じています。それが最近、続編にかけるお金までも1作目につぎ込むのが一般的になってきたのか、2億ドル超の作品がいくつも。1作目はハデな演出より、キャラクター描写などに時間をかけたほうが...。


    4. さんざん焼き直しされたヒーローをまた復活させるときは、最初の設定に立ち返る


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    これは良いストーリー作りにも通じるものがあります。たとえば何十年も前から原作が続いているヒーローもので、長年使われてきた設定に読者が飽きてきたために、最近になって新しい設定がいろいろ付け足されている場合。この作品を映画化する際に使うべきなのは、作品がいちばん面白かった頃の初期の設定。つまらなくなってから付け足された新しい設定を入れるのは、良い策とは言えません。


    5. 原作のストーリー構成に注意する


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    娯楽性の高い夏休み映画は特に構成が大事。手堅い三段構成は古臭いように思えても、それらにきっちり従った娯楽小説やマンガの映画化は成功しやすいのです。一方、シリーズ化して延々と続いてきたテレビドラマやアドベンチャー小説を映画化する場合、しっかりした構成がないために、ストーリーをうまくまとめるのが困難になります。原作を選ぶ時点で構成に注意するか、大胆にまとめる心構えが必要でしょう。


    6. 海外でのウケを考える


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    冒頭で米国内の興行成績に少し触れましたが、米国ではガッカリな成績でも、海外での収入で何とか黒字になる作品が増えています。『ターミネーター4』や『エアベンダー』はそのいい例。特に中国の影響は大きく、今後公開される『ルーパー』や『アイアンマン3』は中国企業の支援を受け、中国人俳優が出演する予定です。『メン・イン・ブラック3』は中国公開時に中華料理を皮肉ったシーンがカットされたそうで、まあ何と言うか...そういう時代なのです。


    7. 娯楽作品をマジメにやりすぎないこと


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    これはマーケティングの問題でもあり、脚本の問題でもあります。『カウボーイ&エイリアン』のように、冗談かと思わせるような題材を選んでおきながら、コメディーだと思われるのが絶対にイヤな映画の多いこと。『バトルシップ』や『ヴァンパイアハンター・リンカーン』も同様。『ジョン・カーター』は極力コミカルにならないよう注意して作ったとか。しかし「コミカル」とは別の道を行こうとして「シリアス」を選んだら、着いた場所は「ツマラナイ」だった、なんてこともありますからね...。


    8. CG映像に一定の割合で感情的シーンを入れる


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    コンピューターによる作り物の中に人間的な要素が埋もれてしまっている作品は、予告編を見ただけでも大体わかります。俳優たちがグリーンスクリーンの前で、四六時中テニスボールを相手に演技していれば無理もないこと。確かに観客はスケールの大きい特撮が大好きですが、人間味のないCG映像の連続では飽きてしまいます。1分間のCG映像に対して、登場人物の考えや感情の動きが見えるシーンを最低1分は入れるなどのルールが必要です。『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラムの描写が素晴らしかったのは、俳優のアンディー・サーキスさんがCGに命を吹き込んだからですよ。


    9. 手作りの特撮は今でもカッコイイ


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    CGに頼らない特撮や特殊メイク
    も大切。『メン・イン・ブラック3』ではリック・ベイカー氏のデザインした宇宙人たちが素晴らしい個性を放ってました。これらが実際に手で触れられる素材を使って作られ、本物の俳優が中に入っていたから、無機質でつまらない映像にはならなかったのです。特に最近は、クオリティーの高い手作りのエフェクトが入っている方が、CGばかりの映像よりも際立って見えます。


    10. 熱心なファンは諸刃の剣である


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    米サンディエゴではもうすぐ、コミック、アニメ、ゲーム、トイ、小説等のファンが集う祭典「コミコン」が今年も開催されます。来場者を新作映画で魅了しようと、映画会社もはりきって宣伝攻勢をかけますが...ファンの機嫌を損ね、痛手を受ける作品が毎年のようにあるんですよね。 ファンは口コミの元になる力を持っていますが、彼らのご機嫌を伺いすぎて嫌われると却って逆効果。

    どうやらファンは自分たちだけをターゲットに作られた映画より、ファンでない友達や家族にもすすめられる映画のほうが、好意的な口コミをするようです。だから原作に忠実かどうかだけでなく、いい映画だと思ってもらえるような努力を。ま、それにはいい映画を作るのが一番なんですけど。


    10 Rules of Blockbuster Movies that Hollywood Forgot [io9]

    (さんみやゆうな)
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