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そのオリジナルは1954年に公開された『ゴジラ』にあるわけですが、怪獣映画のノウハウを持たなかった東宝の製作陣にとって、撮影は試行錯誤の連続でした。今回は、海外サイトBuzzFeedが公開した『ゴジラについての10の恐るべき事実』という動画をご紹介します。
よく知られた裏話から、ほとんど知られていない逸話まで、オリジンならではの突飛なアイデアも盛りだくさん。目からウロコのエピソードをご覧ください。
■1:ゴジラは最初、人形アニメで撮影される予定だった。
ゴジラが撮影された1953年当時、ハリウッドをはじめとする巨大モンスター映画は人形アニメ(ストップモーション・アニメーション)による撮影が一般的でした。後にゴジラと対戦する『キングコング』をはじめ、多くの作品が人形アニメで撮影されており、特撮監督を務めた円谷英二も当初はゴジラを同様の手法で映像化することを想定していました。
もしこの時、人形アニメの『ゴジラ』が誕生していたら、きっと『ゴジラ』のたどる運命も変わっていたに違いありません。
■2:初めての着ぐるみは身長6.5フィート(約2メートル)、重さ200ポンド(約90キロ)
撮影に当たって、ゴジラのスーツは2体製作されました。当初は着ぐるみ製作に対するノウハウが少なく、はじめに作られた通称「1号スーツ」は、あまりの重さと素材の硬さに撮影が難航し、改良された「2号スーツ」を用いて撮影が進められました。動画が示しているスーツは後者を指していると思われますが、諸説あるものの、軽量化されたとはいえスーツの重さは100キロ近かったといいます。
■3:スーツアクターはカップ1杯の汗を流す
現代でも、いわゆる着ぐるみ役者さんは大変です。ましてや手探り状態で製作された初代ゴジラのスーツにいたっては、演技中にカップ1杯の汗をかくなんてことはざらでした。
■4:特撮の神様「円谷英二」は、ゴジラを巨大なタコとして企画した
「G企画」として、水面下で進行していた『ゴジラ』映画化計画。円谷英二は1953年に提出した「インド洋で大蛸が捕鯨船を襲う」というプロットにこだわり、ゴジラをを巨大なタコとして描くアイデアを構想していました。
結果として、ゴジラを巨大な恐竜とする田中友幸プロデューサーの案が採用されることになるのですが、その後も、東宝作品において「大ダコ」は特異な位置を占めるモンスターとして登場することとなります。
■5:ゴジラのオリジナルネームは、「ゴリラ」と「クジラ」のハイブリッド
こちらは、英語圏の人たちには新鮮に思える事柄なのかもしれません。ちなみに『ゴジラ』という名前は、当時の東宝演劇部に所属していた、網倉志朗さんという人物のあだ名が「グジラ」だったことから、語呂がよいとして名づけられたという逸話が残されています。網倉さんはクジラが大の好物で、風貌は「ゴリラ」のようだったのだとか。
■6:ゴジラの予算は破格で、ほとんどスタジオを破産させた
当時の通貨で7千万円という破格の予算がつぎ込まれた『ゴジラ』は、観客動員数961万人という異例の大ヒット。当時の平均的な映画制作費が2千万円ほどだったといいますから、もしこの成功がなければ、後のゴジラシリーズは製作されず、もちろんハリウッドゴジラの誕生もありませんでした。
■7:観客はゴジラを本当の出来事だと信じた?
東宝シアターを破壊したゴジラに、観客は実際にゴジラが劇場を攻撃したと思った......と書かれているのは、1954年版『ゴジラ』の中で破壊された、当時の日本劇場のこと。公開当時の日劇は東宝による直営興行が行われており、それは現在のTOHOシネマズ日劇に受け継がれています。
■8:独裁者キム・ジョンイルが日本の特撮チームを誘拐?
北朝鮮の前最高指導者だった金正日は大変なゴジラファンで、伝説上の怪物をモチーフとした『プルガサリ』という怪獣映画を製作したとされています。動画では誘拐された(kidnapped)とありますが、実際は中野昭慶氏以下の東宝特撮スタッフは正式に招かれるという形をとっています。
■9:ウォーク・オブ・フェームにゴジラの星
ハリウッドのウォーク・オブ・フェームといえば、ショー・ビジネスに関わる人にとっては憧れの観光名所。キラ星のごとく輝くエンターテイナーの名前がテラゾに刻まれているわけですが、その中にはゴジラの名前も刻まれています。ただし、ゴジラに先立つモンスターの星キングコングの名前は、そこには刻まれていません。
■10:幻の企画『ゴジラ対バットマン』
25頭を越える大怪獣との激闘を繰り返したゴジラですが、バットマンと対決していたかもしれないことはあまり知られていません。幻の企画として存在した『ゴジラ対バットマン』は、脚本家の関沢新一さんにより、実際にプロットと未完成の初稿が作成されています。
「初代バットマン」とゴジラとの競演が実現していたら、きっとポップでキッチュな怪作が実現していたに違いありません。
いかがでしたか? 長い歴史を持つ『ゴジラ』シリーズですが、汲めども尽きない興味深い裏話がまだまだ隠されているはず。紆余曲折を経ながらも、結局は最も望まれる形で誕生した大怪獣ゴジラ。伝説が生まれる背景には、運命的なエピソードが隠されているものですね。
なお、ギャレス・エドワーズ監督による新たな『GOZILLA』は、7月25日に全国公開予定。公開が今から楽しみです!
10 Monstrous Facts About Godzilla[YouTube]
Monstrous Facts About Godzilla[BuzzFeed VIDEO]
(キネコ)
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