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ステイサムの声といえばこの人! 山路和弘さんにインタビュー
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ステイサムの声といえばこの人! 山路和弘さんにインタビュー

2014-08-06 22:00
    ジェイソン・ステイサムの吹き替え声優・山路和弘さん
    【大きな画像や動画はこちら】

    まもなく公開となる「21世紀最強のアクションスター」ジェイソン・ステイサム主演映画『バトルフロント』。今回はそんなステイサムの吹き替えでおなじみの声優・山路和弘さんにインタビューして参りました!

    ――ジェイソン・ステイサムに対してどんな印象をお持ちですか?

    山路和弘(以下、山路):最初に『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』で演じた頃は、ちょっと気弱だったりするキャラクターを演じるスラッと痩せた男っていう印象が強かったんですが、『トランスポーター』あたりで急にアクションシーンをやるようになって「この人は底知れない男だな」と思いました。

    でも、アクション映画の中でアクションしてない時に見せる表情も良くって、好きなんですよね。


    ――では、そんなジェイソン・ステイサム出演作で一番お好きな作品はなんでしょうか?

    山路:やっぱり『アドレナリン』ですかね。


    ――ですよね!

    山路:あれは最高。あんなにやってくれたら言うことないですよ。ただ、現場はすっげぇきつかったけど(笑)。


    ――どういったところが大変だったのでしょうか?

    山路:息が続かない。叫びながらアドレナリンを出し続けてるという役だったので、軽く過呼吸みたいな状態になりましたね。僅かなタイミングで息を吸ったりして何とかやりました。

    あそこまで大変だったのはステイサムの作品では他にありません。いやぁ、化け物のような役者ですね。声を演じるだけでも大変でした。


    ――ステイサムを含め、ワルなキャラクターを数多く演じていますが、何か特別な役作りはされているのでしょうか?

    山路:あんまり作ってないんですよね(笑)。実際はお人好しだし、ワルなわけではないんですが、声がどうしても悪役っぽくなっちゃうんです。だから、役作りはイイ人役の時に頑張ります


    ――では、イイ人役ではどのような役作りをされるのでしょうか?

    山路:お腹の芯のところでグッと緊張するイメージですかね。自分でもよくわからないんですけど、気を抜かず、声のトーンとか息の置く所を低く落とさないようにしてます。ちょっとした事なんですけどね。


    ――俳優としても活躍されていますが、声優の仕事を始めたきっかけはなんだったのでしょうか?

    山路:昔、舞台を見に来てくれたTV局のプロデューサーが「あの声は使える」と言い出したのが最初です。

    でも、僕は自分の声にコンプレックスがあったんですよ。舞台の養成所の発声の授業でも劣等生で、他の生徒に比べて声が届かないといったこともありました。だから自分の声が売り物になるという発想がまったくなかったんです。そういうこともあって声優の仕事は半信半疑で始めたんですけど、意外に長くやれてると思います(笑)。


    ――俳優/声優という演じる仕事をする上で気をつけていることはなんでしょうか?

    山路自分が全く知らない人の人生を演じるとしても、自分と無関係なところで作ることはできないということを常に思ってますね。

    自分ではないものを演じるのはありえないと考えていて、ちょっとおこがましいかもしれませんが、演じるということは自分の中から発するものでいいんじゃないかと思ってます。ある種の言い訳かもしれませんが(笑)。


    ――では、演じる対象を自分の一部とするための研究もするのでしょうか?

    山路:やりますね。その人物に関して読み物があれば読むし、何が、どうして、こういう流れ・人物になったのかも考えます。あと、その過程で「ひょっとしたらこんな変なやつなんじゃないか?」と、その人物の変わったところを探したりもします


    ――そういった研究も含め、普段はどういった映画を見るのでしょうか?

    山路この仕事をしてると、大体一日1本は見るんですよ。だから、最近は映画館に行く回数が段々減ってきちゃってます。あ、これは仕事来るな......と思ったりすることもあって(笑)。ただ、3Dの作品は劇場へ見に行きますね。

    あと、ケーブルテレビの映画専門チャンネルで放送されてる作品を見ることも多いです。たまに朝まで見ちゃうこともあります。やっぱり映画が好きなんでしょうね。

    でも、自分はホラー映画が苦手なんです。スティーブン・キングの映画にもはまってた時期があったりもしたんですが、『ソウ』の吹き替えをやった時は尻がムズムズして嫌でした(笑)。

    映画を見てると最近はよく泣いちゃいますね。歳を取るにつれて涙もろくなっちゃって、感動モノは一本見るたびに泣いちゃう。しかも最近は、感動シーンがこのあと来るっていう段階で泣き始めちゃって......。不思議な老後を送ってます(笑)。

    最近だとテレンス・スタンプの『アンコール!!』を見た時が特にひどかったです。劇場に入って5分で泣いちゃいました。もしかしたら、涙腺が弱くなり過ぎちゃって、もう観客としてはダメなのかもしれません。

    アクション映画もよく上映してるのもあって、なんだかんだ見ちゃいますね。こいつのアクションのキレは素晴らしいとか、そういうところに注目します。でもやっぱり、ジェイソン・ステイサムは特別ですね。アクションが半端じゃない。もう年なのに凄いと思います。


    ――これでも『エクスペンダブルズ』では若手なんですけどね......

    山路:最初の頃は細かったのに、最近は貫禄が出てきてますよね。彼は『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』でブリティッシュなジャケットが非常に似合っててカッコ良かったから、自分でも丈の長いジャケットを買いました。それ以来、ジャケットは長めのを選んでるんですよ。

    でも、彼は『トランスポーター』で変わりましたね。オイルを撒いたあと、滑らないように自転車のペダルを履いて戦うシーンは凄まじかった! ちょっとギャグなシーンをあの真剣な顔でやるから、かっこ良くなるんだよなぁ。


    ――吹き替えで映画を見る魅力は何だと思いますか?

    山路:昔の映画と違って今の映画は情報が詰まってるので、字幕では出し切れない部分がありますよね。やはりそこは吹き替えで見るといいかなと思います。

    ただ、外国語に比べると日本語ってそんなに早く喋れないので、出しきれない情報もあるんですよ。だから、この情報をどうしても入れたいってなった時は、ちょっと早口で喋ることもあります。情報を欠かさないようにやるのは結構大変ですね。


    ――吹き替え版を見る時にここを楽しんでくれというポイントはありますか?

    山路:ソフト版だと字幕に合わせる必要があるので難しいんですが、テレビ放送の場合は字幕がないので、広川太一郎さんみたいに付け足したりして、その人物がより愛されるようにいろんな冒険をする時があります。そこを楽しんでほしいですね。

    もちろん、DVDでも話し合って「これだめ? これだめ?」と、なんとかアレンジを入れたりするので、そちらもチェックしてほしいです。


    ――最後に、『バトルフロント』の見どころをお願いします。

    山路:脚本がスタローンだからもう少し分かりやすいのかと思ったら、ちゃんとステイサムの映画になっています。激しいアクションの中にもしっとりしたものがあって。見ていて胸がチリチリしました。


    山路さんがあの超カッコイイ声にコンプレックスを持っていたというお話には驚きました。そして、洋服選びにまで影響を受けるなど、山路さんがかなりのステイサム好きだと感じられたのは、ステイサム/山路さんのファンとしては嬉しい限り。これからもずっとステイサムの声を演じていただきたい!



    そんなステイサム主演最新作『バトルフロント』は8月9日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー!

    『コマンドー』や『96時間』にも通ずるところのある「戦うパパはカッコイイ」系のアクション作品であり、スタローンが自分用に書いた脚本をステイサムの才能を認めて譲るという製作裏話も熱い、アクション映画ファン必見の作品です!


    『バトルフロント』公式サイト

    傭兵ペンギン

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    RSSブログ情報:http://www.kotaku.jp/2014/08/battlefront-kazuhiro-yamaji-interview.html
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