ディストピアSFの暗くて埃っぽい10の定番ルール
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温暖化を食い止めよう、リサイクルを徹底しよう、エコバック使用推奨、環境破壊はいけないことだ...。私たちは普段から環境を気にして、未来ある子供たちに健康な地球を残してあげたいと考えています。

しかし、その一方で、私たちはディストピアをこよなく愛しており、良いディストピア映画が出て来ないかと待ち望んでいるものです。そこで、今日はio9がまとめた「ディストピアSFの定番」を紹介します。

「ディストピア映画あるある」でもありつつ、これからディストピアを書きたいと考えている人たちへのヒントにもなる良いまとめですよ。


■今ある技術は全て存在しているが廃れている

ディストピアの人々は、何故か車を好んで乗っています。ディストピアになるまでに、車よりも素晴らしい乗り物が開発されていた可能性もある上に、今やガソリンも走る道路も無いにもかかわらず車に執着しているのです。

また、現代の美しく洗練された知識は未来では廃れてしまっている設定も頻繁に使われます。目を見開いた浮浪児がボロ布で覆われているメインフレームの地下室を発見したり、まだ食べられるジャンクフードや、ドンピシャで欲しかった医薬品も見つけたりするケースも多々あるようです。


■厳格な階級システムが存在する

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名称は分かり易く


「持つ者」と「持たざる者」といった区分けではなく、「野心家」や「堕落者」といった独特な呼び方が存在します。もしくは、「クアドラント6」や「アウター・リム」といった住んでいる場所そのものの名前で呼ぶこともあります。

住んでいる場所だけでなく、彼らの仕事も呼び名に関連するものでなくてはいけません。例えば、「アウター・リム」と呼ばれる人たちは、外の世界の腐敗した壁や外皮といったものを奇麗にする仕事に従事していたり、「野心家」は分かりもしないのにコンピューターを解析しようと一日中いじくっていたりと言った具合です。


■独裁者に牛耳られている

独裁者はきらびやかな夜会ドレスや、襟無しの未来的な衣装を着ていなくてはなりません。それらの衣装でなかった場合は、おどろおどろしいボディペイントが施されていたり、不特定多数のスカルをジャラジャラと身にまとった奴らに囲まれているケースが多いようです。

それらにも当てはまらないようであれば、その独裁者はコンピューターが作り出したヘイブマインドの操り人形だったり、架空の人物だったり、特殊メガネでしか確認できないエイリアンである可能性も...。


■ヒーローやヒロインが現れて反乱軍を率いる

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必ずリーダーが出現


反乱軍を率いる前に、後にヒーローやヒロインとなる人物は暴漢やちんぴらにスタンガン等で拷問を受ける必要があります。

また、その拷問の最中に頭を剃られたり、チェーンなどで拘束されて跡に残る酷い傷を負わされたりすることも多々見られます。そしてヒーローは復讐を誓いますが、その復讐は汚れた子供たちや涙を流す女性、無精髭を生やした男といった人々を開放するのではなく、暗く荒廃したゴールに向かうということに気付くのです。


■荒廃した街で緊張感漂うチェースシーンが展開される

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追いつめられて構想ビルの窓から逃げるのもお決まり


悪役は反乱軍を探して、今は使われていない半分浸水したトンネルに行き、悪共の追跡を逃れたヒーローは高層ビル間のジップラインを使って移動します。ジャカジャカのテクノミュージックが、腐食したスチールの家が乱立するスラムや腐った木、絡まったワイヤの中を走るヒーローを盛り上げます。

反乱軍の中の1人が捕まり、犬達に八つ裂きにされたり、「守衛」と知られる階級の人間のみが使用するのを許された特殊武器によって木っ端微塵にされるのもお約束です。


■空気が汚れている

空気は灰でよどみ、ことあるごとに雨を降らせます。そうでない場合は、キャラクターはどこかとても汚い場所で仕事をしている為、非常に汚れています。この暗い未来で輝く存在は人々の闘志と勇気だけなのです。


■しかしディストピアの支配者が居る「神聖な場所」はとても奇麗

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支配者は奇麗な場所を好む


これはディストピア映画の鉄板ルールです。どんなに外の世界が汚れていようと、独裁者の住む場所はビックリするほど衛生的です。また、支配者は先端技術にアクセスすることが可能。口にする食べ物は腐っておらず、常に奇麗に仕立てられたシミひとつない服に身を包んでいるのです。

支配者はヒーローを目の前にすると、社会秩序を維持する為にこれらが必要であるということを偉そうに話し始めます。


■「かつて」について話さなくてはならない

賢者が灰だらけの空気になる前の、食べ物が溢れ、テレビが制限されていなかった「古き良き時代」のことを思い出して語ります。若者は、両親が写った色があせてしわくちゃになった写真を大切そうに見ていますが、その両親とはあまりにも幼い頃に別れているので思い出すことは出来ません。

キャラクターは私たちが知っているような現代の映画や飛行機ではなく、微妙に形や概念が変えられた「映画らしい何か」や「飛行機らしいなにか」の話をしています。

オリジナルの『スターウォーズ』や『シンプソンズ』のエピソードを道徳の教科書代わりに再生する人がいるかもしれません。火の明かりに照らされた人々の顔は厳しく見えているか、子供たちは外界の殺伐とした雰囲気とは反対に、つかの間の娯楽に浮かれています。


■希望の光が必要

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前向きな話が好きな人はラストに希望を持ってきましょう


食料不足、階級社会、気候変動と悪いことばかりですが、それでも一筋の希望の光が必要です。闘いは勝たねばなりません。

希望の描き方としては、賢い誰かが空を見上げ、星や「飛行機らしい何か」のきらめきを見つけて、文明が他にも存在するのではないかという可能性を伝えるといった具合がメジャーです。他にも、最後の妊娠可能な女性や最後の植物が発見された、全ては失われたがホッキョクグマだけは生き残っていた終わり方も考えられるでしょう。

植物が見つかったから、妊娠出来る女性がひとりだけ見つかったから...。それでどうしろというのだ、と言ったことは考える必要はありません。むしろ考えると恐ろしいので、あえて無視するのが良いでしょう。


■希望もへったくれも無い

どうしようもなくダークなディストピアの場合、観客に希望など与えてくれません。

最後の植物はドローンによって踏みつぶされ、ヒーローは親友と最後のスパムの缶詰を取り合って命を落とします。また、屈強な男達も一人残らずゾンビの餌食になり、全ての子供たちが突然ハイブマインド(集合精神)を持ち始めます。

これを読んでいる貴方が、このようなディストピアを描きたい、作りたいと考えている場合、エンドクレジットが流れる直前に、子供たちの目を赤く光らせれば希望など全く存在しない、この世は終わったのだということを伝えられるでしょう。


Top image: Doomsday.

The 10 Dark, Gritty Rules of Dystopian Science Fiction[via io9]

中川真知子

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