現在の映画の宣伝に有効なのは予告編ではなく「歌」という研究結果


コタク・ジャパンではよく映画のトレイラーを紹介しますが、映画の宣伝に有効なのはトレーラーではなく「歌」だという研究結果が出たとio9が伝えました。


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この気になる研究結果を発表したのは、マーケティングテクノロジー会社のUnruly。同社は、去年一年に映画スタジオが出した最大のバイラルビデオはトレイラーと呼べないようなもので、具体的には、『Devil's Due』の「悪魔の赤ちゃん」といったヒドいイタズラを通して映画を知ってもらうといったものや、映画に関連したミュージックビデオだったことを明らかにしました。

近年、ミュージックビデオは映画のマーケティングにおいて、より一般的になってきています。例えば、ディズニーは『アナと雪の女王』の「レット・イット・ゴー」をネット上にアップしましたし、『ハンガー・ゲーム モッキングジェイ』のトレーラーでは、ロードが歌う「Yellow Flicker Beat」が紹介されています。

去年は人々の「シェア」が映画の宣伝に強い影響を出した年でした。前述の「レット・イット・ゴー」は、2013年9月から2014年9月までにディズニーの動画の中で最も視聴されたもので(それだけでなくディズニーYoutube動画のトップ10は全て『アナ雪』の歌に関連するものだそうです)、『アナ雪』に限らず、他の映画でもミュージックビデオは宣伝に効果的のようなのです。

例えば、『ホビット 竜に奪われた王国』のエド・シーランの「I See Fire」のミュージックビデオも大ヒットしたもののひとつ。このようなミュージックビデオは、映画のトレーラーと比較しても、遥かに視聴されているのです。


映画『キャリー』ばりの超能力発動をやってみたドッキリ動画


こうなってくると気になるのが、トレーラーの存在価値。トレーラーの需要は無くなってきているのでしょうか? 映画館に客を呼び込みたければ、ミュージックビデオやプランクビデオみたいなものばかり作れば良い? そうとは言い切れません。

歌やイタズラ動画でなくとも、人々が精力的にクリックしたくなるようなトレーラーであれば良いのです(『アメイジング・スパイダーマン2』や『X-MEN: フューチャー&パスト』のトレーラーはその年の最も口コミされた映画動画です)。

ただ、io9のジェームズ・ウィットブルック記者も書いているように、今後のトレーラーは映画に登場する特定の曲に特化したようなものが多くなると考えられるのではないでしょうか。


『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』の「Hooked on a Feeling」


事実、最近大ヒットした『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』の「Hooked on a Feeling」や、Foxesの『ドクター・フー』のミュージックビデオのように、歌を取り入れて成功しているパターンが増えてきています。

デジタル/ソーシャルメディア時代においてバイラルというのはとても重要です。Unrulyの調べによると、トレーラーやミュージックビデオをシェアした人物がチケットを購入する割合は、通常の6倍になるのだそうです。これは、かなり強い影響力を持っているといえるでしょう。

この調査結果全文は、Unrulyで読むことが可能です。2006年から2014年の8年の間に最もシェアされた広告なども知ることができるので気になる方は是非チェックしてみてください。


[via The Hollywood Reporter via io9]

中川真知子

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