日本では『ロックマン』として、海の向こうでは『Mega-Man』として広く親しまれているシリーズを、豆知識でおなじみのDid You Know Gamingがたっぷりお届けしてくれました。
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こうして『ロックマン』という名称が定着した今から考えると奇妙なタイトル案の数々、そして海外版との違いなど、『ロックマン』シリーズの豆知識を見てみましょう。
■『ロックマン』の名称案の数々
マイティーキッドなんかは良さそうですね。
タイトルが『ロックマン』に決まる前は、「バトルキッド」、「マイティーキッド」、「ミラクルキッド」などでした。タイトルに「レインボー」を入れることも考えられており、87年8月の雑誌では、「ザ・バトルレインボー ロックマン」として紹介されています。
■『ロックマン』のデザインと色
ロックマンが青い理由
前述の「レインボー」という名前は、武器によってロックマンの色が変わるところから来ているようです。ゲームのカラーパレットには54色ありますが、その中でも「青色」は種類が多めになっています。
『ロックマン』はこの54色という限りのあるなかで開発されました。シリーズ開発者の稲船敬二さんはロックマンが青い理由を「青いのは任天堂が理由、それ以外に理由はない」と語っています。
■生みの親として知られる稲船敬二さんは実は「生みの親」ではない?
正確には...?
『ロックマン』シリーズの生みの親として知られる稲船敬二さんですが、『ロックマン』を最初にデザインしたのは北村玲さん。木村さんのデザインを後に稲船さんが精錬していきました。
稲船さんが自分の思い描いたロックマンを描くことができたのは『ロックマンX』になってからのこと。しかし稲船さんの思い描いた「新たなロックマン」は「ゼロ」でした。
デザイン的にロックマンとは大きく異るゼロが、ロックマンの代わりに急に主人公になることなどできません。なのでまずはサイドキャラクターとしての登場でしたが、ゼロを主人公にしたいという稲船さんの夢はGBA用の『ロックマンゼロ』で叶うことに。
■ドクター・ライトとドクター・ワイリーの元ネタ
その理由は。
それぞれのフルネームは「ドクター・トーマス・ライト」、「ドクター・アルバート・ワイリー」です。
「トーマス・ライト」は「トーマス・エジソン」から、「アルバート・ワイリー」は「アルバート・アインシュタイン」からとられた名前です。また、ドクター・ライトはサンタクロースも元にされています。
興味深いのは、動物実験や電気椅子の開発などでエジソンの方がモラル的に危ない橋を渡っていたこと。対するアインシュタインは平和主義者で「戦争は病だ」などとも発言しています。
それでも『ロックマン』のドクター・ワイリーが悪役なのは、アインシュタインの生み出した数式が原子爆弾を生み出したことから来ているのかもしれません。アインシュタインは、第二次世界大戦中にナチも原子力を使った兵器を生み出そうとしているかもしれないことに恐怖し、アメリカに原子爆弾の開発を求めました。
そう考えるとアインシュタインを悪者にしたくなるのもわかるかもしれません。
■『ロックマンX5』の海外版ボスはガンズ・アンド・ローゼズ
ガンズ・アンド・ローゼズとの関係って?
北米版の『ロックマンX5』では、8人のボスたちの名前がガンズ・アンド・ローゼズのメンバーへのオマージュになっています。
しかし日本版の名称とは全く違い、このバンドへのオマージュはカプコンとも関係がありません。これは翻訳家のアリソン・コートさんによるもので、ガンズ・アンド・ローゼズのファンであった彼女の当時のご主人のためにしたんだそうです。
コートさんは『ロックマン』シリーズについてはほとんど何も知らなかったようで、音楽系のオマージュを入れ込んだのは偶然のよう。
■『流星のロックマン』は元々『バトルネットワーク』シリーズの一部として考えられていた?
テスト用のファイル
RPG作品『流星のロックマン』は、『バトルネットワーク』シリーズより200年後の世界を描いており、ある意味その後を継ぐ存在の作品です。2Dの平行透視図で表現された世界と、戦闘シーンは限定的な3Dで描かれています。
しかし『流星のロックマン』のRAMを調べていくと、ナビや子供などのNPCの3Dファイルが見つかります。これらの3Dはだいぶ大雑把に作られており、テスト用に作られたと考えられます。
また、このネットナビの3Dモデルは、『バトルネットワーク』のキャラクター「ノーマルナビ」にそっくりです。また、『バトルネットワーク』から採られた3Dのワールドマップや、秋原町の3Dリメイクのようなものも。
「ホンダ」や「セブン-イレブン」などのロゴは昔のスポンサーシップの名残りかもしれません。『バトルネットワーク』シリーズの光 熱斗とロックマンと、ロックマンのモデルにはメガバスターも存在します。このことから、元々『流星のロックマン』は3Dの『バトルネットワーク』シリーズ作品として考えられていたのではないかと推測できます。
■名称の違いだけではない、日本版と海外版
漫画版もグロテスクでしたよね
『ロックマンロックマン』の北米版ではオイルマンの唇の色が変更されています。これは、元々の黒い色と大きなピンク色の唇は、黒人の人種ステレオタイプを連想させるという理由。
そこで、体の色はダークブルー、唇の色は黄色に変更されている他、コミック版でのオイルマンは口をスカーフで隠すようにされています。また『メガマンゼロ』作品中で、敵を切りつけると出る赤い血のようなエフェクトは、日本版以外のバージョンでは取り除かれています。
血が敵から出ている(ようにみえる)のに「CERO全年齢」レーティングを受けているのは、海外から見ると不思議なようです。
海外版では赤いのが出るだけでマズいんですね。色々な豆知識が出てきましたが、Did You Know Gamingからはロックマンの豆知識の動画がもう一つ出ているのでそちらもお楽しみに。
[via Did You Know Gaming]
(abcxyz)
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