史上初、ガイガーカウンター付き楽器の登場!?
ロシアの楽器と言えば、三角形の弦楽器バラライカや世界初の電子楽器テルミンが有名ですが、今度は現代科学とアートが融合した楽器、『メタフェイズ・サウンド・マシン』がその仲間に加わるかもしれません。
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これは内蔵されたガイガーカウンターが計測した、放射線を原動力にして6枚の透明なプレートが回転し、各々が独特のサウンドを奏でるものなのです。
特に伴奏やメロディーを演奏するわけではなく、非常に抽象的でアーティスティックなミュージックが不思議な癒やし効果を与えてくれるかのようです。
ではまず、実際にこの楽器が稼働し、演奏する様子を動画で確認していただきたいと思います。ではどうぞ!
「io9」で紹介されていた、この『メタフェイズ・サウンド・マシン』。作ったのは、モスクワを拠点に活躍しているデミトリー・モロゾフさんという方。彼はミュージシャンであると同時に、エンジニアでもあるということで、このような楽器らしくない楽器を数多く制作されているのです。
モロゾフさんは、『メタフェイズ・タイプライター』や『クアンタム・メタフォーン』などを発明した、アメリカの物理学者ニック・ハーバート博士に影響を受けて、こういった作品を制作しているそうです。
モロゾフさんによる『メタフェイズ・サウンド・マシン』の解説を読んでみましょう。
『メタフェイズ・サウンド・マシン』は6枚の回転盤から成るオブジェです。各ディスクはアコースティックな音源とスピーカー、それにマイクが接続されています。そのマイクはディスクの上でスピーカー、回転軸、そしてコンピューターへと接続されているのです。そして作品の中央にはガイガー=ミュラー計数管が取り付けられており、周囲の空間から電離放射線を検知します。
円盤の速度は粒子に影響を受けて回転します。本質的にこのオブジェは、マイクロフォンとスピーカーと回転盤からのフィードバックを合成して音を生み出す装置なのです。
そしてそのフィードバックは、さらに複雑な音を合成する引き金となります。付随する調和信号は、非持久性の動的システムによって生み出され、それが終わりの無い、多種の音へと繋がるのです。
オブジェの形状は、一般的に「量子もつれ」または2光子(バイフォトン)として知られているシンボル(軌道を周回し交差する円盤)を参考にしています。
なんだか科学的で難しい感じですが、要は大気中の放射線を動力にし、一度出した音に反応した別のデバイスがまた音を出し、を永遠に繰り返す永久機関シンセサイザーといった感じなのですね。
複雑なような、単純なような構造
モロゾフさんは他にも、磁力で宙に浮いたスピーカーから音が出たり、タトゥーとして彫った模様をスキャンして音を奏でる機械などなど、ロシア版の明和電機さんみたいな作品をたーくさん制作されています。ぜひとも彼のウェブサイトでチェックしてみてください。
Listen to the Music Created By Radioactivity[io9]
(岡本玄介)
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