2014年の4月から6月にかけ放送されたテレビアニメ『シドニアの騎士』。ポリゴン・ピクチュアズ設立30周年記念の意欲作として世界的に賞賛され、3DCGとアニメの歴史にその名を刻みました。今年の3月には劇場版も上映され、4月からはテレビシリーズの第2期が放送予定と、その勢いは止まることを知りません。
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そんな『シドニアの騎士』の原作者である弐瓶勉氏はSF漫画界の巨匠として世界に名を馳せていますが、日本においてはまだ「知る人ぞ知る」的な存在。
そこ今回はそんな、「弐瓶マンガに興味はあるけど何から読めば良いかわからないよ~」という皆さんのために、フローチャート診断を作成しました。簡単な質問に答えるだけであなたにぴったりの弐瓶勉作品が見つかるはずですので、是非お試し下さい!
どれも無関係なようで作品に関わる重要な質問なのです...
回答お疲れ様でした。診断結果のアルファベットと対応する作品を確認してみましょう!
A、『BLAME! and so on 弐瓶勉画集』
弐瓶作品を全く知らない人でも楽しめるイラスト集
弐瓶勉氏の2003年までのカラーイラストが収録された画集です。代表作『BLAME!』を中心にした重厚なイラストの数々が、美術的な価値と説得力で世界をうならせました。
細かい設定や裏話、さらにあのギレルモ・デル・トロ監督との対談も掲載された、ファン垂涎の一冊です。一枚一枚の絵に凝縮されたエネルギーと緻密な世界観は、漫画本編を読んでいなかったとしても見る者を惹き付けて止みません。
そういう意味では、マニアックであるが故に弐瓶マンガの入門書とも言えるでしょう。
B、『ブラム学園! アンドソーオン 弐瓶勉作品集』
先生こういう作風もいけるんスね! とファンを驚かせた一冊
こちらはアフタヌーンなどに収録された弐瓶勉氏の短編を集め、加筆修正したフルカラーの短篇集。独立した短編からセルフパロディ作品、シリアスからコメディ調までバラエティに富んだラインナップを収録。
弐瓶勉作品はどれも、世界観が背景やキャラクターの細かな言動に描き込まれており単体で楽しむことができます。この一冊を読んで、気に入った作品と近い作風のシリーズを次に読み始めると良いでしょう。
C、『NOiSE』
弐瓶作品はどれも主人公の武器が格好良いのです
代表作である『BLAME!』の世界の過去、始まりとなる事件を描いた外伝的作品。また弐瓶氏デビューのきっかけとなった、1995年夏の四季賞で審査員特別賞を受賞した短編『BLAME』も収録されています。
ルーツとも言えるこの一冊から弐瓶作品の世界に入ったと言えば、一目置かれること間違い無し。バトルシーンの豪快さとスピード感、弐瓶作品の魅力がぎゅっと詰まった一冊です。
D、『BLAME!』全10巻
これぞSF、これぞポストアポカリプス
言わずと知れた弐瓶勉氏の代表作。診断結果は関係なく、必ずこの作品は読んで欲しい! 絶対に外せない作品です。
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果てしなく続く巨大な構造物の中をひたすら探索し、遭遇する敵と無言で戦い続ける......
美術手帖2006年2月号より抜粋
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主人公である霧亥が巨大な(それも太陽系規模で巨大な)構造物をひとすら上へ上へと探索していく旅の物語。魅力的なキャラクター達が、胸の熱くなるSF設定下で、ガジェットを駆使してドラマと死闘を繰り広げます。そして何より、主人公の持つ「重力子放射線射出装置」が、名前も見た目も性能も全てにおいて格好良過ぎる。
多くのSFファンに衝撃と共に強い影響を与えたこの作品、なんと来たる4月23日に『新装版BLAME!』として発売されますので、是非是非そちらもチェックして下さい。B5サイズという大きさで山よりも高く海よりも深い世界(物理的にも)を楽しむことができるなんて、本当に幸せです。
とはいっても、紛れもなくハードSFであるこの作品は好き嫌いが分かれるかもしれません。個人的には『マトリックス』シリーズファンには75%程の確率で、『ニューロマンサー』が好きな人には90%程の高確率で刺さるんじゃないかなと思っています。
E、『BIOMEGA』全6巻
東亜重工のエージェントが主人公
弐瓶作品は作品設定の構築や造形に注目が集まりがちですが、実はキャラクター達がそれぞれに世界で生きた軌跡が交差し、リンクしていく人間ドラマにも特筆すべき緻密さが見られます。
本作でも、主人公が地球の命運を左右する事件を追っていく中でいくつもの愛が描かれます。描かれているのですが、読んでいる最中は次々登場するトンデモ兵器に心奪われて、それどころではなくなること請け合いのSF作品です。
F、『シドニアの騎士』既刊14巻、現在連載中
弐瓶勉氏の名を広く世間に知らしめた作品
改めて説明する必要もないかもしれませんが、人類の播種船シドニアの中で暮らす人々が「衛人(もりと)」と呼ばれるロボット兵器に搭乗して「ガウナ」という敵性宇宙生物と戦う物語。
弐瓶作品において、これだけの規模で人々が文化的に生活している姿が描かれているのは本作だけでしょう。ロボット、学園、ラブコメという王道を志しながらも、研ぎすまされた二へイズムが心に何かを刻みこんでくる作品です。
アニメ一期は6巻冒頭までの内容ですが、アニメでしか感じられないこともあるように、漫画でしか描かれていない要素もあるので是非漫画版もチェックしてみて下さい。そして、弐瓶氏の過去の作品群を読んでから『シドニアの騎士』を読むと、さらに楽しめる要素が多数あります。特に『BLAME!』は事前に読んでおくと損をしません。
G、『ABARA』上下巻
白と黒が乱舞する超高速バトルここにあり
人類と白寄居子(しろがうな)と呼ばれる超生物との戦いを描く本作の主人公は、白寄居子に対抗するべく作られた生物兵器、黒寄居子(くろがうな)の青年。黒い外骨格を身にまとい超高速で戦うダークヒーローの、凄みのあるクールなデザインは一見の価値ありです。
そして壮絶なバトルが繰り広げられる一方で、喋るガイコツと鳥とカプセルという愉快な3人組など、魅力的なキャラクター達が健気に頑張る姿は胸を打ちます。上下巻で完結する手に取り易さと、読む度に新しい発見がある密度の高さ、必ずや満足できる作品です。
H、『Wolverine:Snikt!』
マーベル・コミックスのオファーで実現し、弐瓶氏の世界的な評価を裏付けました。
こちらはあの、X-MENのウルヴァリンを主人公にしたコミック。全5話に渡り、異世界に呼び出されたウルヴァリンが人類を脅かす敵と戦う物語が描かれます。この作品の嬉しいポイントはなんと言ってもオールカラーである点。さすがアメコミです。
キャラクターのビシッとキマった静的なポーズが描かれながらも、その姿に押さえようの無い動きとスピードを感じるという弐瓶作品の味が強く出た作品です。ちなみに「Snikt!」とはウルヴァリンがアダマンチウムの爪を出す時の「シャキン!」という効果音ですね。
いかがでしたか? あなたにぴったりの作品と出会えましたか?
『シドニアの騎士』から確実に広がりつつある弐瓶勉ブーム。このビッグウェーブに乗るなら今しかありません!
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弐瓶勉画集 BLAME!and so on[講談社コミックプラス]
ブラム学園! アンドソーオン 弐瓶勉作品集[講談社コミックプラス]
NOiSE[講談社コミックプラス]
BLAME!(10)[講談社コミックプラス]
BIOMEGA 1 [集英社マンガネット]
シドニアの騎士(1)[講談社コミックプラス]
ABARA(上)[集英社マンガネット]
Wolverine Snikt! Vol 1 1.jpg[MARVEL DATABASE]
(勝山ケイ素)
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