SFやホラー、そしてポルノ映画にとても多いパクリ作品。当然ながら、我らが理想の世界を描くディストピア映画『マッドマックス』も各方面に絶大なる影響を与えたわけで、パクリ映画がいろいろと存在します。
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そこで今回は、『マッドマックス』のパクリ作品10選をチェックして、改めて本家の素晴らしさを噛み締めてみるとしましょう。
■『バトルトラック』(1982年)
『Warlords of the 21st Century』というタイトルでも知られるこの映画は、オイル戦争(第三次世界大戦)が起こった後の、無秩序な1994年の近未来を描いたもの。
ニュージーランドで撮影された本作は、低予算臭がプンプンで、バイクに乗った主人公ハンターが、重量16トンのバトルトラックを指揮するストレイカー大佐一味を倒すため、孤軍奮闘するストーリーが90分続きます。
全編通して見てみると、映画のラストは『激突』を思わせる崖から真っ逆さまのシーン、そして西部劇『シェーン』のパクリ(オマージュ?)のようなシーンも。
■『ブロンクス・ウォリアーズ/1990年の戦士』(1982年)
イタリア産のパクリ映画で、『マッドマックス2』だけでなく『ニューヨーク1997』もごった煮にして低予算に味付けした作品。
舞台はアメリカ東海岸の犯罪地区ブロンクス。ここに、世界有数の巨大企業マンハッタン・コーポレーションの跡継ぎに指名された、17歳の娘アンが逃げてきます。そしてアンをかくまったローラースケート・ギャング団のリーダー、トラッシュとアンの父親が組織した捜索隊との戦いが繰り広げられるのです。
続いて、トラッシュとアンがビーチで話をするシーンもどうぞ。2人の演技力の差を感じてみてください。
■『サイボーグ・ハンター/ニューヨーク2019年』(1983年)
上の『ブロンクス・ウォリアーズ』同様、イタリア産『マッドマックス』&『ニューヨーク1997』のパクリ映画がこちらです。
ストーリーは、核戦争後2つに別れたグループが対立しているニューヨークの街へ、人類最後の妊娠可能な女性を救い出すべく遣わされた主人公パーシファルが活躍するというもの。
下の動画は、ツッコミどころをツッコミまくりつつストーリーをなぞっていくものとなっています。『猿の惑星』のオマージュ(?)やら、最後は宇宙へ旅立つ荒唐無稽な流れやらと、B級らしさに舌鼓を何度も打つことでしょう。
■『ウォーリアーズ・オブ・ザ・アポカリプス』(1985年)
フィリピン製の終末映画で、小人村の村長とアマゾネス族の長の強烈な目ヂカラによる、レーザー光線バトルが見ものの作品。世界観はお決まりの核戦争後の地上です。
■『メタルストーム:ザ・ディストラクション・オブ・ジャレッド・シン』(1983年)
悪の親玉ジャレッド・シンによって父親を殺された娘ディアナ。その娘を救った主人公ドージェンが代わって仇を討つべく、ジャレッド・シンの隠れ家を知る人物と対決し、敵の本拠地に乗り込む......というのが大まかなストーリー。
ちなみにヒロイン、ディアナを演じるのは若き日のケリー・プレストン。後にジョン・トラボルタの奥さんとなり、夫婦で新興宗教サイエントロジーに入信する美人女優さんです。
上のトレーラーをご覧になって、もしや? と思った方もいるかもしれませんが、実はこの映画は3D用に制作されています。だからやたらとカメラに向かって色んなモノが迫ってくるんですね。この当時は80年代なので赤/青メガネをかける時代。参考までに、立体視用の動画(しかも日本語字幕付き)もどうぞ。
■『スティール・ドーン 太陽の戦士』(1987年)
パトリック・スウェイジ主演の終末モノ。やっぱり核戦争後の世界が舞台で、砂漠化した地上に住む人々の物語を80年代のアクション映画風に描いています。
恩師を殺された主人公ノーマッドが子連れの未亡人カーシャと出会い、一緒に暮らすようになりますが、そこへ貴重な水源を狙うグループがやってきて、ノーマッドが争いに巻き込まれます。しかも、敵のボスは恩師の仇だったという......ベタな復讐劇です。
本作は、カー・アクションのない『マッドマックス2』と思って見れば良い模様。なお、『ザ・レイド』シリーズのギャレス・エヴァンス監督によると、『子連れ狼』の再現シーンが登場するそうです。
■『救世主伝説RAGE(レイジ)』(1984年)
オーストラリア出身のB級SF/アクションの伝説的カルト女優、シビル・ダニングの解説型トレーラーに時代を感じますが、こちらもまたイタリア産のパクリ作品。
内容はもちろん終末世界で、ここで貴重なのはガソリンではなく、ウランというだけ。あとはほぼ『マッドマックス』の劣化版となっています。
■『未来戦士スレイド』(1986年)
核戦争後、砂漠化したアラスカが舞台のこちらは、フィリピン製の『マッドマックス』パクリ作品。実は『ターミネーター2』でT-1000を演じた、ロバート・パトリックが出演しています。
■『ラッツ』(1983年)
ネズミが大量発生しただけで、人間が勝手にパニックに陥る『ラッツ』。舞台は2015年に勃発した核戦争後の2230年で、生き延びた人間たちは地下と地上の2グループに別れて対立しています。ある時、大量の水や食料が保管された場所を見つけた人間たちでしたが、翌日どこからともなく発生した大量のミュータント・ラッツに全てが襲われます。
一応終末ものとは言え、この作品はそこまでマッドにマックスしていない模様。『鳥』や『アラクノフォビア』などの動物パニック映画に属するのかなと思われます。
ここからはオマケ。意外ではないと思いますが、『マッドマックス』のパクリ作品は10選どころでは収まりきらないほど作られています。
●『マッドライダー』(1983年)
上の動画は衝突、横転、爆発や火炎放射などばかりのシーンが集められたけっこう激しいトレーラーで、下は10分に及ぶチョイ見せ動画です。イタリアとスペインによる合作だそうですが、またしてもイタリアンな『マッドマックス』なのがこちら。
●『オブリビオン』(1990年)
放射能汚染された、2058年のカンザス・シティーが舞台で、ちょいちょいオッパイが登場する終末映画です。
●『ウィールズ・オブ・ファイアー』(1988年)
フィリピン製の『マッドマックス』パクリ作品で、金髪ねーちゃんのオッパイも登場します。
●『SFヘルスラッシャー』(1988年)
カエル人間なども登場するので、『スター・ウォーズ』テイストの強い一本です。
●『ストライカー』(1983年)
かつて日本のテレビで放送された時は『最後のアマゾネス』というタイトルだったそうです。砂漠版『ウォーターワールド』みたいな内容だとか。
●YouTubeチャンネル「Wasteland Warriors」
『マッドマックス』系終末映画のナレーション部分やオープニング・シーンが6本置いてあります。暇つぶしにぜひ。
ということで以上、「io9」で取り上げられた、最強のディストピア映画『マッドマックス』のパクリ作品10選でしたが、いかがでしたか? 二匹目のドジョウ狙いで、イタリアとフィリピン産のパクリが多いのが印象的でしたね。
おそらく世の中にはまだまだこうした作品が隠れているかと思います。皆さんがご存知のものがあれば、ぜひとも教えてください!
The 10 Stupidest (And Most Shameless) Mad Max Rip-Offs[io9]
(岡本玄介)
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