以前、日本人アーティストが担当するマーベルのコミックのヴァリアント・カバー(特別表紙)企画をご紹介しましたが、今度は日本人アーティストによるイギリスの超人気SFドラマ『ドクター・フー』のコミックス版のヴァリアント・カバーが登場しました。
■そもそも『ドクター・フー』とは?
謎の多いエイリアンであるドクターが、旅の仲間(コンパニオン)とともにポリスボックスに偽装したタイムマシンのターディスで時空を超えて旅をする、時に笑えて時に泣けるSFドラマ。さまざまな時代・惑星の異文化と交流し、奇想天外な事件や銀河の危機に出くわします。
50年以上続く長寿シリーズで、世界中で絶大な人気を誇り、今やそのキャストは人気のアメコミ映画/ドラマでも引っ張りだこです。
10代目ドクターのデイヴィッド・テナントは『ジェシカ・ジョーンズ』の宿敵キルグレイヴ役に起用されました。
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■『ドクター・フー』の表紙を描いた日本人に直撃
今回のコミックス版の表紙を担当されたのは、日本人アーティストのQUESTION No.6さん。左から9代目、10代目、11代目、12代目のドクターが描かれています。
フェズ帽や3Dメガネなど、それぞれのドクターと関連する印象的なアイテムやキャラクター、そして優しい色使いとポップな絵柄が印象的です。劇中ではかなり不気味だったエイリアンのスリジーンもデフォルメされていて、何だかかわいく見えます。
今回は作品への愛を随所に感じるこのカバーを描いたアーティストのQUESTION No.6さんに、起用された経緯などを伺いました。
――新シリーズの中で一番好きなドクターは誰でしょうか?
11代目ドクター(マット・スミス)です! 初めて見た『ドクター・フー』が彼の登場する最初のエピソードだったこともあり、特に思い入れがあります。
ドクター・フー好きの間には「First Doctor is my Doctor(最初に見たドクターがお気に入りのドクター)」という定説があるので、まさにその通りでした。
――新シリーズの中で一番好きなエピソードは何でしょうか?
前述の11代目ドクターの初登場エピソード『11番目の時間』です。
幼い頃にドクターに出会った少女が、その記憶を「自分の空想の友達との思い出」と思い込んでいて、それから10年以上経ってからドクターに再会する......というドラマチックなお話です!
私自身、幼少期に1人で「空想の友達」を絵に描いて遊んでいたことが多かったので、「自分の空想の友達に実際に会えたら、どんなに素敵だろう」とかなり感情移入しました。
思い出しても泣いてしまうぐらい、大好きなエピソードです!
――コミックス版『ドクター・フー』の魅力は何でしょうか?
歴代のドクターたちの新しい冒険が読めるところだと思います。
TVシリーズでは、それぞれの「ドクター」の俳優が代替わりしてしまうと、残念ながらそのドクターのエピソードはそれ以降、制作されません。でも、コミックスではお気に入りのドクターにもう一度会えます!
しかも、TVシリーズとは違うコンパニオンが登場したり、TVでは予算の都合や映像の技術的に表現できない、コミックス独特のダイナミックな展開も見られます。
――何がきっかけで『ドクター・フー』を好きになったのでしょうか?
もともと大好きだった『銀河ヒッチハイク・ガイド』というSF小説が、『ドクター・フー』に影響を受けていると聞いて興味を持ちました。
そこで、11代目ドクターのシーズンを見てみたいと思ったのですが、当時日本ではまだ放送されていなかったので、イギリスからDVDを取り寄せて見たんです。
英語で内容を理解できるのか自信はなかったんですけど、映像だけでもある程度理解できて、しかもすっごく面白かったんです!
――どのような経緯でコミックスの表紙を担当することになったのでしょうか?
ドラマにハマるにつれて「実際にイギリスに行きたい!」、「毎日ドクター・フーに囲まれたい!」という衝動がどんどん増していきました。何しろ世界的には『ドクター・フー』は大人気で、たくさんのグッズが出ているのに、日本では購入が難しかったので......。
当時、私生活があまり上手くいっていなかったこともあって、貯金をはたいて思い切って留学することを決心して、実際に2014年の12月から6カ月間イギリスへ行きました。
せっかく大金をかけて行くのだから語学留学や観光だけじゃなく、何か人と違う経験ができれば......と思っていて、イラストレーターを名乗りだして間もない頃だったというのもあり、「ドクター・フーの公式の仕事をする!」という大きな目標を決めたんです。
とはいえ、どこから営業をすべきかわからなくて困ったのですが、たまたまロンドンのオタク向けイベント「London Super Comic Con」で『ドクター・フー』のコミックスを出版している、Titan Comicsが出展していると知りました。
そこで、Titan Comicsのブースに自分のポートフォリオを持ち込んで、担当編集者の方にカタコトの英語で「とにかくこのドラマが大好きで、何か仕事で関わりたいんです!」と直談判したところ、編集の方の連絡先をもらえたんです。
そこから何度もメールを送り続けましたが一向に返事は来ず、悲しい気持ちのまま帰国しました。それでもあきらめずに、日本から改めてメールをしたところ、「返信おくれてごめんね! 表紙をお願いするよ!」との返信をいただいたんです。
かなりの勢いでこのドラマにハマり、がむしゃらに営業して、何とか今回の表紙にたどり着きました。
『ドクター・フー』が好きすぎてイギリスに留学したという熱意がすごいです。そんな気持ちが伝わって、今回の素敵な作品につながったということなので、やはり熱さとあきらめない心は大事!
■コミックス版『ドクター・フー』の入手方法
今回ご紹介した『DOCTOR WHO: NINTH DOCTOR #1 Cover D QUESTION NO.6』、『DOCTOR WHO: TENTH DOCTOR #2.6 Cover C QUESTION No.6』、『DOCTOR WHO: ELEVENTH DOCTOR #2.6 Cover C QUESTION No.6』、『DOCTOR WHO: TWELFTH DOCTOR #2.2 Cover D QUESTION No.6』は、コミックを取り扱う豆魚雷、BLISTER、MONSTER JAPAN、ダークサイド、ギルド、トイコネクト、紀伊國屋書店(新宿店の実店舗のみ)で随時販売開始。
なお、BLISTERではこんなブースも用意されているようです!
そしてお待たせいたしましたQUESTION No.6さんが表紙を担当されましたドクター・フーのコミック、10代目と12代目が到着!表紙が異なるだけで中身は同一ですが、通常カバーとフォトカバーも合わせて入荷しましたので一緒にぜひ!! pic.twitter.com/oO8Qb9W5Uo
— ブリスターコミックス (@BLISTER_comics) 2016, 2月 16
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『ドクター・フー』ファンの皆さんはコミック版を読み始める絶好の機会ではないでしょうか? QUESTION No.6さんのホームページでは、他にも素敵な作品が見られるので併せてご覧ください。
なお、ドラマ版の『ドクター・フー』を見始めたい方は、9代目~11代目ドクターがまとめて視聴できるHulu、もしくは11代目のDVD版『ドクター・フー ニュー・ジェネレーション』がオススメです!
BBC logo © BBC 1996. Doctor Who logo © BBC 2009. Dalek image © BBC/ Terry Nation 1963. Cyberman image © BBC/Kit Pedler/Gerry Davis 1966. K-9 image © BBC/Bob Baker/Dave Martin 1977. Licensed by BBC Worldwide Limited.
Copyright © Titan Comics 2012 - 2016
ソース:Tumblr、Twitter1・2、Hulu、豆魚雷、BLISTER、MONSTER JAPAN、ダークサイド、ギルド、トイコネクト
(傭兵ペンギン)
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