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【連載物語】『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』 第一話第三章「怪異の正体」
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【連載物語】『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』 第一話第三章「怪異の正体」

2021-11-20 14:15

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    著:古樹佳夜

    絵:花篠

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    ◆◆◆◆◆村への道◆◆◆◆◆

     

    翌日、吽野と阿文は茨木に導かれて、

    麓の村へと向かった。

    道中、吽野は茨木の背に背負われ、

    阿文は自分の足で山を降っていた。

     

    吽野「うー……揺れる……二日酔いで吐きそう」

    茨木「すみません! もうすぐ麓の村に着きますから」

    阿文「昨日4人で相当飲んだからなぁ」

    茨木「申し訳ねぇ。アニキときたら、人間と久しぶりに飲めるってはしゃいでて」

    吽野「うう……」

     

    吽野は今にも吐きそうだとばかりに唸った。

     

    阿文「ところで、酒呑童子の方は放っておいて大丈夫ですか?」

    茨木「ハハ。昼まで起きませんよアニキは」

    阿文「監視していないと、また起き抜けに迎え酒しそうですが」

    茨木「いや、昨日で全部飲み干してます。……また酒を調達すんのに一苦労です」

     

    茨木は手のかかる兄貴分のことを思い出し、ため息をつく。

     

    吽野「それにしても、阿文クンたら相変わらず酒に強いな。君もしこたま飲まされてるのに」

    阿文「そうだな? 僕はなんともない」

     

    阿文は飄々とした口調で、顔色の悪い吽野を振り返った。

     

    茨木「あ! 村が見えてきました」


     
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