小沢一郎代表定例記者会見要旨(2013年3月4日)

3月4日(月)午後、小沢一郎代表が党本部にて記者会見を行いました。
質疑の要旨は以下の通りです。

小沢一郎代表定例記者会見

【内容】

日銀総裁人事について

Q. 本日議院運営委員会で日銀総裁候補、黒田東彦氏の所信聴取があったが、黒田氏についてどう考えるか。 A. そのことについては報告があった。何を話したかはわからないが、そつない答弁だったということだった。本会議にかかるのは来週ではないか、というのが国対の流れだが、今度の総合政策会議で早めに結論を出そうということだった。 Q. 現時点で、正副総裁3人セットで考えているか、それとも個別に考えているか。また人物本位で見ると言っているが、野党共闘の観点から他党と共同歩調を考慮しないのか、完全に人物本位で決めるのか。 A. それも政策担当者と総合政策会議で議論することだから、私が先走って話をすることではないが、全部丸々セットで賛否を決めなくてはいけないということではないのではないかと思っている。それから、人物の資質の問題について優劣をつけがたいということになれば、当然今言った政治的な連携ということも政治家だから、国会にいる以上頭に入れることもあると思う。ただそれについて私自身がどうこうと指示をしていることはない。

韓国大統領就任式について

Q. 韓国大統領就任式典に出席しての所感と、新大統領が日本に対して正しい歴史認識を求め、それが日韓関係の発展につながると述べたことに関し、今後の日韓関係のあり方をどう考えるか。 A. (韓国に)行く前に報告したと思うが、大統領から特別ご招待を賜ったので、私も行ってきた。就任式そのものは7万数千人の人ということだったので、その中身がどうなっているかはよくわからなかったが、その夜の晩餐会、これもぜひ出席してくれということだったので行った。その中で、韓国の詳しい状況について日本人の招待客と話をした。割合少ないと言っていたが、百数十人ほど招待客がいた。その中で日本人が少ないと言っていた。(在大韓民国日本大使館)大使も招待されなかったのか都合が悪かったのかわからないが、日本の大使も来ていなかった。そういう状況をみると、なんとなく象徴的な感じがするのだが、よくよく留意していかないと、日韓関係は非常に難しいのではないかと思う。(朴大統領は)歴史認識ということをわざわざ就任直後にしゃべっているわけだから、そのことも一つの、彼女のスタンスの表れかもしれない。晩餐会の状況を見て、そういう感じをもった。

裁判について

Q. 3月13日に小沢代表の元秘書3名の控訴審の判決が出るが、その裁判の裁判長が飯田喜信氏である。飯田氏は東電OL殺人事件の控訴審で裁判官を務め、一審の無罪判決から逆転、有罪判決を下した。再審で無罪確定したため、冤罪判決を下した形になるが、こういった裁判官を国会で辞めさせることはできないか。 A. おっしゃる通り、その裁判官について詳しく存じ上げないが、今度の秘書たちの公判にあたって、いろいろな証拠を提出したけれども、すべて、一顧だにされず、13日の公判期日ということが決められた、と聞いていた。登石裁判官についても、司法を批判するというのは必ずしもよろしくはない。しかしお話のように、機関として立法府には裁判官訴追委員会と弾劾裁判所というのがあるから、私の秘書、あるいは収支報告書の問題という、固有、個別の問題ではなくして、その裁判官の判断について、少なくとも真意を聞くということは、訴追委員会や弾劾裁判所でやれることではないかと思う。そしてむしろ必要ではないかと思う。検察官訴追委員会もある。だからその意味では、国会が制度的に定められた機能を発揮すべき問題ではないかと思う。ただ、私自身がいろいろ言うと、前にも申し上げたが、私の個人的な冤罪に対する恨みつらみのようなことに矮小化されてしまったのでは、将来に何の役にも立たない。なんとかそういった主権者の行為、あるいは主権者を代表している国会が機関として制度が設けられているわけだから、そのような機能を発揮できるようにしたら、司法改革にとっても非常にいいのではないかと思う。国会議員の多数党をはじめとして、国会議員自身の判断なので、私個人で主唱してやるわけにはいかないから、その点は少々残念だと思っている。

経済連携協定について

Q. 経済連携協定について、TPPや日中韓FTA、RCEP、ASEAN+1などがあるが、日中韓FTAとRCEPについてどう考えるか。 A. 詳しく事実関係を調べていないが、原則として自由貿易を促進するということについては、私は積極的な意見を持っている。なぜならば、自由貿易によって最も恩恵を受けるのは我が国だからである。ただTPPの場合は、アメリカが主唱して、いわゆる構造協議、アメリカの意図が見え隠れしているので、単なる自由貿易協定、促進ということとはちょっと異なった性格を持っているのではないかと思っている。ただ日中韓であろうがどこであろうが、原則私は積極的にやっていった方がいいと思う。あと日本の国内産業のいろんな問題については、それは国内的な措置で十分支援していけるのではないかと思っている。例えば、いわゆる戸別所得補償制度のことも、今の農水省がやっていることと必ずしも私らが考えたこととは一緒でないのだが。そういった、自由貿易をある程度前提にしながら国内の自給体制を守っていくという考え方なので、今後もその基本の考え方は変わらない。ただ日米間のTPP交渉については、今言ったように、構造協議、アメリカのルールを日本社会に適用させようという意図が非常に強いので、その意味では、よっぽど日本政府がアメリカとしっかり話し合える力関係にないと、参加すればアメリカの言いなりになる可能性が非常に強い。安倍さんが、すべての関税撤廃を前提としない、ということで、アメリカから相当な譲歩を引き出したかのように、マスコミ含めて伝えているけれども、交渉だから、最初から前提があっての交渉などないのだから当たり前のことで、それをTPP交渉参加の理由に日本が使えるというならいいだろう、というそのくらいのアメリカの態度ではないか。いずれにしてもこの点については非常に危惧している。