生活の党は、生活保護法の一部を改正する法律案について、衆議院における修正を踏まえた改正案に賛成いたしました。
生活保護は、日本国憲法第25条に基づき国民の最低限度の生活を保障する制度であり、必要な人に必要な保護が届くことが最も重要です。我が国の生活保護の捕捉率は、国民生活基礎調査をもとに資産を考慮した政府の推計でも32.1%と、諸外国と比べて低いことが指摘されています。また、平成21年の我が国の相対的貧困率は16.0%、子どもの貧困率は15.7%と6人に1人が相対的貧困の状況に置かれています。OECDの調査では、2000年代半ばの我が国の相対的貧困率は高い方から数えて加盟国中第4位、ひとり親家庭についてはワースト1位であり、ユニセフの調査では、2011年の我が国の子どもの相対的貧困率は、先進35か国中9番目に高い水準となっています。
その一方で、平成25年2月の受給者数が約216万人に達するなど、近年生活保護受給者が急増しています。特に、稼得年齢層を含む「その他の世帯」はこの10年間で約4倍に増加し、不正受給件数は平成19年の1,5979件から23年の35,568件と倍増しています。
このような状況にあって、生活保護制度が国民の信頼を得て、最後のセーフティネットとして今後とも機能していくためには、制度全般について幅広い観点から見直す必要があります。こうした観点から考えると、今回の改正案は、不十分ではありますが、修正を経て一歩前進であると評価できます。
私たちが、そう判断する具体的理由は、以下のとおりです。
第一に、今回の改正案では、第1条から第4条に定められた生活保護法の基本原理については何ら変更がなく、必要な人に確実に保護を届けるという生活保護制度の基本理念は堅持されています。確かに、当初の政府案では、口頭での申請が拒否されたり、添付書類の不備等を理由に受け付けてもらえなくなったりするなど、福祉事務所の窓口での門前払いが増える懸念がありました。この点については、衆議院修正で一定の歯止めがなされ、口頭での申請を含め現行の運用は変えないことが不十分ながら担保されたと考えます。
第二に、必要な人には保護を届けるという生活保護制度の機能を今後とも維持していく上で、重要なのは制度に対する国民の信頼を得ることであり、一部とはいえ悪質な不正受給事案が社会問題化する中で、国民の信頼感を取り戻すためには、不正受給対策の強化や医療扶助の適正化対策を講じる必要があると考えます。
第三に、改正案では、就労自立給付金や被保護者就労支援事業の創設が盛り込まれ、これに対する国庫負担も明記されました。稼得年齢層にある受給者に対しては、高年齢層とは異なる支援が必要であり、法改正により就労による自立の促進が期待できます。
第四に、今回の改正案は、生活保護に至る前の生活困窮者の自立を支援し、第二のセーフティネットを拡充する生活困窮者自立支援法案や子どもの貧困対策の推進に関する法律案と一体のものです。生活困窮者や子どもの貧困に向き合う法律が制定されることは我が国の貧困対策の第一歩であり、これら3法律案があいまって、十分とは言えないまでも、生活困窮者に対する支援や貧困の連鎖の防止が図られるものと考えます。
もとより、今回の改正法案には、不十分な点や懸念すべき点が多々あり、今後の運用による部分が大きいのも事実です。生活保護制度が真に必要な人を確実に保護し、最後のセーフティネットとして十分に機能しつつ、生活に困窮する方々の自立支援等に寄与できるものとなるよう、今後の運用を最大限注視するとともに、今後とも生活者の視点に立って、生活困窮者支援や子どもの貧困対策に全力を尽くしてまいります。
生活保護は、日本国憲法第25条に基づき国民の最低限度の生活を保障する制度であり、必要な人に必要な保護が届くことが最も重要です。我が国の生活保護の捕捉率は、国民生活基礎調査をもとに資産を考慮した政府の推計でも32.1%と、諸外国と比べて低いことが指摘されています。また、平成21年の我が国の相対的貧困率は16.0%、子どもの貧困率は15.7%と6人に1人が相対的貧困の状況に置かれています。OECDの調査では、2000年代半ばの我が国の相対的貧困率は高い方から数えて加盟国中第4位、ひとり親家庭についてはワースト1位であり、ユニセフの調査では、2011年の我が国の子どもの相対的貧困率は、先進35か国中9番目に高い水準となっています。
その一方で、平成25年2月の受給者数が約216万人に達するなど、近年生活保護受給者が急増しています。特に、稼得年齢層を含む「その他の世帯」はこの10年間で約4倍に増加し、不正受給件数は平成19年の1,5979件から23年の35,568件と倍増しています。
このような状況にあって、生活保護制度が国民の信頼を得て、最後のセーフティネットとして今後とも機能していくためには、制度全般について幅広い観点から見直す必要があります。こうした観点から考えると、今回の改正案は、不十分ではありますが、修正を経て一歩前進であると評価できます。
私たちが、そう判断する具体的理由は、以下のとおりです。
第一に、今回の改正案では、第1条から第4条に定められた生活保護法の基本原理については何ら変更がなく、必要な人に確実に保護を届けるという生活保護制度の基本理念は堅持されています。確かに、当初の政府案では、口頭での申請が拒否されたり、添付書類の不備等を理由に受け付けてもらえなくなったりするなど、福祉事務所の窓口での門前払いが増える懸念がありました。この点については、衆議院修正で一定の歯止めがなされ、口頭での申請を含め現行の運用は変えないことが不十分ながら担保されたと考えます。
第二に、必要な人には保護を届けるという生活保護制度の機能を今後とも維持していく上で、重要なのは制度に対する国民の信頼を得ることであり、一部とはいえ悪質な不正受給事案が社会問題化する中で、国民の信頼感を取り戻すためには、不正受給対策の強化や医療扶助の適正化対策を講じる必要があると考えます。
第三に、改正案では、就労自立給付金や被保護者就労支援事業の創設が盛り込まれ、これに対する国庫負担も明記されました。稼得年齢層にある受給者に対しては、高年齢層とは異なる支援が必要であり、法改正により就労による自立の促進が期待できます。
第四に、今回の改正案は、生活保護に至る前の生活困窮者の自立を支援し、第二のセーフティネットを拡充する生活困窮者自立支援法案や子どもの貧困対策の推進に関する法律案と一体のものです。生活困窮者や子どもの貧困に向き合う法律が制定されることは我が国の貧困対策の第一歩であり、これら3法律案があいまって、十分とは言えないまでも、生活困窮者に対する支援や貧困の連鎖の防止が図られるものと考えます。
もとより、今回の改正法案には、不十分な点や懸念すべき点が多々あり、今後の運用による部分が大きいのも事実です。生活保護制度が真に必要な人を確実に保護し、最後のセーフティネットとして十分に機能しつつ、生活に困窮する方々の自立支援等に寄与できるものとなるよう、今後の運用を最大限注視するとともに、今後とも生活者の視点に立って、生活困窮者支援や子どもの貧困対策に全力を尽くしてまいります。