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国民皆さんの意思によって、どんな強力な強大な権力でも政権でも変えることができる
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国民皆さんの意思によって、どんな強力な強大な権力でも政権でも変えることができる

2013-06-10 15:12

     

    小沢一郎代表定例記者会見(2013年6月10日)

    6月10日、小沢一郎代表が定例の記者会見を行いました。会見の要旨は以下の通りです。


     

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    【会見要旨】

    政権交代の意義と今夏の参院選について

    Q. 宮沢(喜一)内閣の不信任案が可決され、細川(護熙)内閣が成立、自民党の1党支配が崩れてちょうど20年になる。2009年に本格的な政権交代が起こったが、20年前の思いはこの20年間でどのぐらい実現できたか。(朝日新聞・二階堂氏)
    A. どういう部分に評価を求めるかによって違うが、細川政権、そして今度の本格的な民主党政権まで20年近く。選挙4年と前の数年を足すと5、6年前くらいかな。細川政権から10年以上経過して、国民皆さんの、自分たちの、主権者の意思によって、どんな強力な、強大な権力でも、政権でも変えることができるのだ、ということを、書物や講義ではなくて、自分自身の1票の実践で学んだ。この国民の意識の中における事実は、非常に大きいと思う。だから細川政権以来、16年で本格政権が誕生したことになるが、この間あまり意味がなかったというような評価をする方がままいるけれど、それは全く、こういう民主主義の根本的な作業が、日本国においても行われるようになった、という事実を、その意味を理解しない人の言だと私は思っている。これが一番大事な根本の事だが、もちろんそれによって、個別の政策論からすると、国の行政を根本的に変えるということに始まって、まだまだ実現しないことがほとんどであるが、私はこの国民意識の高まりは、必ず我々が主張し、目標とする理想に向かっての動きを支えてくれるものであろうと信じている。
    Q. 今の話で主権者の意思で政権を変えることができるとあったが、小選挙区制で大量の新人当選、チルドレン現象が指摘されている。小選挙区制の是非を改めてお伺いしたい。また、今後も含めて2大政党制を根付かせることができるか。(朝日新聞・星野氏)
    A. 選挙制度を細川内閣で小選挙区制度にし、そしてその結果として政権交代が起きた。この要因が非常に大きいと思っている。その意味で、まだまだ日本の場合は、そういう変革が起きてから日も間もない。まだ本格的には、1回、民主党が4年前に大量に議席を得て、今度去年の暮れに自民党が大量に議席を得たという2度の、それぞれの政党から言えば1回ずつだから、新人が多いことはやむを得ないことで、それがけしからんという議論になると、政権交代そのものが意味がないという話になってしまう。なので、それはプロセスとしてしょうがないことだと思っている。これが次、民主党もしくは非自民の政権が誕生するという時には、まるっきり新しい経験ではなく、この民主党政権の失敗の経験もまた、その中から学んでくるわけだから、それなりの認識と見識を持つ政治家も増えてくるのではないかと思っている。2大政党制という表現が使われるが、別に2つでなくてはならない、ということではなく、ただ交互に政権を交代する、と。政権与党がいい加減な政治をしたら野党にとって代わられる。こういうことが政権交代、民主主義の最大の機能である。そう思うとイタリアのような格好で小党が分立していると、仮に日本に当てはめると、非自民が仮に多数を取ったとしても、内閣を作るまでにああだこうだと話がなるので、なかなかそれは時間的ロスが多い。特に日本人のように気が短いものは、向こうは(組閣まで)2か月でも3か月でも平気でかけているが、(日本は)そういう風にはいかないだろう。そういうことも含めて、やはり中核になる政党は大きな政党が2つあった方がいい。そう思う。
    Q. 先般の衆院選で自民党が勝ち、今度の参院選で自民党が72議席取ると、また20年前と同じようになる。中核となる2つの政党が必要だと言っていたが、今後野党再編も含めてどのような展望を考えているか。(朝日新聞・池尻氏)
    A. 今の現状で言うと、もう選挙も直前だし、これから連携して、一つの大きな受け皿ということは不可能だと思う。そういう意味で、国民の選択肢が狭められてしまうということも事実である。だから投票率もあまり上がらないのではないだろう、ということも予想される。そういう中で選挙ということになると、強い支持基盤を持っている政党がどうしても優位に立つ。だから浮動票が非常に多く減れば、要するに投票率が低いということになればそういうことになるから、結果として自民党が議席を取るということになると思う。しかし、それでもって20年前と同じになって、もうだめじゃないか、という話では全然なく、4年前にも自民党は今の議席と同じくらいの議席を持っていた。しかし、あれだけ半世紀政権の座にあった自民党が、ほぼ3分の1になった。今度の民主党は4分の1以下になったが、それはやはり選挙制度の妙味、ある意味で政権交代という点からいうと、小選挙区制度のいいところである。だから多数を取ったからこれで安泰だとか、逆に負けた方がもうだめだ、という必要は全くなく、今回の参議院議員選挙には残念ながら間に合わないが、今後の衆議院の総選挙は、国民の選択し足る受け皿ができさえすれば、その基数がどんなに少なくとも、十分政権交代の可能性はあると思っている。それは去年の衆議院議員選挙で、自民党の票が増えていないこと、10%以上の人が棄権したこと、これを見ても自民党政権を積極的に支持したわけではない、ということが事実として示されている。また、総選挙後の地方選挙は、ほぼ自民党側が負けていて、非自民側が勝っている。そういうことも合わせ考えると、小選挙区制においての総選挙は、現状と、旧来からのメディアを含めて発想と予測がつかない結果になるだろう。私はその意味で十分政権の奪還が可能だと考えている。

    生活保護法一部改正案賛成について

    Q. 先日生活の党が生活保護法一部改正案に賛成した。本国会で成立する見通しになっているが、これについて生活の党支持者の間からは抗議の声や失望したという声が多くある。今、党のHPの中でなぜ賛成したのかという説明が掲載されたが、それでも納得できないという声が多くある。その説明文の最後に今回の改正法案には不十分な点や懸念すべき点が多々あり、今後の運用による部分が大きいのも事実と書かれている。だとしたならばなぜ賛成したのかという疑問が非常に残る。そもそもこの議論の入り口自体が生活困窮者を支援しようというものではなくて、不正受給対策、生活保護受給の抑制というものだった。国民の生活が第一という国民目線の視点を持つ党がこの改正案に賛成したということは、参院選を控えるこの時期に生活の党の支持者の理解を得られないと思われる。この生活保護改正案に賛成したこと、支持者の理解を得られないということに関して、参議院の審議がまだあるので、チャンスは残されているといえるが、小沢代表の所見を。(市民ネットメディアグループ・飛鳥麻氏)
    A. 今度の生活保護法の改正なのか改悪なのかは別として、政府提案の法案に我々が賛成したということについてのいろいろなご批判は、その意味ではもっともだと思っている。なぜでは賛成したのかという事だが、まず、私どもは行政の中央集権から地方分権へ、地域主権へという大改革を唱えており、それが前提となる。予算でいうとほぼ15兆円の社会保障関係費が地方に交付されているが、こういう社会保障関係費についても、私はかなりの部分が地方に委ねることが妥当だと思っている。厚労省が一律に、今ご指摘のような仮に思惑をもって都道府県、地方自治体を指導というか、導くということはよろしくないと思っている。その前提を皆さんにもお分かりいただきながら、私はこの生活保護については、不正受給も正さなければいけないと思っている。そしてまたそれと同時に、きちんと生活保護を受ける必要のある人の捕捉率がまた非常に低いということで、これをきちんとする。ということで、その両面があのー作業として必要であろうと思っている。そういう中で政府の方、行政の方としては、おっしゃるように生活保護関係費の抑制という意図をもっているということも事実であるかもしれない。しかし私どもとしては、今度の法律の審議にあたって、今お話の、手続きを煩雑にして、それを理由にして生活保護者、申請者を排除するというようなやり方には絶対承服できないという中で、これを簡素化するということがこちらサイドから提案され、それを与党が飲む、という形になった。そのままでいけば(与党)多数で、原案で押し切られてしまうわけだから、そういう意味で少しでも、現実に生活保護の必要な方々に、役所サイドのそういった手続きを理由にしてそれを拒むと、いうようなやり方は、かなり改善されると思う。そういう意味において、消極的な賛成ということになったのではないかと思う。

    憲法観について

    Q. 生活の党の憲法9条と96条に対するスタンス、考え方は。(テレビ東京、宇井氏)
    A. 9条と96条というのは別の議論なのだが、今本音は、安倍(晋三)氏の自民党の案に示されているように、9条の改正によって「自衛権を明示する」ことと、「国防軍を創設する」ことというのが、彼らの憲法改正案の唯一の改正案である。あとはほとんど、手続き的なところの付け足しのようなものであって、私もざっとななめ読みしたが、9条のそういう部分しか彼らの意図する改正の中身は見えてこなかった。そういうこと自体がちょっと、私としてはそれのみでもって憲法改正ということでは、非常に偏ったいびつな形になるのではないかと思っている。例えば、二院制の議院内閣、両院のあり方についても、今疑問があるところだし、そういうものをどうするか。あるいは危機管理や非常事態をどうするか。あるいは基本的人権についても、新しいいろいろな権利の規定が必要ではないだろうかと。あるいは司法制度についても同様である。そういった意味で安倍氏、自民党の青写真がきちんと示されて、9条がその中の1つだ、というならまだわかるが、そういうことではなく、9条のみというところに、非常に意図的な意味を感じる。そして96条だが、96条は手続きを、その結果として(先ほどの話と)つなげると、9条を変えるために手続きを3分の2から2分の1にするという話に、結論をいうとそうなる。だからこれは、非常に僕は歪んだ、あまり正しくないやり方だと思っている。憲法を改正するということについて、私は時代にそぐわないところが多々あるというところ、そこはお互いの合意で修正していく、ということについて、別に否定しているものではないが、そういう歪んだ、意図的な考え方については、ちょっと賛成できない。また96条の、いわゆる法律の体裁から言っても、他にも3分の2条項というのが憲法にある。それにもかかわらず、(憲法を)改正するという大変大きなところだけを2分の1にしてしまうというのは、いかにもいかにもという感じがする。これは憲法上だけではなく、3分の2というのは、例えば民間の商法上にも3分の2の特別決議とか、あるいは地方自治法にも3分の2のいろんな事項がたくさんある。そういう中で、憲法の手続きのところだけを2分の1にするというのは、到底おそらく多くの国民の納得を得られないのではないかと思う。
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