参議院において賛成多数で決議

昨日6月25日に生活の党、社民党、みどりの風で提出した「内閣総理大臣 安倍晋三君問責決議案」が、賛成125票、反対105票、賛成多数で可決された。

採決に先立って行われた参議院本会議では、生活の党森ゆうこ代表代行が趣旨説明を行った。趣旨説明文全文は以下の通り。




内閣総理大臣 安倍晋三君問責決議案 趣旨説明

生活の党 森 ゆうこ

 生活の党の森ゆうこです。私は生活の党、社民党、みどりの風の3党を代表して、内閣総理大臣安倍晋三君の問責決議案を提案するにあたりその趣旨をご説明いたします。

 まず案文を朗読いたします。内閣総理大臣安倍晋三君問責決議。本院は、内閣総理大臣 安倍晋三君を問責する。右決議する。

 安倍内閣は、参議院規則第38条第2項に則り正式な手続きを経て開催された参議院予算委員会の出席要求を拒否し、6月24日、25日の両日に渡って同委員会を欠席しました。これは、国務大臣の国会への出席義務を規定した日本国憲法第63条に違反する許しがたい暴挙であります。憲法第九十九条  は、我々国会議員に、そして総理をはじめとする国務大臣に憲法を尊重し擁護する義務を課しております。憲法改正を声高に叫ぶ安倍内閣総理大臣が、憲法違反の行為を平然と行うことを我々は決して黙認してはならないのであります。

 本院予算委員会における平成25年度総予算の審議は、審査期間がゴールデンウィークをはさむこととなり、当初から時間が制約される中で始まりました。その中でも我々野党が、国益のため、最大限、安倍総理をはじめとする閣僚の外交日程に配慮したため、結果として、57時間17分となり、これは衆議院の審議時間82時間30分と比較して大きく見劣りすることになりました。また、テレビ入りの集中審議も、衆議院は8回43時間30分審議を行ないましたが、本院ではわずか5回24時間45分となりました。このように審議時間が取れず国民の期待に充分こたえられなかったことから、与野党ともに、予算成立後に審議時間を確保すべきであるとの認識が共有されました。その後、自民党、民主党の筆頭理事間で日程の調整が行われましたが、会期も残り少なくなったことから、去る6月12日に野党8党共同で委員会開会要求書を提出しました。参議院規則第38条第2項は、委員の3分の1以上から要求があったときは、委員長は、委員会を開かなければならないと規定しています。石井一委員長はこの規則に則り、委員会を会期中に開催すべく、理事懇談会を開催するなどして丁寧に合意形成を図る努力をされました。しかし、結局与野党の合意に至らなかったため、自民党、公明党を含む全ての会派が出席した6月21日の理事懇談会において、6月24日に予算委員会を開催し集中審議を行うことを決定し、テーマを外政・内政をめぐる諸問題として開始時刻、各会派の質疑時間など会議に関することが決定されたのであります。

 このように正式な手続きを経て、6月24日に委員が定足数を満たしたため石井一委員長は開会宣言を行い、予算委員会は正式に開会されたのであります。にもかかわらず、安倍内閣総理大臣をはじめ出席要求のあった閣僚は欠席しました。

 6月24日は総理をはじめとする閣僚に外交日程など特段国会を欠席せざるをえない理由はありませんでした。安倍内閣は出席拒否の理由として、平田健二参議院議長の不信任決議案が提出されたことをあげておりますが、会期末で日程が制約される中でおよそ正当性のない不信任決議案で国会審議を遅延させ、更には同案の処理を先延ばしにしたのは他ならぬ与党であり、また同案採決の条件として予算委員会の開催をしないことを条件にしていたことからも、予算委員会の開催を妨害したことは明白であります。

 安倍内閣は質疑通告さえも拒否したばかりではなく、正式に文書で予算委員長が出席要求したところ、署名のないメモで出席拒否する旨回答しました。全ての会派が了承して築き上げてきた参議院予算委員会のルールでは、大臣は委員会に出席できない時は、事故届けを提出しなければならないにもかかわらず、これを提出しなかったばかりか、理事会に出席して説明しようとさえしなかった。民主主義は手続きであり、我々はルールを守り、正式に予算委員会は開催されたのであります。ルールに則った正式な手続きを無視することは、民主主義を壊し、やがてそれは専制政治、そして独裁政治へとつながっていきます。

 国権の最高機関である国会をこのように愚弄する行為は前代未聞であり、憲政史上に汚点を残し、議会制民主主義を根底から揺るがすものであります。

 憲法に違反して国民主権を蔑ろにし、我が国の立憲主義をも踏みにじろうとする安倍晋三内閣総理大臣の責任は極めて重大であります。以上が、安倍晋三内閣総理大臣の問責決議案の提案理由であります。何卒速やかにご審議の上ご可決くださいますようお願い致します。