吾妻さおり
石井あや
豊後葵
二階堂瑠美
この4名で3半荘のトータル勝負だったが石井あやがしょっぱなから2連勝してあっさり勝負あり。石井が2年ぶりに最強戦に出場することになった。
勝負どころは初っ端、1回戦の東1局にあったと思う。
親の石井がピンフドラドラ、二五八待ちをテンパイ。
三四五六七(345789)88 ドラ8
左からマンズ・ピンズ・ソーズ
二が4枚見え五八も多く切られており終盤なのでヤミテンを選択。
しかし同巡に吾妻が東をポンしたのを見てツモ切りリーチと出た。
石井
「みんな五・八使ってないのが河から分かったのでダマにすれば確実にアガれそう。
しかし吾妻さんが仕掛けてきたので、吾妻さんはそんなに高くなさそう、前に出てきてくれても良いしオリてくれても構わない。自分のツモ切りリーチを見て待ちが悪いと思って五・八くらい切ってくれるかも」
吾妻もドラ単騎テンパイ。そして最後のツモが八万である。
(567)2348西西西 ポン東東東 ツモ八
麻雀強者の99パーセントがここでオリる。いくらマンガンとはいえ残るは下家の豊後と対面の石井のツモが1回ずつあるだけで、自分はもうツモがない。相手は親リーで五八以外に通った筋が多い。
しかしここで吾妻は八万を打ったのだ。
リーチピンドラドラで12000。
吾妻
「まず自分の打点が8000点と高い。そして親リーチに誰も行かないと親が楽過ぎる。3半荘とはいえ早めにエンジンをかけないと置いていかれる。以上の理由で放銃してもいいから勝負した」
吾妻は女流桜花であの魚谷、和久津、安田という実力派を12半荘の長期戦で倒した時点で実力があるのは間違いない。しかしその実力というのが、瞬間の押し引きの巧さではなく、3半荘や12半荘などトータルで作戦を立て気持ちで負けない、レースでじり貧にならない作戦を立てるタイプの実力なのだ。これがはまれば魚谷にも勝つが今回は裏目った。
このタイプの放銃は批判するのは簡単。だが、もしも、八万が通って、石井のハイテイがドラで8000をゲットしていたら…その時石井は正気を保てていただろうか。
結果的に見て、勝負どころが早すぎたのは視聴者誰の目から見ても明らか。
3半荘全てを見て石井の勝ち上がりは文句のつけようがなく、4月の女流プロ代表戦も優勝候補とすら思える内容だった。しかし、吾妻の雀風、麻雀に対する考え方も、魅力的に思えたそんな不思議な一日だった。
これで4月12日に行われる女流プロ代表決定戦の出場メンバー8名が決まった。
愛内よしえ、石井あや、魚谷侑未、大崎初音、茅森早香、高宮まり、二階堂亜樹、宮内こずえ
この8名が2卓(A卓・B卓)に分かれ各卓の上位2名が勝ち上がり決勝戦が行われる、この組み合わせは3月28日(金)の麻雀ニュースで発表させていただく。
いよいよ来月日本で一番強い女流プロが決まる。