• このエントリーをはてなブックマークに追加
河野高志、ターツ選択の基準!見る人を惹きつける多井の泥臭さ! The All Star League 2018 第8節観戦記
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

河野高志、ターツ選択の基準!見る人を惹きつける多井の泥臭さ! The All Star League 2018 第8節観戦記

2018-03-21 13:04
    3/15(木)11:00よりニコニコ生放送およびFRESH!の「麻雀スリアロチャンネル」にて放送された、The All Star League2018 第8節の様子をお届けします。
    レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
    358f8871b2ef82f0b3574e2e4bc6339445331b48

    【1回戦:岩井がドラ単騎を2回ツモって大トップ!堀の強敵、花粉!】

    39796858352fb17ab43c12f39e0dc22721fcd9f5
    今節で下位4チームが敗退となるため、最下位『オタ!オタ!オコ!』朝倉はトップを取るしかない。
    一方、愛内と堀は自由にやれるのだが、その堀が斬新な姿で放送対局に登場した。

    9c47d2ca18f9d2d0bf05a8e12422b963ca980146
    マ・ス・ク!

    重度の花粉症である堀は対局前に言っていた。
    「できることはやります!」
    これか!!( ゚Д゚)
    しかも、天才と呼ばれる堀にも苦手なことがあるようで、実は女流3名という対局に苦手意識があるとのこと。
    始まる前から「諦めずに頑張ります!」という前代未聞の超弱気発言を残していった。

    その堀の不安が的中。
    95665324e00536a9c2b1746e9ec28a026944bb14
    開局わずか2分ほどで岩井がドラをツモると、これがなんと8,000オール。

    e994375dc75ece0f5dd6413b6864f784f46fffb4
    さらに、岩井は2軒リーチに1枚切れの西をきっちり切ると、中ポンで再びドラ単騎をツモって2,000・4,000。
    27f629b50b14a814058013bc7c95440708976e29
    これで持ち点を6万点に乗せた岩井が大トップを決め、敗退ラインを気にせず上を目指せる状況を作り上げた。

    これだけなら堀は2着だったのだが、オーラスに愛内がドラ単騎リーチをツモってウラ2枚の4,000・8,000。
    5e9706efb134a2f7b91c2edd752fe5303efea311
    堀は3着まで落ちてしまった。
    しかし、あれだけ後ろ向きだった堀にとっては、むしろよく凌いだ方なのではないだろうか。
    そう思い、堀に声をかける。「凌ぎましたね」
    堀「きっつい(´・ω・`)」
    すでに疲れ果てた様子の堀だった。

    【2回戦:出るか、エアゲキ! ※出るわけありません】

    対局前、下石が大技を見せてくれた。
    433eca21d5ceb91ead176d658d5a1f1fdd2452ca
    聞けば、これはリーチモーションなのだと言う。
    麻雀界の錦織圭を自称する下石が、大技エアゲキを披露。
    実戦でも出るか!?エアゲキ!

    なんと、東1局にいきなりチャンスが訪れる。
    189dad93dc855a2dda3c90a704048165b38b70d1
    下石リーチ。
    リーチ。
    ん?
    全然エアしてないんですけど!

    5f7c15e5423a3359148da562bacc2c2abe0ef49b
    しかし、結果はきっちり1球捉えて2,000・4,000。
    すると、下石がこのリードを守り切る展開でオーラスを迎えた。
    ここで、下石が驚きのリーチを放つ。

    245f95dcacd4d150e2577404ffb40f3685af3c5c
    なんとドラカンチャンである。
    そして、ノーエア。
    確かに愚形でも即リーチを多用する下石だが、アガればトップの局面でこのリーチはなかなかかけられるものではない。
    結果、このリーチで流局に持ち込み、トップを死守した。
    でも、ノーエアである。

    【3回戦:ASAPINの見事なオリと失敗!?河野高志の絶妙なターツ選択!】

    4abdf78b806d23884e624939b2e7d75ef49a88f1
    あと2半荘で敗退チームが決定する。
    おそらく、この卓でマイナスしている『じゃがひなりっち』か『バリ3』のどちらか1つは少なくとも敗退となるだろう。
    そんな下位チームを尻目に、余裕の河野がオヤで2sポン打3s。
    00ac03ec382caf1dd2eeff55ddfbc33d05df33e0

    さらに、東もポンして打7p。
    aef5722a4c041b75c70822c42c3453ca9346352c
    ドラ切りの5,800ではなく、決定打の12,000を取るべくカンチャンに受けた。
    この仕掛けは怖い。
    河野は2s2s3sという超好形から仕掛け始めたのである。
    これがもしタンヤオなら高くない仕掛けかもしれないが、直後にダブ東をポンしているわけだから、2s2s3sという形からでも仕掛けたかった手牌ということになる。
    そうなると、手牌はほぼトイトイかドラを絡めた12,000以上であろう。
    そこに、後がない石橋がリーチを放っていくと、ASAPINが手を止めた。
    14b8bc3431fb4929ab57ab072198b991fca23980
    まっすぐいくなら2pツモ切りだが、ASAPINは言う。
    「3pはワンチャンスなんですけど、石橋さんにもう1枚3pがあると思ったんで2pは打てないですね」
    この発言からもわかるように、ASAPINはこの手牌をかなり後ろ向きに捉えていることがわかる。
    なぜならば、これはすでに2軒リーチのような状況だからだ。
    しかも、オヤはほぼ12,000なのである。
    2軒リーチで共通アンパイがないのだとすると、オヤの現物から選ぶことになる。
    ASAPINは、オヤの現物で石橋に最も通りそうな8mを抜いた。
    タンピン三色イーシャンテンから天鳳位が見せた、必死のオリである。
    うっかりリーチのスジを追って6pを打とうものなら、河野に12,000放銃となっているところだった。
    d42e0d8e7c8b67081ed821e96b5e523686f20409
    ASAPINがなんとか凌いでいるうちに、両面に手替わりした河野が4,000オール。
    すると、ここから一気に6万点まで駆け上がった河野が、南1局に面白い手牌を受け取る。
    5f070b88473735ab10459ee33dae67d214aad5a4
    これは何切るの典型問題である。
    この手牌、手拍子で7mを切り、1m4mと3s6sのイーシャンテンに受けてしまってはいけない。
    何切る的な正解は、打2mである。
    2mを切って233456778という左右対称の形にしておくと、1m4m、6m9m、3s6sという3つの両面待ちが残るイーシャンテンに受けられるのだ。
    イーペーコーなどの打点が要らず、局消化できればOKのこの状況であれば、なおさら打2mになりそうである。
    しかし、河野は5sを打っていった。
    なんと、最も受け入れ枚数が少ない選択を採ったのである。
    河野「純粋に、3s6sが悪いという感覚だから外した。これはぼくの感覚なんだけど、外側が2枚以上切れてる両面って、かなり悪いと思っちゃうんだよね。このとき、3sが2枚切れだったじゃない?だから、純粋にターツの比較で3s6sを払いました。ちなみに、一色手は考えてないよ、何も鳴かない」
    言っていることはわかる。
    ただ、河野が抱いている「外側2枚切れ両面が悪い」という感覚は、おそらく一般的な悪いレベルより度合いが高いと感じた。
    ここに、河野がたまにやる独特なターツ選択の一因があるように思える。
    185606172be78bc82d6ba3d13b364ebbf02bc941
    そして、実際に最速のアガリを決め、安全に局消化してしまうのだから、本当に恐ろしい。
    これが、タイトル戦の決勝で幾度となく見てきた「河野高志の鋭いターツ選択による局消化」だ。

    さて、河野がここまで突き抜けると、焦点は2着争いに絞られた。
    52e960350c42fcd6865816c505246c7134da379e
    石橋のリーチに3pでオリていたASAPINが、仲林からの追いかけリーチを受けて2枚切れの南をツモ切ると、石橋が手を倒す。

    731c2f1c66698aedc7e28332feb8a9ecea887411
    ウラも乗って倍満で2着を確定させた。
    これについて、対局後のASAPIN。
    ASAPIN「3pを切った直後に、2枚目の3p手出しを見せたくないと思っちゃったんですよね。1枚目の3pぐらいならオリてるかどうかわからないけど、2枚目の3pを見せたらさすがにオリがバレてしまうので」
    確かに、リーチにオリているところを見せないことは、2軒目のリーチを誘発しないためにも重要なことだ。
    しかし、ここではその繊細な感覚が裏目に出て、石橋に2着を明け渡す結果となった。

    【4回戦:土俵際で粘って連荘を目指す、泥臭い多井】

    d02666ea48e1bad577e3b91614ac1b7da4b622d6
    最下位『オタ!オタ!オコ!』のリーダー多井が、最終半荘を任された。
    最低条件が、この半荘を9万点ほどのトップで終えること。
    その上で、別卓の結果待ちとなる。
    通過確率は、0.01%程度といったところだろうか。
    それでも、与えられた条件に向かって泥臭く突き進む多井が、私は好きだ。
    敗退を受け止め、平常運転の多井麻雀を見せたって許される立場だろう。
    しかし、これだけ有名になって、これだけ多井の麻雀が視聴者に理解された中でも、どんなに厳しい条件だって絶対に諦めない。
    いつもの変幻自在でスタイリッシュな麻雀も多井の麻雀なら、99%敗北が決まった状況で泥臭く粘るのもまた多井の麻雀なのである。
    7ac69aa400f1a6da7d965dd0b70b905e32f27dd3
    そんな多井が、連荘するしかない南場のオヤ番で2巡目にこのテンパイを果たした。
    このテンパイを見た瞬間、解説の綱川と私が声を併せて言う。
    「これは、やりますね。ツモ4sで5s切りリーチ」

    ea51614fb31ae361785bec353215ff6d81cd4f86
    9万点を超えるためには、この手牌を4,000オール程度にしていては間に合わない。
    多井は、高目ツモウラ1の8,000オールを狙って勝負を賭けた。
    すると・・・
    fabd8440d8f05685c8a5062f3f8cb93c768eaccd
    なんと一発で赤を引いてウラ2。
    意外な形となったが8,000オールとした。

    そして次局
    12bb48ac4682c2b9ab2dc1e2846241ee67073786
    こんなタンヤオ3フーロのノーテンで連荘を目指す多井の姿があった。
    これだよ、これ。
    この諦めない姿勢が、数々の奇跡を呼ぶとともに、多井ファンを惹きつけているのである。
    今回はこの局でオヤが落ちて敗退となったが、多井が麻雀プロ・多井隆晴でいることの責任は果たしたように見えた。
    67525b0ad03af461e8b890679f14151dc77d2acd
    一方、『オタ!オタ!オコ!』とともに、別卓で敗退となった『じゃがひなりっち』。

    177f5a749e77ac71b31546f509ea20bba3a2713a
    最後まで条件があっただけに、村上がとてつもない悔しさをにじませた。
    それほどまでに、勝ちたい大会なのである。
    最高位村上でさえも、スーパースター多井でさえもアツくするオールスターリーグ。
    その重い重い決勝戦に進出する4チームが、ついに次節の最終節で決定する。

    第9節(予選最終節)は3/28(水)11:00よりニコニコ生放送およびFRESH!の「麻雀スリアロチャンネル」にて放送予定!
    FRESH!→ https://freshlive.tv/threearrows-ch/195925
    ニコニコ生放送→http://live.nicovideo.jp/watch/lv311591493
    チャンネル会員ならもっと楽しめる!
    • 会員限定の新着記事が読み放題!※1
    • 動画や生放送などの追加コンテンツが見放題!※2
      • ※1、入会月以降の記事が対象になります。
      • ※2、チャンネルによって、見放題になるコンテンツは異なります。
    ブログイメージ
    麻雀スリアロチャンネルブロマガ
    更新頻度: 不定期
    最終更新日:
    チャンネル月額: ¥880 (税込)

    チャンネルに入会して購読

    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。