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その女…
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その女…

2021-02-03 18:00
    スリアロチャンネルのブロマガをご覧の皆様
    どうもこんにちは

    りおんぬでございます。


    こんなご時世ではございますが、先日平日の空いている時を見計らって動物園に行ってまいりました。
    動物園なんて十数年ぶりに行ったのですが、真冬の屋外ということもあり見られる動物はかなり少なかったです。もちろん久しぶりの動物園を楽しみにしていた気持ちもありましたが、それよりも私は「好奇心大魔王」とのデートが楽しみだったのです。

    さて、突然現れた「好奇心大魔王」は一体全体誰なのかと申しますと、私の背中を預けし者なのでございます。(訳:真後ろで背中を向けて仕事をしている女性の同僚です。)
    そして、彼女には「好奇心大魔王」と呼ばれるのに相応しい言動がいくつもあるのです。

    動物園に行くことになったきっかけも彼女の話でした。

    「パンダの毛ってふわふわそうに見えて結構ベタッとしてるらしいよ。」
    と、ここまで聞くと、ただの動物好きで動物に詳しい女性の雑学のように聞こえますが、その後彼女は

    「触ってみたいよね~~~」

    と、続けたのです。ベタッとしているのに???
    この「好奇心大魔王」は、どうしてもその質感に触れてみたいというのです。ふわふわしたものを見たら必ずと言っていいほど「触りたい」とこぼします。私がエヴァンゲリオンの話をしていたって「私もエヴァに乗ってみたい」と言うのです。「見たい・聞きたい・触りたい・やってみたい」彼女の中は好奇心でいっぱいなのです。

    「好奇心大魔王」というくらいなので、どんな大柄な女性かと思われてしまいそうですが、その見た目は私の身長145センチと大差ない華奢な体で、長い黒髪の似合う白い肌に整った顔立ちの可憐な少女のようなのです。では、なぜ大魔王なのかと…

    私の中で理由は2つ。
    まず第一に、笑い方がそれはそれは極悪人のような、物語に出てくる敵のような笑い方なのです。高笑いというやつでしょうか。天を仰ぎながら大きく活字で「ワッハッハ」と笑うのです。これがどう見ても、その可憐な少女からは想像のつかないほどの悪を感じさせます。

    そして第二に、先に記述した純粋でまっすぐな好奇心の塊の矛先は、そのままそこへ向かうのではなく一緒にいる誰かに委ねられるのです。彼女にはどんなことでも挑戦してくれる毒見役が必要なのです。大きく膨れ上がった好奇心を丸々受け止めるのが他人だなんて、あんまりではありませんか。そして安全が確認できたところで彼女は自らの手を伸ばすのです。
    彼女と一緒にいたらいつか命を落としかねないと、その時私は直感しましたが、それは私の心に留めておくことにいたしました。


    と、ここまで書いて私は気付きました。私は動物園に行って動物を見ていないのです。「好奇心大魔王」の横で、動物についての説明をああでもない、こうでもないと聞きながら、ただただ「好奇心大魔王」の観察をしていたのです。
    私はきっと最初から「人間」という動物にしか興味がなかったのかもしれません。



    今日のお話はここまで、「好奇心大魔王」の生態は今後も観察対象となるでしょう。
    では…
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