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エロゲ屋社長日誌第5回:なんで社長は予約数を気にしているの?
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エロゲ屋社長日誌第5回:なんで社長は予約数を気にしているの?

2013-04-05 20:35
  • 5
こんにちは。
エロゲメーカー【チュアブルソフト代表のイシダです。

エロゲ業界の各職種についての就職事情とかそういうことについて書こうかなと
思ってたけど、今日は予約についてお話することにします。なお、結論は

「だからチュアブルソフトの新作『ラブらブライドを予約してね!今!」

になりますのでヨロシク。また、以下のまとめも大変参考になりますのでぜひ。

「予約大事、これ絶対。」にまつわる話 - togetter
予約キャンセルにより起きる深刻な問題 - togetter

◆なんで社長は予約数を気にしているの?


発売の約1ヶ月前くらいの時点で、全国のお店に入っている予約の数が集計されます。
これを元にゲームの生産数を決めることになります。このタイミングで決めないと、
発売日までにお店にゲームが届かないのです。

生産数が決まるということは、そのゲームの売上がほぼ決まるということです。
が、これだけの為に予約数を気にしているのではないのですぞい。

第2回:エロゲ屋の社長って何するの?の中での書きました通り、会社が利益を
あげるにはユーザーさんの満足感をうpさせなければいけません。
「現時点から更に満足度うpの為にどれくらい予算を追加できるか」の判断は、
このタイミングでの予約数をもとに行うことになるのです。

・発売を記念して何かイベントができるかな?
・気の利いたグッズ(えろいやつ)を企画できるかな?
・アフターストーリーやアナザーストリーを考えたら喜んで頂けるかな?
・次回作をよりよく制作する為の開発体制改良に挑戦できるかな?

と繋がっていくので、その作品の利益のみではなく、発売後の展開や次回作以降の
クオリティアップに直結していくのですね。

なので予約数を気にしているのです。

◆ユーザーの皆さんが予約をためらう事情

いくらエロゲ屋の立場から「予約が大事なので」とアピールしたところで、
ユーザーさんの立場から考えて予約をためらう事情があるのであれば、
それを解消する努力をしない限り意味がないですね。

①発売日を信用できないからマスターアップ宣言まで予約したくない
 →出るか出ないか分からないものに予約の内金を払いたくない
②特典情報が出揃うのが遅い
 →どんな特典がどこで付くのか分からないのに、予約するお店を決められない
③欲しいゲームの発売日が被っている
 →どちらを予約するかギリギリまで迷っちゃう
④興味はあるけど評価待ち
 →予約せずとも買えるだろうし、いいや

といったものが挙げられるでしょうか。

社長としては利益をあげられるようにしたい。その為にはユーザーさんの満足度を
うpしたい。早目にご予約頂くことが会社への利益になりつつユーザーさんの満足度
うpにも繋がるのであれば、それを阻害する要素を減らす努力をしなければいけません。

エロゲ屋側でできることは①②の事態改善です。自社の将来の為でもあるし、
新しいユーザーさんが入って来やすい業界にする為にもここは頑張りどころだと
思ってます。というか全メーカーさんがそう思ってるはず。

「チュアブルソフトだったら①②は心配ないはずだ」と思って頂けるようにせな。
それはつまり「ブランドの安心感」ということなんでしょうけども。

ちなみに、チュアブルソフトは私が入社した時に制作していた『Sugar+Spice!
(2007年9月26日発売)から今まで一度も発売延期はしていませんにょ。

◆つまり

ちょっとダラダラと長くなったのでまとめると

・早目のご予約は、メーカーの利益&ユーザーさんの満足度うpに繋がります
・でもご予約をためらう事情があることも理解できます
・そういう事情の解消に努めないと自社もエロゲ業界も尻すぼみになるよね

ということです。

予約数ばかりを気にしているより、ご予約を邪魔する要素を潰せているかどうかを
気にした方がマシってことになって参りました。それはそれとして…

チュアブルソフトの新作『ラブらブライドを予約してね!今!
発売記念イベントやその後の展開の企画中だからー。

じゃあ、今回は以上です。
皆様の質問やネタをお待ちしておりますのでコメント欄をご利用下さいな。
つづく!

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◆ユーザーの皆さんが予約をためらう事情
⑤そもそも予約しなくてもいいや

もユーザー心理として追加したいです。
④と似ていますが、ニュアンスが違います。
ほとんどの作品は発売から一定期間経つとお店で定価の
半額程度の値段で投げ売りされます。(もっとひどいのもある)
未開封の新古品や中古品含めて。

そして人気があってたくさん売れた作品よりも、
そんなに注目されなかったけど人気のある作品の方が高い
傾向にあると感じています。
たぶん生産数による希少価値が発生する為だと思いますが、
エロゲにおいては特典狙いの複数買いもあるため、
それが顕著なんだと思います。

特典がいらなくてゲームだけプレイできればいい人は、
とにかく安さを求めるので、中古狙いや安さを売りにした
ショップさんで買うのかなーと。
発売日前にアマゾンなどで予約している方も当然います。
発売日にショップを巡って、中古で売ってればラッキー!
くらいの感覚の方もいます。
もちろん、これには通販も含みます。

No.1 133ヶ月前

★じゃあ店舗特典がなければいいのか?
最近ではエロゲに限らずコンシューマーゲームも
特典が付くのが当たり前になってきた背景を考えると、
おそらくNO!ですね。

仮に特典が付かない場合、発売日に無理して買う理由が
なくなります。
今すぐやりたいゲーム以外は僕の場合は買わないです。
エロゲメーカーさんでは【Innocent Grey】さんが
店舗特典を完全廃止してますが、売り上げはどうなんでしょう?
だれか教えてえらい人!!
通販が日常に普及している現在、店舗の差が物理的距離や値段だけ
というのはいささか危険な気もしますが…
ちなみに今年の2月に出たイノグレさんの最新作『虚ノ少女』は
中古で5000円代で売ってましたので、
お好きな方はどうぞ~♪

では、すべてのメーカーのゲームに店舗特典が付かなかったら
どうなるのか?
今はそもそも店舗特典の付いてないショップさんとかは
軒並み潰れていってる印象なので、洗練されたサービスを
享受できるショップさんだけ生き残るのか、
それとも通販だけになるのか、それは分かりません。

だけど、特典の付いてないアマゾンや電気量販店さんの
価格を見るに、製品価格が同じくらいまで
引き下げられてしまうのではないか?
と思っています。
価格競争が起こり、今よりも安くなるでしょう。
そうなると、製作者サイド(店舗の人間含む)の
人間の収入が減ると思うので、
スタッフに払えるおちんぎんが減ります。
⇒次回作を作るのが厳しくなってきます。
⇒内容もこじんまりした物になり、大胆な挑戦がやりにくくなります。
⇒結果的にゲームが売れなくなります。
⇒メーカーとユーザーのお互いに幸せにならない残念な結果に!
負のスパイラルが完成します。
おそらく、そのメーカーさんとまた会うことはないでしょう。
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ...

No.2 133ヶ月前

というか、こんな事が書きたかったわけじゃなくてですねぇ...

日常的にゲームを買っている人には深刻が現状があるのですよ。
特に毎月コンスタントに新作が発売されるエロゲに関しては特にね!!
そう、いわゆる【積みゲー】の存在です。
ほんと、罪なゲームたちですよねぇ...
やりたいゲームをそのままにしているにも関わらず、
新作を予約してまで買っているのは店舗特典があるがゆえなのです。

その購入動機がなくなると、
発売日に無理して買う必要がなくなるのです。
エロゲは基本的にゲーム1本の購入単価が高いです。
1万円くらいします。
デメリットなく安く買えるなら、当然そちらを選んで
当たり前です。

僕自身経験があるのですが、
仮に店舗特典が存在してて、なおかつその中に
”欲しい特典がなかった”としたらどうしますか?
僕はその時は購入を見送りましたね。
あとで安くなってから中古で買いました。

そういう事情もあるよ~って事で参考までにぜひ!!

No.3 133ヶ月前

★あとは、個人的な販売に関する雑感など

ツイッターをみてると、よく秋葉原などでゲームの
発売日当日にお店をまわって
『ここにも売ってない!こっちにもない!
 いったいどこにあるっていうんだぁぁぁぁぁ』
と悲しい思いをされている方を見かけます。

そこまで欲しいならちゃんと予約しとけYO!と
思う訳ですが...

なんなんでしょうね、この現象。
これはゲームに限らず本やDVD、CD、フィギュア
なんかにも当てはまりますね。
最近だと『ボケモン』や『どうぶつの森』が当てはまる
でしょうか。
この辺のヒット作はやや例外ではありますが、
発売する何ヶ月も前から予約を打ち切っていたお店も
あるようなので...(通販サイトは売り切れ続出)。
ただ、エロゲの出荷本数を決めるのが約1ヶ月前だとして、
コンシューマーゲームは同じ法則ではないの?
という疑問が残ります。
時間があったら大量生産できるって訳じゃないのかしら?

(そういえばマスターアップという概念を忘れていた)
よくよく考えたら完成はまだなんですよね。
完成してから発注生産だから最大数はおのずと決まってくるのね。

こういう当日に混乱する方たちの心理が
いまいち分かりかねるですね。

No.4 133ヶ月前

イシダ社長、開発日誌更新お疲れ様です。

製品製造日数は未だに1ヶ月掛かるのですね
もう10年も前から変わっていない気が。。。(それ以上?)

予約という労を惜しまないお客様がいる。
という事は、他に予約せずとも買ってくださる方がいるかもしれない。
なら予約数+○○○本という計算の仕方ですね

そういえば、話は全く関係ないですしでしゃばりな事だと思いますが
最近私は『七左衛門のメモ帳』というサイトの記事を良く読みます。
ケヴィン・ケリーという出版業界の著名な方の発言を日本語訳している
サイトなのですが

物づくりや販売する事の意義についてなども書かれており
『無料より優れたもの』という記事はなるほろと感慨深かったです。

本当に読んでいて楽しく、また世情を再認識できる記事ばかりですので
ご興味がおありでしたらお手空きの際に読まれてみて下さいまし。

強引な話題振りすみませんです(>w<;
それでは、明日の放送楽しみにしています!

No.5 133ヶ月前
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