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ニックさん のコメント

救心
No.1
52ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
自分の体をきちんと知ろう! がテーマの連載「 カラダ戦略術 」。前回は「 コロナ禍の熱中症対策 」について、お届けしました。今回は、更年期世代に起こりやすい「動悸・息切れのメカニズムと対処法」について、女性医療ジャーナリストの増田美加がお伝えします。 きっかけもなく、突然起こるのが特徴 呼吸が苦しくて、息がじゅうぶん吸い込めない感じがする。胸が重たく、つっぱる……などの息切れや動悸の症状を感じたことはありませんか? なかには、 夜寝ているときに、急に激しい動悸がして驚いて目が覚める 、という人もいますし、 胸がドキドキして、なんとなく息がすっきりしない という人もいます。 呼吸が苦しく、ドキドキと動悸がしたり、脈がとぶような感じがしたりすると、「不整脈かしら? それとも、もっと違う心臓の病気? 肺の病気?」と不安が募りますね。コロナ禍にある今、肺や胸の症状は、とくに心配になります。 しかし、これらは更年期世代に、比較的起こりやすい症状なのです。 階段を駆け上がったり、激しい運動をしたりしたあとは、だれでも脈が速くなったり、ドキドキしたりするものですが、 更年期の症状としてあらわれる動悸や息切れは、これといったきっかけもなく、突然起こるのが特徴 です。 おもな要因は「自律神経系の乱れ」 息苦しさや動悸による“不安感”が、症状をさらに増大させることがあります。また、疲れや、ストレスが強くなると、症状を感じることが多くなります。 これらは、まさに更年期の特徴です。 おもな要因は、心臓の拍動をコントロールしたり、胃の働きを調節したりしている自律神経の乱れによるものです。 息苦しさや動悸は、自律神経失調症と関連していて、自律神経が乱れると起こりやすい症状 です。 更年期になると、女性ホルモンの分泌が低下します。女性ホルモンは、脳内の視床下部、下垂体からの指令のよって、卵巣から分泌されますが、更年期になると卵巣から分泌する女性ホルモンのバランスが乱れ、脳の視床下部、下垂体のバランスも崩れます。 この女性ホルモンの指令を出す視床下部、下垂体は、自律神経系の指令箇所と近いため、自律神経系も影響を受け、バランスを崩すのです。 長く続くときは、不整脈などの検査を 息苦しさや動悸は、はっきりとあらわれる人よりも、なんとなくドキドキするとか、胸苦しい、息苦しい、脈が乱れるなどと感じる人が多いようです。 あまり長く続いて、不安が募るようだったら、一度病院で検査をしてもらったほうがいいでしょう。 動悸や不整脈は、 内科(循環器内科、心臓内科が専門) でもいいですが、息苦しさや動悸以外に更年期のほかの症状もあるようなら、 婦人科 を受診してみるのはどうでしょう。 更年期になると、不整脈が増える傾向にあります。症状があったら、不整脈でないかどうかをチェックしてみてください。 深呼吸をして、気持ちを落ち着かせて もしも、動悸や息切れなどの症状が起こったときは、まず 深呼吸をして、気持ちを落ち着かせることが大事 です。 症状が激しいときは、空気中の酸素を多く吸い込み、一時的に血液中の二酸化炭素の濃度が低くなった「 過呼吸 」の状態になっていることもあります。 過呼吸への対応としては、紙袋を口に当てて、自分の息をゆっくり吸い込むようにします 。このことで、血液中の二酸化炭素濃度が調節されて、 発作が自然に治まります 。 近くに紙袋がないときは、両手で口と鼻を覆って呼吸をします。ビニール袋は窒息の危険性があるので、使わないようにしてください。  それでも、治まらない場合は、内科(循環器内科、心臓内科)などの病院で医師の診断を受けてください。 心臓の病気、貧血、肥満が原因のこともあるので要注意! 心臓の病気でも、動悸や息切れがします。 とくに閉経後は、 狭心症 や 心筋梗塞 などの心臓病に気をつけなくてはいけません。女性ホルモンのエストロゲンは、血管を守る作用もあるため、更年期にエストロゲンが減少することによって、血管も弱くなりやすいのです。 また、 貧血や肥満によっても、動悸や息切れが起こります 。これらにも注意が必要です。 症状があらわれたら、検査を受けて、ほかの病気が隠れていないかを確かめておきましょう。病院では、いつ、どんなときに症状があらわれるか、どうすれば治まるか、などを聞かれます。事前にメモしておくといいでしょう。 検査でいずれも異常がなく、更年期の症状だとわかれば、過剰に心配する必要はありません。 漢方薬、女性ホルモン剤も試す価値あり 息切れや動悸が更年期症状であるとわかれば、婦人科での治療は、自律神経を調整する薬、漢方薬、女性ホルモン剤などの選択肢があります。 女性ホルモンを補充してあげる ホルモン補充療法(HRT) は、ひとつの方法です。また、不整脈の薬や、安定剤で症状がやわらぐ人もいます。 漢方薬は、更年期のさまざまな不調対策によく使われます。 「加味逍遥散(かみしょうようさん)」は、不安や自律神経症状を和らげる漢方薬としてもよく処方されます 。 婦人科の医師に相談してみましょう。 エクササイズ、食事、生活全般のアプローチで 更年期のメンタル面、フィジカル面ともに、日常的なちょっとした工夫で不調を改善することができます。 強い症状ではなく、なんとなく動悸、息切れ、脈の乱れを感じる程度という人は、予防的な対策として、 ストレス解消を心がけてリラックスし、楽しい時間を持つことが大事 です。好きな趣味や軽いスポーツを楽しむなどして、気分転換を図ることも対策になります。 また、適度な運動は、更年期のさまざまな症状改善に良いとされ、いろいろなエビデンス(科学的証拠)があります。 軽い有酸素運動(ウォーキングや水泳など) を定期的におこなって、生活リズムを規則的に続けることで、症状はかなり緩和できます。ただし 激しい運動は、不整脈などがある人には危険なこともあるので注意 が必要です。 食事も大切です。何を食べればいい、というよりも、とにかくバランスが大事です。和定食のイメージで献立を考えます。更年期は、食生活を見直すとてもいいチャンスと前向きにとらえましょう。 とくに、 動悸、息切れの原因が貧血なら、食生活の改善が必須 です。 レバー、ほうれん草、アサリなど、鉄分を多く含んだ食品 を積極的に摂るように心がけます。 カフェインの多いコーヒーや紅茶、アルコールなどの飲み過ぎや嗜好品のとりすぎにも注意 を。禁煙も心がけましょう。 疲れると、症状が出やすくなります。疲れたなと思ったら、いつもより睡眠を多めにとることで、不調から復活することができます。 卵巣機能は下がっていきますが、上手に対処すれば、体調は復活します。日常の工夫や努力は、決して無駄ではありません。 もっとカラダ戦略術を読む そのぽっこりおなか、もしかして。更年期太りを解消する方法 セルフケアだけでは口臭は解決しない!? その理由は? 増田美加・女性医療ジャーナリスト 予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。 公式ホームページ image via Shutterstock 
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