「タラレバ」は、過去を憂うだけではなく希望を表す言葉でもある。

もし、プログラミングができたら――。

もし、エンジニアになれたら――。

きっと仕事の選択肢は広がるし、在宅で仕事ができるかもしれないし、そうしたら満員電車に乗らなくて済むかもしれないし、もっと自分のやりたいことに時間が使えるようになるかもしれない。

そんな明るい未来の「タラレバ」を妄想させてくれたのが、Appleが3月8日の国際女性デーにちなんで開催したイベント「いつでも誰でも学べるアプリケーション開発:女性もプログラミングを!」。

今年のベストApp10選に選ばれたアプリを開発

お話をしてくれたのは、Manabelle(マナベル)を立ち上げた小林コトミさん。

Manabelleは、iPhoneで誰でも無理なくスキマ時間にプログラミングが学べるアプリケーション「codebelle(コードブル)」を開発した会社です。 「codebelle」は、App StoreのBest of 2016「今年のベストApp10選」にも選ばれています。

子育て中の就職活動。50社くらいは落とされた

小林さんは、働く女性であり、4歳のお子さんがいる母親。もともとは、ITエンジニアで、会社員として働いていました。そもそも仕事は大好きで長時間労働でも苦にならないタイプだったそう。

その後、結婚を機に退職。これまでの働きかたを考え直すようになりました。

「きっと、これから自分は子どもを産んだりするよなぁ。そうなったら、仕事だけの人生じゃなくて、仕事以外にもしあわせを見つけたいなぁ。って考えるようになりました。とはいえ、仕事は楽しいから何かしたいし...」

と、考える日々。出産を経て、子どもが1歳になったときに、大好きな仕事をまたはじめよう! と決意します。

「住んでいる場所が、横浜・湘南エリアなので、そのエリアで仕事を探し始めました。子どもがいるので、通勤時間は30分以内、土日はきちんと休める、時間通りに終わる仕事をと、事務職を希望して。

でも、東京のように大企業が密集していない場所は、競争率は高いし、同じような境遇の女性がたくさんいる。ぜんぜんうまくいきませんでしたね」

結果は、思うように出ず、50社くらいの事務職を受けて、すべて落とされたそう。

「履歴書の写真の剥がしかたが、すごい上手になりましたね。もったいないので、写真を使いまわしてました(笑)」

自分のスキルをアピールしたら、一発で採用が決定

出産後の復職がこんなにもハードルが高いなんて予想もしていなかった小林さんは、思い切って自分のセールポイントを履歴書へ書いて、スキルをアピールすることに。そうすると、なんと1社目であっけなく採用が決まりました。

「アピールしたのは、『ホームページの更新ができます』と『WEBサイトの制作ができます』とか『プログラミングができます』のように、これまで自分がしてきたことを書きました。そしたら、一発で採用が決まってしまって」

簿記の資格を持っていたけれど、事務職としてはぜんぜん就職が決まらなかった小林さん。ITの技術をアピールしたとたんに就職が決まって、「プログラミングってニーズがあるんだ!」ということに気がつきました。

スキルを身につけることってやっぱり大切

新たに働き始めた会社で出会ったのが、これから仕事をはじめたいという主婦や、東京ではなく地元で働きたいと願う女性たちでした。

「仕事をしたい、という女性たちに会って感じたのが、スキルを身につけることってやっぱり大切ということでした。私が復職を希望していたエリアは、女性の就職の激戦区だったけれど、自分のスキルをアピールしたら就職が決まった。

だったら、他の女性たちが、プログラミングを学べる仕組みを作ってみたいと思うようになりました。プログラミングを学ぶことはスキルになるし、就職支援にもなる。そういう会社がなかったので、やってみよう! と始めました」

そうやって立ち上がったManabelle。

「自分自身がプログラマーとして、長時間労働をしていたので、同じ女性に広めるのはどうかな? と一瞬迷ったのですが...。でも、いまってクラウドがあれば会社に常駐しなくても在宅で仕事ができるようになったりしてますよね。

ちょうど、働き方も変えようと思っていたので、Manabelleは固定オフィスをつくってないんです。Manabelleに関わっている人は、いまは全員在宅ワークしてるんですよ」

子育ても仕事もどちらも楽しくやりたいと思ってはじめた復職が、新しい働きかたを模索、実践するまでになった小林さん。

1レッスン3分。アプリで簡単にプログラミングを学ぶ

Manabelleで開発したのが、簡単にプログラミングが学べるアプリ「codebelle」です。知識がゼロの状態からはじめて、プログラミングの基礎が学べるcodebelleは、小林さんの柔軟な視点が盛り込まれています。

実際に使ってみると、その使いやすさを実感できます。

見た目は、LINEのようなチャット形式で、1レッスン3分以内で完了。使われている言語は「Swift」で、まずこれを覚えておけばiPhoneのアプリは作れるようになるそう。

あったらいいな、と思うアプリを作って、それをApp Storeにリリースする。世界中の誰かの目に止まって、自分の世界が広がっていくかもしれません。そう思えたのも、codebelleのユーザーは日本だけではなく海外にもいて、いろんなレビューが届いているからとのこと。

なにより、自分がほしい! と思ったアプリを自分で作れるなんて、絶対に楽しいはず。

また、プログラミング思考を身につけることで、計画的に話せるようになったり、数字やデータを入れることの必要性が理解できるようになったり、自分の思考も進化していくそう。

仕事も恋愛もファッションも。自分の気持ちに素直に従っていい

3月8日の国際女性デー。

大きな動きになると、ロールモデルが出てきて、その人の生きかたをなぞって...となってしまいがちですが、いまはそういう時代じゃありません。

自分がいいな、と思った考えかたや働きかた、ファッションもメイクも、恋愛も。すべてを自分の気持ちに素直に従っていい。そして、それは男性も同じ。

他人の意見をフラットに聞くこと。違いを認め合うこと。思いやること。それができれば、自分の可能性も、誰かの可能性も、どんどん広がっていくはず。

codebelle,Manabelle ,Apple

撮影・取材・文/グリッティ編集部

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