ひーちゃんから新しいお題をもらって、よく昔を振り返るようになった。自分の過ごしてきた日々や、何をどう思っていたか。を思い返す1週間を過ごしてるよ(最近やっとこれが楽しくなってきた)。
映画には、人としての生きかたとか考えかたの部分で、影響を受けてる。
今回のお題をもらって気がついた。私、あまり映画のなかのファッションに注目していなかったみたい。
影響を受けたのは、ファッションを通して生き様を見せてくれた人もちろん、その時代のファッションを知るのに調べたり、取り入れたりはしているんだけど、映画が自分のファッションに対して強烈に影響しているか? っていったら、そうじゃない。
ファッションそのものより、ファッションを通して生き様を見せてくれた人たちに影響を受けている。
ファッションに対する自分の想いを貫いたビル・カニンガムそのうちのひとつが、ニューヨークのストリートカメラマンだった故ビル・カニンガムのドキュメンタリー映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク』。
ブルーの作業着と自転車がトレードマークだったビル・カニンガムは、世界的有名なストリートカメラマンでした。ビルは、米「VOUGE」編集長のアナ・ウィンターが、どんなに忙しくコレクション会場を移動していても、ビルを見つけた瞬間、一瞬だけ足を止め、ビルだけにスナップを撮らせるくらい信頼されていた人。
でも、もしアナのスタイリングが気に入らなければ、彼女が足を止めたとしても、ビルはレンズを向けないこともあった、っていうからすごい。このドキュメンタリーを観て、ビルは徹底してファッションに対する自分の想いを貫いた人だったってことがよく伝わってきた。
「服は何を着るか。ではなく、どう着るか」ってはっきり言えるビルが
「ドレスを着たセレブに興味はない。普通の服を着た人々に興味があるんだ」
と言ったときなんて、映画館で嗚咽したからね。
たぶん、あのシーンを観て泣く人なんていなかったかもしれない。それくらいサラッと言っていたシーンだけど、私には強烈に刺さってね、周りが引くくらい泣いてた(笑)。
「ハイブランドを身に付けているから素敵」っていう風潮にどこかで違和感を感じてはいた。でも、どうしてもその風潮に流されているような感覚があったのも事実。だから、ビルのそのひとことに、思いっきり一蹴りされた気分になったよ。
あぁ、私が思っていたことはこれだったんだ。って気付けたら、顔はグチャグチャだったけど、気持ちは本当に清々しい状態だった。
ビルの生き様を観て、私の揺らいでいた気持ちも固まり、いまでは誰に聞かれても、
「服は何を着るか。ではなく、どう着るか」
ってはっきり言える。そしてこの思いはもう揺るがなくなったのが、私の財産かな。
「ストリートにリアルがある」って言っていたビルを思い出した昨年の6月に亡くなってしまったビル。いつもビルがストリートスナップを撮るために立っていた通りは、ニューヨーク市の粋な計らいで、「ビル・カニンガムストリート」って名前に変わった。
私もひとめ見たくて去年ビル・カニンガムストリートに行ったの。向かう途中、色んな思いがあふれてきて、歩きながら涙がこみ上げてきたんだけど、ビル・カニンガムストリートに着いたとたん、目に入ってきたのは、若者が座って「小銭ちょーだーい!」って言っている姿だった(笑)。
「私の神聖な場所でなにしてるの?」って、しんみり泣いていたのが嘘みたいに笑っちゃって。
でも「ストリートにリアルがある」って言っていたビルをまた思い出せて、なんだかうれしかった。リアルってこれだなって。
ひーちゃんが、今まででいちばん影響を受けた人って誰かな?
写真(一部)/gettyimages
・ビル・カニンガム氏追悼でNYがブルーに染まる #billcunningham
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