5月4日、ニューヨークのメトロポリタン美術館でコム・デ・ギャルソンの創設者である日本人デザイナー、川久保玲の特別展「Rei Kawakubo/Comme des Garçons: Art of the In-Between(川久保玲/コム・デ・ギャルソン:間の技術)」が始まりました。

存命中のデザイナーがメトロポリタン美術館で取り上げられるのは、1983年のイヴ・サンローラン展に続いて史上ふたり目となる快挙です。

アヴァンギャルドでリアル。ダナキャランが語るコム・デ・ギャルソンの魅力

そのオープニングイベント・METガラではリアーナがコム・デ・ギャルソンのドレスで強烈な印象を残したほか、川久保玲が世界のデザイナーや表現者をいかに刺激しているかが改めて示されました。

日本でコム・デ・ギャルソンといえば、長く人気のあるブランドのひとつです。

でも、欧米にも著名なブランドやデザイナーが数多く存在するなかで、日本人の川久保玲がそこまでインパクトを及ぼすことができたのはなぜなのでしょうか?

それに関して、川久保玲と同時代のデザイナーであるダナ・キャランがコム・デ・ギャルソンの独自性を「Refinery 29」でこんなふうに語っています。

彼ら(注:日本人デザイナー)の服はリアルだったんだけど、それ以上の何かがあった。リアリティを次のレベルに引き上げた感じだったの。

(略)

中でもコム(・デ・ギャルソン)はたぶん、一番アヴァンギャルドね。言ってることは本当にアーティストなんだけど、その一方で、彼女はリアリティを反映した服を作れるのよ。

(略)

彼女は自分自身にいつも誠実だったけれど、それはデザイナーにとってとても難しいこと。ブランドに忠実であるということね。

(「Refinery 29」より翻訳引用)

「変わった服」とも思われがちなコム・デ・ギャルソンですが、ファンからは「飽きがこなくて長く着られる」という声も聞きます。決して奇をてらっているわけではなく、ある角度から見た「リアル」を徹底しているからこその評価なのではないかと思います。

信じるものを追い続ける、川久保玲というアーティスト

また川久保玲のデザイナーとしての姿勢について、ダナ・キャランはこんな風にも語っています。

彼女(川久保玲)は、自分が信じるもの以外は絶対に追いかけなかった。ファッショントレンドを追うのではなく、彼女がトレンドを作り出したのね。彼女は本当のアーティストよ。

アルマーニやラルフ(・ローレン)、カルバン(・クライン)みたいな人の他には、自分自身であり続けるデザイナーは本当に少ないのよ。

(「Refinery 29」より翻訳引用))

周りがどんなに変わっても、自分が信じるものを大事にし続けてきた川久保玲。そのためか、「コム・デ・ギャルソンってこういう感じ」というものは、いつのショーを見ても、お店に行っても、裏切られたことがありません。

たとえ他の人と違う見方であっても「自分はこう思う」ということを、誠実に形にし続けてきたことが、川久保玲/コム・デ・ギャルソンの力なのでしょう。それってファッションだけじゃなく、仕事や人生全般においても大事なことのような気がします。

Refinery 29

写真/gettyimages

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