それは、映画も同じ。いまの空気感や思想を画面に映し出し、エンターテインメントへと昇華させています。
17年続いたウルヴァリン映画の最終作「LOGAN/ローガン」そう教えてくれたのは、2017年6月1日(木)公開の『LOGAN/ローガン』記者会見に登場した、ジェームズ・マンゴールド監督とヒュー・ジャックマン。
本作品は、『X-MEN』シリーズで高い人気を誇る"ウルヴァリン"ことローガンを描く最終作となります。
長年にわたる激闘を経て、心身ともに疲れ果て、不死身の治癒能力が衰えてしまったローガン。もはや超人ではなく生身の人間となった彼は、生きる目的さえも失い、荒野の廃工場でひっそりと暮らしています。そんなローガンの前に現れたのが、武装集団に追われている謎めいた少女、ローラ。絶滅寸前のミュータントの最後の希望となるひとりの少女を守るべく、命がけの闘いに身を投じていく、というストーリーです。
「悲しいことに、いま、空っぽな映画が多い」登場する謎の少女・ローラはメキシコ系アメリカ人。また、『X-MEN』シリーズでは特別な能力を持つミュータントの苦悩を描くなど、マイノリティの存在が大きな役割を果たしています。
映画のなかでマイノリティを描くことについて、ふたりに聞いてみました。
ジェームズ「作品を作っていたときは、ちょうど大統領選がおこなわれていたんだ。だから、その時期の空気感を映画のなかにも取り入れているよ。
悲しいことに、いま、空っぽな映画が多い。まるで飴みたいに舐めたら消えてしまう。僕はそんな映画を撮るのに興味はない。いまの思想や世情を反映しているのが大胆だと言われるけど、僕は当然そうすべきだと思っているよ」
ヒュー「大統領選前にディベートがおこなわれていて、そのときに壁の話が出たんだけど、じつは今回の脚本のなかにすでに壁の話が存在していたんだ。それまでは壁の話なんて出てきてなかったから、誰かが僕たちの脚本をリークしたのかな? と疑ったくらいだよ(笑)。
ジェームズ監督がいかに世のなかを見渡しているか、と言う証拠だと思う。シンプルなストーリーのなかに、いまの世相をうまく取り入れているんだ」
世のなかの情勢が映画に反映されることを「当たり前」と断言してくれたジェームズ監督。
ただ「売れるから」とか「みんなにウケるから」を目的にするのではなく、もっと本質的なところに目を向けながら映画を作っているのだと感じました。
アメコミから生まれた映画をR指定にした理由また、『LOGAN/ローガン』は『X-MEN』シリーズ初となるR指定。
これまではアメコミから生まれた映画ということで、子どもから大人にまで受け入れられるストーリーという印象がありましたが、今回は大きく方向転換しています。
R指定にしたことについて、ジェームス監督は、
ジェームズ「僕たちは、もともと制作前からR指定でいきたいと思っていた。大人向けのドラマを撮りたかったんだ。そして、万人受けではない作品を作ることで、自分のアイデアを自由に使えるようになった。
たとえば、冒頭のシーンでヒューとパトリック・スチュワートが話すシーンが約7分間ある。子ども向けだったら1分半くらいに縮める必要がある。子どもは大人の男性ふたりが体の衰えについて話すシーンを7分間も耐えられないからね(笑)。
R指定にすることで成熟した作品を作ることができたと思っているよ」
とのこと。
制限を取り払うことで、自由にアイデアを生かした作品を作ることができた、と自信たっぷりでした。
ヒューにとって、ルーツであり、人生において感謝すべき役だったというウルヴァリン。
その集大成となる『LOGAN/ローガン』からは、監督と役者が本当にいまの世のなかに伝えたいことを、とことん追求し、表現したい! という意欲がひしひしと伝わってきます。
6月1日(木)ロードショー!
配給:20世紀フォックス映画
©2017 Twentieth Century Fox film Corporation
撮影・取材・文/グリッティ編集部
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