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子どもの頃、永久歯が生えそろったときから、ずっと出っ歯でした。
大きく突き出た前歯、その2つ隣の八重歯も大きく、その2つの大きな歯にはさまれた歯は後ろに下がり、出たり引っ込んだりした状態の、いわゆる乱杭歯(らんぐいば)。
下の歯も、前歯8本は前後に重なり合う乱杭歯でした。
家族をみると父親が立派な出っ歯でした。たとえるなら、お笑い芸人の明石家さんまさん。
そして姉と妹も私とおなじ、出っ歯と乱杭歯の歯並びをしていました。
ただ、姉妹の中で私の歯並びが一番ひどく、一度小学3年生のときに母に連れられて歯医者に行きました。
そこは矯正専門ではなく、普通の歯医者でした。
あとで知りましたが、普通の歯医者さんでも矯正はできるそうです。ただ、その技術は人によってレベルの差があり、矯正に入る前にしっかりとカウンセリングを受けることが大事だそうです。
その歯医者では、矯正には数年かかる、費用が100万円以上はかかる、矯正中は痛みが出るといわれ母と相談し矯正はしないことにしました。
幸い、小学生時代は歯並びのことで友人から指摘を受けることはありませんでした。
中学生に入って、思春期に突入。異性と付き合う友人が出てきましたが、私自身はあまり興味がなく、出っ歯のことも気にしていませんでした。
出っ歯を自覚した中学校の卒業写真
私が中学生のときは、デジカメなんてありません。
「バカチョン」といわれる使い捨てカメラが主流です。
卒業式当日、友達と写真をお互い撮影し合い、カメラを現像に出しました。
1週間ほどで現像された写真が手元にきたのですが、写真を見て恥ずかしくなりました。
それは、笑った私の口元がひどいから。
笑顔を作ろうと、口を閉じて口角をきゅっと上げていたのですが、どの写真もその唇の間から白い歯が見えていたのです。
それ以来、出っ歯が唇から出ないように写真を撮るときは、唇をぎゅっと閉じるようになりました。
キスができない
高校生に入り、私もついに彼氏が出来ました。
友達の紹介で、相手も同じ年。デートは放課後の公園です。
2回目のデートで、彼にキスされそうになりました。しかし、私は歯が出ているのでキスをするのがとっても恥ずかしくて、思わず顔を背けてしまいました。
彼もそれ以上のことはせず、その後彼とは気まずくなり、すぐに別れました。
その事件があってから、私は自分でキスの練習をしたのですが、鏡相手にキスをしてもやっぱり前歯がコツンとぶつかります。
口をギュッと閉じてキスをする?口を開けてキスをする?いっそ、歯にキスしてもらう?
もうどうして良いか分からず、相談する相手もおらず、キス恐怖症に陥りました。