YNA#42 「12.人として [4:04]」
 


 知りたかった最高も 知ってしまえば最低限に
 どうしたって満足は 出来ないようになってるみたいだ
 SUPER BEAVER/「ラヴソング」

つって、ほとんどやったことのない、引用から始めてみた。
インディーズなのにバンバンTVタイアップされるこのバンド、ちょー青臭いの。
マジで歌詞が若い若い。
なのに、齢46になるおっちゃんがハマって、早めに飽きた。

まあ、そんな馴れ初めはいいとして、この歌詞にはけっこうガツーンとやられたんだよね。

そうそう、そうなんだよ。
自分でも思い当たるふしあってズゴーンと反省するし、他人から受けることもある。

──先日の話。

番組ディレクターとして現場立ち会いという業務が増えてきたぼくだけど、他の兼ね合いでそれが叶わないこともある。

マスクドというタレント・ライターの顔と田澤というディレクターの顔、2つ持っているからだ。

マスクドのスケジュールが先に埋まっていて、あとから田澤ディレクションの番組が入った場合、申し訳ないけどぼくはマスクドの現場を優先させる。

かといって、田澤Dの番組を断るわけにもいかない。
クライアントからお金がもらえ、タレントやカメラマン、編集者に仕事を振ることができ、会社にも利益が残せるんだからね。

じゃあどうするか?

田澤が現場にいなくても回るようにすればいい。
そして、完成した作品のクオリティが維持されていればいい。

簡単なお話でしょ?

そうできるように進めてきたつもりだった。

その現場で「田澤がいなければならない仕事」は極力排除し、「田澤がいるとちょっと円滑になる」くらいのポジションに自分を置いていた。

外部スタッフの方に現場を任せても大丈夫なようにし、いざそのときが来た。