先日、デンマークのルイジアナ美術館が素晴らしいというレポートを見ました。
日本の美術館では見られない光景が数多くあったそうです。幾つか抜き出してみると、
ベビーカーもいっぱい。お爺さんお婆さんもいっぱい。みんな普通にアートを鑑賞しながら、会話を楽しんでいます。作品群と同じくらい、その光景に感動。この空気、日本にはまだまだないですよね。
お父さんによる子どもたちへのアツイ作品解説! このシーンひとつとっても日本には皆無。
海沿いを近所の住民が犬の散歩をしていたりもして。ここへきてこの敷地のすばらしさを知ることに。
お昼寝したくなる美術館、最高です。
この美術館は地形に沿うように回廊型の展示室が続きます。しかし、歩きながら移ろう風景そのものが、もはや作品!
食事をしているという意味では、同じような光景はどこにでもあるでしょう。しかし、ここにいる大勢の人たちは皆、スーパーリラックスしている。そうすると、こんな空気になるんだって、それ自体に心から感動します。
こんなところでしょうか。
日本では皆無といった感じの言葉が出てきますが、地方の美術館にはこれに近いところあるんじゃないかなあと思います。少なくとも部分的に満たすところはいくつか思いつくので、この方も「皆無」と嘆くことなく、ぜひ地方のいろんな美術館に訪れてみて、いいところないか探してみてほしいです。
ま、それはそれとして、これを読みながらすぐに日本のあるものを思い浮かべました。
それは「お城」です。
この雰囲気、日本のお城にそっくりです。あちこち行っていて、ごちゃまぜになっていますが、例えば大きいところだと姫路城とか松江城とか、小さいところだとついこの間訪れた、愛知県の清州城などを思い出しています。
まず美術品の楽しみ方。お城にも、美術品や工芸品がいろいろ展示されています。しかし、みなさんの楽しみ方はちょっと美術館とは違います。むしろ
ベビーカーもいっぱい。お爺さんお婆さんもいっぱい。みんな普通にアートを鑑賞しながら、会話を楽しんでいます。作品群と同じくらい、その光景に感動。この空気、日本にはまだまだないですよね。この雰囲気そっくりです。子どもたちが天守閣の構造にはしゃいでいても、そんなもんて感じですよね。
お父さんによる子どもたちへのアツイ作品解説! このシーンひとつとっても日本には皆無。こういうのも、普通。ていうか、おいらだ・・・。知ってることを偉そうに子供に語っちゃいます。
それから、景色の素晴らしさが指摘されていますが、天守閣の展望の良さは、それが多くの来場者の本来の目的です。美術品などはおまけであって、だからみなさんリラックスして美術品を楽しめるのでしょう。
また、天守閣を中心とした敷地全体は、観光客のものだけではなく、むしろ市民の憩いの場です。お昼寝にも持って来いだし、銘名がいろんな形で食事を楽しんでいます。桜の季節は宴会だって始まりますし。
つまり、日本の(都会の)美術館の楽しみ方がかしこまりすぎているからといって、日本に海外の美術館のような空間がないわけではありません。美術館は後から入ってきた西洋文化で日本人はまだまだくつろげてないだけではないでしょうか。
たとえば映画なんかも、日本だとシーンと観ることになっていますが、海外だと全然そんなことないですし。でも吉本とかはみんなゲラゲラ笑えるわけで、日本の大衆文化の場では、外国人と同じようにくつろげるわけです。
もちろん日本の美術館も、もっともっとくつろげる場になって欲しいですし、それは地方の美術館から今も進行しているはずです。
ですから、「こういう雰囲気は『皆無』」というのは悲観的すぎるし、今くつろぎたけけば、お城とか日本の大衆文化を活用すればいいのです。
《ワンポイントミライ》(?)
ミライ: 清州城、面白かったですよね。
フツクロウ: ホウじゃな。
ミライ: 平地にあったんです。平地に。全然盛り上がってない。
フツクロウ: ホッーホッホ。