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「努力」はオワコン、代わりに「やり抜く技術」を学ぶ社会に(その8)/「広島訪問」というスモールステップ
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「努力」はオワコン、代わりに「やり抜く技術」を学ぶ社会に(その8)/「広島訪問」というスモールステップ

2016-05-30 21:45

     「努力」はオワコン、代わりに「やり抜く技術」を学ぶ社会に(その7)/諦める力 の続きです。

     答えがあるかないかわからない課題に取り組む力「やり抜く力」。それは、どんな逆境でも諦めないくそド根性なんかとは全然違います。それはいろんな力が組み合わさった総合力であり、だから簡単ではありません。

     今回は「解けそうな問題を選ぶ力」「諦める力」に続き3つ目です。

     やり抜く力その3/スモールステップ法

     「やり抜く力」その3は、皆さんもよくご存知の「スモールステップ法」です。今までの身につけるのが難しい力と違い、これはテクニックです。実現可能な小さなステップに分解して取り組むやり方で、ネットのライフハック系サイトでも人気コンテンツの一つではないでしょうか。

     大きなことをやり遂げるためにこの「スモールステップ法」は必須です。

     先週のオバマ大統領の広島訪問。彼は、核廃絶についてこう語りました。
    私が生きている間にこの目的は達成できないかもしれません。
     自分が生きている間に核廃絶はできないかもしれないけど、しかし彼は彼ができる「スモールステップ」として、現役アメリカ大統領として初の広島訪問を実現したのです。

     いやもうこれは今後「スモールステップ法」で必ず取り上げられる歴史的なステップになることでしょう。

     生きてる間に結果は見られないかもしれなくても、それを信じて「小さな」ステップを踏み出す。「小さな」といっても、現役アメリカ大統領にとっては極めて大きなステップです。直前までやるかやらないか相当もめていたようです。

     核廃絶の点からは、「小さな」ステップでも、現役アメリカ大統領にとっては「大きな」ステップ。それをあえて踏み出す勇気は、「スモールステップ法」の金字塔としてこれから長く伝えられることでしょう。

     では、「スモールステップ法」は実際どのように「やり抜く力」になっていくのでしょうか。

     子供が夢を実現する

     子供が将来「宇宙飛行士になりたい」と思ったら、どうすればいいでしょうか。いきなりなることはできませんから、それに向かうための何か目標を作る必要があります。「勉強をがんばる」ということもあるでしょう。夢を持つということは、そのまま小さな目標を作ることにつながります。

     その1では、「解けそうな問題を選ぶ力」を取り上げましたが、子供が「宇宙飛行士になりたい」と夢を持ったとしても、現実的な実現可能性はほぼ0でしょう。ではそんな夢は持つべきではないのでしょうか。そんなことはありません。宇宙飛行士になることを目標に勉強して身につけた力は、人生で無駄になることはないのです。

     オバマ大統領の例と同じく、「宇宙飛行士になりたい」という夢からすれば、外から見て「勉強をがんばる」というのはスモールステップにすぎません。しかし、オバマ大統領にとっては大きなステップだってように、当の本人からすれば後で人生を変えるステップかもしれません。今まで勉強なんてしなかったのに、突然目が覚めるみたいな。
     
     三日坊主がなくなる

     子供は好奇心旺盛ですから、いろんなことに手を出しますが、その分飽きるのも早いです。でもそれはいろんな経験をするために必要な仕組みですし、「やり抜く力」その2の「諦める力」に直結する重要な力です。

     しかし、何事も始めたのにすぐ飽きた「飽きっぽい子」というレッテルを貼られては、その大切な「諦める力」になる「飽きる力」を封印してしまうかもしれません。

     ですが、スモールステップとして、なにかを始めてみて、なにか結果と言えるものができたとしたら、仮にそこで終わっても「飽きた」になりません。世の中の科学系の体験イベントがおおはやりですが、それが理由です。参加して、そこでの課題をこなせば結果が出ます。例え科学的な体験がその日だけで終わっても、その子は「飽きて終わった」ことにはなりません。

     したがって、子供が何か興味を持った時、大人の役割は非常に重要です。子供が興味を持ったら、なにかチャンスを与えるけど、それはどんなに小さくても結果が出るような形で与えるのです。

     そうすれば「三日坊主」がなくなります。子供は何かに挑戦し、なにか結果が出た状態になります。そこで一旦何もしなくなったとしても、それはただ次のチャンスが訪れるのを待っているだけで、「根気がなくて続かなかった」わけではありません。

     ここは大いに大人、つまり親や学校の腕の見せ所です。子供たちがやりたいといったときに、いきなり長く続けなければいけない課題を与えるのは愚かです。スモールステップを与えましょう。逆に何も与えないのもせっかくのチャンスの喪失です。「宇宙に行きたい!」と言われてもできませんが、プラネタリウムに行くとか、図書館から宇宙の本を借りてくるとか、なにかひねり出したいところです。

    (つづく)

    《ワンポイントミライ》(

    ミライ: スモールステップで「三日坊主」がなくなる。親としては工夫のしがいのある話ですけど、そもそも「三日坊主」でいいんじゃないですか?

    フツクロウ: ホッホ、いいとこついてくるの。
     
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