[S]溜まってたので三日連続の、気楽に書き始める記事[S]です。
起業家にベーシック・インカム 岩手県遠野市が実験導入 - ITmedia ビジネスオンライン
こないだ岩手の超人スポーツ・アイデアソンに参加しました。
私はスポーツトラッキングで関わっているエクスビジョン社が Kickstarter の出荷を始めたモーションキャプチャー ZKOO。 その紹介をしたのです。
おかげで、「未来の普通の運動会」の犬飼さんと知り合えたし、ここで当初なんども取り上げた「ニコニコ学会β」の江渡さんにもお会いできたし、しかもわんこそばでは完全敗北したし・・。
と、思い出深い岩手なのですが、最近ベーシックインカムの話題で盛り上がっています。
選ばれた起業家には遠野市に住民票を移すことなどを条件に3年間のベーシック・インカム(月額約14万円の最低生活保障)を導入する。ということなのですが、
もう実はあらゆる意味でベーシック・インカムを誤解してます。
というか、それ普通の「奨学金」です。どっこも新しくありません。
まあでも、いいのです。地方はなりふり構ってられませんから、バズワードに乗ってこうやって拡散してもらえるならいいのです。実際、この記事読んで、「ベーシックインカムちゃうやんwww」って突っ込んだとはほとんどいないでしょう。
炎上するほど突っ込まれないなら、むしろ使ったもん勝ちです。実にうまくやったと言えるでしょう。
今は、そうやって、「ベーシックインカム」という言葉がどんどん認知度をあげる方がいいので、もうしっかり応援してしまいます。
どんどんやれ!
一応じゃあベーシックインカムってなんだよというと、大切なことは「無条件」です。日本に導入されたら、国民全員が受け取る。「起業家」とか言った時点で、ベーシックインカムでもなんでもありません。
そこにベーシックインカムが、理論的に大変注目されているのになかなか導入されない困難さがあります。小さく始めることができないのです。
たとえば遠野市だけがいきなりベーシックインカム始めちゃったら、周りからどんどん流入があるかもしれません。
この遠野市の例のように、条件付きで小さく始めればいいじゃんと思うかもしれませんが、条件をつけるということは、審査にコストがかかります。生活保護の審査に必要な人件費があれば、もっとたくさんの人を救えるのです。だったら審査なくして全員にしよう!というのが、ベーシックインカムの根幹なのです。
実際、こないだも子ども手当だかの申請書が届いて、手書きのを投函しているんですが、それを全部人間が読んで審査してるとか、普通に扶養控除で所得税減らせばいいじゃんって。
でも、ベーシックインカムを日本から始めることはありません。税金や社会保障費などの負担を合わせたものを国民負担率と言いますが、日本はそれが40%とかです。ベーシックインカムにするとそれが60%とかになるそうです。そんな急激な負担をいきなり受け入れられるわけがありません。
ですから、ベーシックインカムを導入するとしたら、もともと国民負担率が60%とかの高い国からになります。同じくらいの負担なら、ベーシックインカムでもいいかも?ってなりますよね? まずはそういう国でやってもらって、その成り行きを見て考える、というのが日本の現実的な路線になるのです。
でもほんとお金のために働かなくていい、誰かの役に立ちたいために働く世界、本当に訪れるのでしょうか。死ぬまでに見てみたいです。
《ワンポイントミライ》(?)
ミライ: ベーシックインカム、最近バズってますね〜。
フツクロウ: 日本は議論するような段階ではまったくないんじゃが、それでもこれだけ注目されるというのは人々の関心の高さを表しておるんじゃろうの。
ミライ: できたらいいですもんね。
フツクロウ: 人がお金のために働かなくていい社会じゃからの。