最近「学芸員はがん」という問題発言があり、撤回されたようですね。その真意や顛末はほとんどチェックしてません。
先日ニュースを見ていたら、関連団体の偉い人らしき人が「学芸員は保存と活用のはざまで苦しんでいる」と理解を求めてました。
が、それにはちょっと思うことはありました。
たまに美術館とか行きますけど、今は活用があまりできてなくて、まだまだ「保存との狭間」とかいうレベルじゃないと思います。
美術館の方も今のままじゃだめだっていうのはわかっていて、様々な工夫をしています。
本屋みたいにポップつけたりとか。
子供向けパネルは増えてます。あれいいですね。ぶっちゃけ、大人の私もそれくらいがちょうどいいですw
今から1時間は子供歓迎、わいわいがやがや話していいです、ってとこもありました。興味深かったです。もっとわいがやするのかと思いつつ、はっきり言って、普段もこれくらいでいいじゃんくらいにしかわいがやしてませんでした。わいがやしていい映画上映で誰もわいがやしなかったってエピソードこないだ見ましたけど、それに似たところがあります。
が。
そういう取り組み見ていても、道の駅で地元の生産者たちが素人なりに工夫している姿に重なっちゃいます。学芸員さんは高度な資格にもかかわらず、展示手法についてはまだ素人にしか感じられません。
学芸員資格には、活用や展示の科目あるのでしょうか? 最近はあるのかもしれなくて、みんな今必死に勉強しているのかもしれませんが、少なくとも今の平均は素人レベルだと思います。「保存と活用のはざま」なんてちゃんちゃらおかしいレベルです。
しかし、きっと今美術館の展示能力は、ものすごい伸び始めてるんだと思います。
だって手応えが得られるようになりましたから。SNSで。
今、尾道で猫の美術展やってて、外から観れる彫刻は、本物の猫さんが見に来るというので話題になってました。私もそれ見て見に行きました。「これが猫さんが見に来る彫刻か〜」と見れて嬉しかったです。近くてラッキ〜。
美術館の中の人もその反応見てましたし、手応え感じたと思います。
昔はなにやってもうまくいってるのかどうかわかりにくかったと思います。
去年の文化の日だったか、福山の美術館がタダになった日があっていくつかはしごしました。一番混んでたのはその当時目玉のミケランジェロかなんかだったと思うのですが、それが一番つまんなかったです。
フィードバックがそれしかなかったら、結局どんな工夫よりも有名どころ持ってくることだけが努力すべきことになってしまいます。それでは、いつまでたっても展示はよくなりません。
でも時代は変わりました。工夫してそれがうまくいけば、だれかがつぶやいてくれる時代です。工夫のしがいがあります。
そして、あっという間に活用のプロになっていくのでしょう。その技術は体系化され、学芸員全員がそのエキスパートになることでしょう。
すると、その活用技術を地域の人が真似できるようになります。地域の人が美術館を訪れ、道の駅で美術館のコンテンツ展示技術を見よう見まねで真似して、自分たちの地域のコンテンツを展示してお客さんを惹きつけるようになるのです。そうしたら、地域経済は活性化します。
なんと、これからは、学芸員は地域の経済活性のキーパーソンなのです! 単に美術館に来る人が増えてお金が地域に落ちてなんて話ではないのです。地元の人が、地域の経済活性のために、様々なコンテンツの展示そして保存のアドバイスを学芸員に求めるようになるのです。
ちょっと意外な未来の普通ではないでしょうか。
《ワンポイントミライ》(?)
ミライ: 清洲城の展示が面白かったですね。
フツクロウ: ホウ?
ミライ: あそこは模擬天守で、しかも元の場所に建ってなくて、なので天守に登って望遠鏡を覗くと、こんな風に建ってましたと景色に重ねて天守を見れる開き直りっぷりなのです。
フツクロウ: ホッホ。