• このエントリーをはてなブックマークに追加
なぜ貧しい人が独裁者を好むのか
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

なぜ貧しい人が独裁者を好むのか

2017-09-04 23:45

     貧しいほど独裁求める?英研究チームが発表 世界で調査(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース  
     69カ国の13万8千人を調べた。失業率が高い地域の人ほど、「議会や選挙を気にしなくてもいい強い指導者」を好んだ。
     感覚的に納得できそうな内容ですけど、これは普遍的な真理でしょうか? だとしたら、格差は本質的に減らないことになりかねません。

     だって独裁的な指導者は、口では威勢のいい耳障りのいいこと言っていればいいですけど、実際は格差解消に取り組まない方が自分の地位が安定します。これじゃいつまで経っても格差はなくなりません。

     だとするとなかなか悲しいことではありますが、現状だけを見るならば、民主的な政治が抱える問題が大きすぎるためであり、これを緩和すれば、貧しい人の独裁を求める声も弱くなり、独裁者も格差解消に取り組まなければいけないかもしれません。

     民主的な政治が抱える問題とは、建前に縛られ過ぎているということです。

     ポリティカルコレクトネス、いわゆるポリコレがいい例ではないでしょうか。行き過ぎたポリコレは息が詰まります。アメリカで白人しかいないような地方に住んでいる人にしてみれば、世界が違い過ぎます。

     自由貿易主義もそうです。行き過ぎた自由貿易は地域経済を痛めつけます。地産地消と盛んに言われますが、それは言葉を変えいるだけで保護主義です。保護主義がいいというのではなく、要はバランスです。でも民主主義を理論的に支えるインテリたちは、まだまだ自由貿易を進めようとします。

     インテリたちの住む世界はグローバルであり、多民族が行き交い、世界の自由貿易の利益を直接享受できる世界ですから、ポリコレも自由貿易も重要です。でもインテリは全人口のごく一部であり、インテリの主張は社会の多数派の利益を代表していないのです。そもそも行き過ぎたグローバリズムが国民多数の生活を傷つけます。

     民主的な政治を目指す政治家は、インテリの正論ではあるけど実は極端な主張とは一定の距離を置く勇気が必要です。インテリの正論に対抗できる理論を作れる人はいません。インテリではありませんから。だからといって、その正論が正しいわけではないのです。インテリは結局自分たちの理解できる範囲で世界を理解してその上に理論を作っているのですから。

     選挙戦などで無数の有権者と握手している政治家は、かれら有権者の声を直接聞いています。その無数の声の集合知と、インテリの理論とのバランスを取って政策運営していることを、積極的に有権者に届けること。それが政治の独走を許さない決め手になるのではないでしょうか。


    《ワンポイントミライ》(

    ミライ: 難しい話ですね……。

    フツクロウ: ホッホッホ。

    ミライ: インテリの話は1年くらい前シリーズで取り上げましたし、

     嫌われるインテリがこれから生きていく方法(その1)  

    それからもポツポツ取り上げています。

     【馬車目線】共感が狭すぎるインテリ  
     
    この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
    ニコニコポイントで購入

    続きを読みたい方は、ニコニコポイントで記事を購入できます。

    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。