興味深い対談を読みました。
「人間はどんな悪者にもなれる」脳科学者・中野信子が説く、“わかりやすさ”だけで判断する恐ろしさ
何話にも分割されたその全体がとても面白いのですが、この回の中の次の点が特に目にとまりました。「人間はどんな悪者にもなれる」とは直接関係ないのですが。
2極化が進んでいくネット社会ネットだろうがマスメディアだろうがもう極端な意見しか見ることができません。そういうのしか流れていきませんから。
友光 結局、ネット社会になりました。個人が情報を出せるようになりました。情報の総量が増えました。それによって世の中の寛容と不寛容、いいこと悪いこと、イエス、ノーの2極化ではなくて、間が増えるかなと思ったのですが。より極端と極端が増えることになっていき、間のところの中間層は極端なポリシーがないのでそれまで以上に言う必要もないし言わなくなりました。
強いポリシーがある人のほうが発言をするに決まっているので、情報量の増加によってグラデーションや幅が広がったということは起きず、2極化が進んでいるだけなのだなということは感じています。
しかしたとえば世の中、背の高い人と低い人だけでできているでしょうか。いいえ、世の中の大半は背の高さが普通の人です。わずかに高い人と低い人がいるだけです。
背の高さだと何を当たり前のことをと思うかもしれませんが、他のことでは当たり前のように二極化が起こります。ここでよく取り上げるのは、コミュニケーション技術。
ミラフツ流コミュニケーション講座
でも触れましたが、世の中の大半の人はコミュ力が普通の人。「あの人コミュ力高い」とか「低い」とかはほとんどの場合普通の中でちょっと高いか低いかの話。なのに絶対的に高いか低いかの話になりがちです。
学習障害の話などにしても、学習障害があると診断されないけど少し問題がある子は、学習障害がある子よりはるかにたくさんいるはずです。普通に考えて。つまり、学習障害の子だけでなく、それよりはるかにたくさんいるその手前の子たちの学力をどう伸ばしていくかも、極めて大きな課題なのです。
ネットやマスメディアには、わかりやすい極端な意見ばかりが目立ちますが、現実の問題を考えるときには、「普通」を考えなければ正解にはたどり着きません。
たとえばニュースでは大企業の話題ばかりが目立ちますが、大企業なんて日本のごく一部の話です。日本の大部分はそれ以外の中小企業で構成されているのです。
そういった切り口を持てば、自然とネットやマスメディアからも、「良心的に」普通を扱った情報を見つけて吸収することもできます。
「普通」を見つける技術。それはまさに「普通」であるあなた自身を助けることになるでしょう。
《ワンポイントミライ》(?)
ミライ: ネットの有名人さんたちも、極端なことばっかり言ってるように見えますね。
フツクロウ: そういうのだけが流れていくからの。
ミライ: だから自然にそういう発言が多くなります。