なんの勝算もなんの準備もしないで、いきなり始めてみます。

 前回の

 [S]台形の面積かリボの仕組みか  

では、社会でまったく使わない知識なんか教えないで、リボの仕組みとか実践的なの教えてよというちきりんさんのお話を紹介しました。ある意味もっともな気がするのですが、残念ながら前提に「必要だったら自分で学ぶ能力」を持っていることになっています。その能力こそみんな持ちたくても持てなくて困っているものです。

 この問題はいわゆる「できる人にはできない人の気持ちが分からない問題」です。ちきりんさんは理数系は苦手だけど、超級の「考える力」を持っている人なので、そこのところをさっと通り過ぎています。

 そこが知りたいのですが。

 その話を続けるには、そこに切り込まないといけません。

 ふーむ。

 あ、ここにいい被験者がいるではないですか。

 私は世界史取ってましたが、とても苦手です。お話自体はとても好きで、授業も熱心に受けてましたが、成績はよくなかったですし、今まったく覚えていません。胸を張ってできない人の代表と宣言できます。一方で受験では数学はかなり得意でした。公式は自分で導き出せるので、必死に覚えなくていいじゃんみたいなタイプです。さて、そんな数学という科目は得意だった人が、世界史という科目が苦手な人を教えられるのか、面白そうではないですか。

 ということで、そういえばとそんなときのために便利なキャラがいたことに、3行くらい上を書いている時に気付いたので、ここからはバトンタッチです。

ミライ: という、ムチャブリどころではないボールが飛んできました、フツクロウ「先生」!

フツクロウ: ホ?

ミライ: 私、世界史が知りたいです、教えてください! フツクロウ先生!

フツクロウ: ホ? 人間の歴史なんぞ興味ないから全然知らんぞ。

ミライ: 知らなくても教えてください。世界史が分からない人が、考える力だけで分かるのかというお題のようです。

フツクロウ: フォフォフォフォフォ。無茶ブリというか、無謀ブリじゃの。

ミライ: ですねぇ。でも、進むのです! どうしましょう。

フツクロウ: ふーむ。とりあえずロングテール理論を引っ張り出すか。

ミライ: ロングテール理論!? 関係あるんですか?

フツクロウ: やってみんと分からんが、世界史はスケールが壮大じゃからの。全体像だけ把握しようとしても雲を掴むような話じゃし、細かいエピソードだけおもしろがっても、世界史全体は把握できん。