閉じる
閉じる
×
地方と都会で温度差がある話に少子化があります。地方で話していると「少子化問題は都会の話だよねえ」という会話が良く聞かれます。各地方の人々は、自分とこの出生率を都会と比べるとたいてい大きいので、まだそんなに深刻に考えません。たとえば私の福山市とか 1.71 とかです。それでも、2.08とかいう数字には全然足らないので問題がないわけではないのですが。
と普通地方ではそう思うと感じますが、さて実際はどうなのか、「平成20~24年 人口動態保健所・市区町村別統計第2表の合計特殊出生率」をマップにしてみました。クリックすると拡大します。
これずっと前から紹介したくて溜まらなかった、 geofuse というサイトを使って作成しています。ここで、手元で作ったデータをコピペして作成するとこういう地図ができてしまうというすごいやつです。
作ったマップは誰でも見られます。このデータではデフォルトの色分けは面白くないので、右の方のパラメータの分類方法を「等量」にして「作図」をクリックすると上の図と同じのになると思います。
見れば分かりますが、黄色いつまり出生率の低いところは大都市圏に多く、地方は赤くつまり出生率が高くなっています。あと、南に行くほど高いという傾向もあるようです。
こんな風にマップにするといろんな傾向が一目瞭然。ぜひこのサービスを利用していろんなマップを作ってほしいと思うのですが、これ作り方を知らないとそんなに簡単ではありません。なので、ノウハウ全てお見せします!
その前に、マップで所々色が塗られていないところがあります。これは geofuse が少し前の市区町村名に対応しているからで、ぜひ新しいのに対応してほしいのですが、対応の仕方もお見せします(全部はしてないのですが)。
geofuse は次のようなデータが必要になります。
一方、「平成20~24年 人口動態保健所・市区町村別統計第2表の合計特殊出生率」というエクセルデータはこんな感じです。city,出生率北海道札幌市中央区,0.9北海道札幌市北区,1.06北海道札幌市東区,1.18北海道札幌市白石区,1.2北海道札幌市豊平区,1.09北海道札幌市南区,1.08
...
各行には県名は入ってませんし、実は「01101 中央区」が一つのセルに入っているという凶悪さ。01北海道 1.2510 札幌市保健所 1.08札幌市 1.0801101 中央区 0.901102 北区 1.0601103 東区 1.1801104 白石区 1.201105 豊平区 1.0901106 南区 1.0801107 西区 1.1401108 厚別区 1.03
そこで、たとえば、平成22年国勢調査の都道府県・市区町村別主要統計表の県名欄などを使って、geofuse 用の市区町村名を作り、地域コードを使って出生率と結びつけて、geofuse 用のデータを作りました。具体的な方法は
出生率.xlsx
にその作業エクセル置いておきますので、各セルを覗いてみてください(あまり人が見ることを考えずに作ってあるので解析が大変だと思いますが)。手作業で福岡県糸島市は旧町名に変換してマップで塗られるようにしてあります。
これだと旧町名に対応できてませんが、同じく平成22年国勢調査の第1表を使えば、少し大変ですができそうです。
地方の話をしようとすると、良く市区町村データが関係してきます。マップにできると強いので是非挑戦してみてください。
なお、同じグラフで、平成10年〜14年のデータを用いたものは、ネットで簡単に見つかります。どこを引用すればいいのかよく分からないので割愛しますが。
さて、このマップを作ってるうち、最近の炎上案件を思い出しました。日経新聞が人口密度と出生率についてトンデモナイ解析をしたというものです。
悪いことは言わない。この分析をした人、私が良い事(分析の基本)を教えてあげるので、大人しく出て来て下さい。いや、ほんとお願いです(哀)→ 出典 2014年10月29日日経新聞朝刊総合1「地方創生「東京集中是正論」の裏側これについては、横軸を対数に取る方が自然で傾きが下がるということが示されていますが、データのばらつきが大きく、いずれにせよ近似線に意味はほとんどありません。
pic.twitter.com/yXUuybF787 ― Kotosaka (琴坂将広) (@kotosaka) 2014, 10月 29
でも、そもそもなんで欧州のデータなど使うのでしょう。さっき作ったエクセルのデータを使うと日本のデータで同様のグラフを作ることができます。それがこれ。全国1700くらいの市区町村の人口密度と出生率をグラフにしたものです。
1700くらい点があると迫力ありますね。これもかなりデータにばらつきがありますから、これで、人口密度高い方が出生率が高いと強弁するのは無理がありますが、穏やかな傾向は見られます。しかも、上のマップで見たように、
この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。