ミライ: フツクロウさん。今年もそろそろ終わりですねぇ。
フツクロウ: ホウじゃのう。
ミライ: ところで、このあいだここで人工知能が経済活動する話があったじゃないですか。
フツクロウ: あったの。
ミライ: その中でさらっと人工知能が経済活動に参加するとGDPに貢献するみたいなこと書いてあったんですが、なんでかな〜と不思議なんですよ。
フツクロウ: ホウホウ。
ミライ: ということで、わかりやすく教えてください!
フツクロウ: ホッホ。単刀直入じゃの。よかろう。冬休み特別企画、「世界一分かりやすい経済活動の話」でもするかの。
ミライ: やった~、ありがとうございます。
基本的なモノとお金の動き
フツクロウ: では、まずもっとも簡単なモノとお金の動きを見てみよう。
この図のように川の近くに太郎くんが、リンゴの木の近くに花子さんが、行商屋に雇われてその間を行き来するおじさんがおるとする。
ミライ: 「行商屋に雇われて」? 唐突ですね。
フツクロウ: 説明の都合でな。このおじさんは給料をもらう役なんじゃ。
ミライ: へぇ。
ところで、イラストかわいいですね。
フツクロウ: ホッホッホッ。イラストの素材は、イラストACのを使わせていただいた。感謝じゃの。
さてこの世界の人は、毎日水1杯とりんご1つ必要としているとする。今からみんなにそれを行き渡らせるぞ。
ミライ: ふむふむ。
フツクロウ: まず、太郎くんは川で水を3杯汲む。
そこにおじさんがやってくる。おじさんは、仕入れ用にコインを4枚持っておる。
そして、太郎くんの水2杯をコイン2枚で仕入れる。1杯あたり1枚じゃな。
ミライ: はい。
フツクロウ: 次におじさんは花子さんのところに行く。花子さんはリンゴを3個もいでおる。おじさんはそのリンゴを2個、コイン2枚で仕入れる。1個あたり1枚じゃ。
そして、花子さんはその日必要な水を1杯買う。このとき、おじさんは水1杯をコイン2枚で売る。花子さんはこれで1日に必要な水とリンゴが確保できた。
ミライ: 水を倍の値段で売ったんですね。
フツクロウ: ホウじゃ。そしておじさんは太郎くんのところに戻る。太郎くんは、その日必要なリンゴ1個をコイン2枚で買う。また倍の値段で売るんじゃ。
ミライ: はい。
フツクロウ: これで太郎くんも、必要な水とリンゴを手に入れた。最後はおじさんじゃ。おじさんは、行商屋から給料としてコインを4枚もらう。
そのコイン4枚で、水1杯とリンゴ1個を買う。これでおじさんもその日必要な水とリンゴを手に入れたことになる。行商屋の儲けはここでは考えないこととしよう。
最後にコインが4枚残る。これはまた明日の仕入れに使われるのじゃ。これで、三人が1日働くことで、全員が必要なものを手に入れた。
ミライ: そうですね。お金がぐるぐる回ったら、モノが行き渡りましたね。
フツクロウ: その通りじゃ。これがモノとお金がぐるぐる回っているときの基本形じゃ。
高く売れると雇用が増える
フツクロウ: さて、最初の例では、モノが仕入れ値の2倍で売れることで全部で3人が生活できた。もし、3倍で売れるとしたらどうなるか見てみよう。
ミライ: はい!
フツクロウ: 今度は、おじさんは二人に増える。水を扱う水おじさんと、リンゴを扱うリンゴおじさんで、それぞれ仕入れ用に6枚コインを持っている。太郎くんと花子さんはそれぞれ4杯、4個を準備する。