マクドナルド、イオンがハマった落とし穴 「ボリュームゾーン不況」とは何か?
いま経営者たちは新しい問題に頭を抱える。たとえヒット商品を生み出しても、その寿命が極端に短期化しているため、従来のビジネスモデルがまったく通用しなくなってきている。経営者の悩みとして、ヒット商品の寿命が短くなっていることが悩みのタネだそうです。そのため、
商品のライフサイクルの短さは、「電気製品であればもって一年、食品などはせいぜい数ヵ月でヒット商品の寿命が終わってしまうほど」(企業のマーケティング事情に詳しいコア・コンセプト研究所代表の大西宏氏)。しかもそうしたブームの超短期化が、最も需要が豊富なマス市場、つまりはボリュームゾーンで巻き起こっているから、ただ事ではない。
そうした変化に合わせるようにあれもこれもやらなければいけないし、消費者の目は以前よりずっと肥えているからまったく手も抜けない。だから、開発コストはかさんでいく。と言うのですが。
どうせ開発コストかかるんだったら、発想を変えたほうがいいのではないでしょうか。
どうしてヒット商品の寿命が短くなっているのか。それは、
ゆく年来た未来2014 誰も信じない真実(その11)
も紹介したように、
社会は大正時代に作られた価値観に縛られている
からです。
大正時代にアメリカの大衆車から始まった広告を使った無理やり需要を喚起する手法。大企業はそれからずっと、本来人々に必要ないものを無理やり売ってきたのです。
しかし、そういったむりくり需要は長続きはしません。先日 gumi の業績下方修正が話題になっていましたが、背景にはテレビCMを使ってユーザーを大量に増やす「錬金術」の効果が切れたことがあると聞いています。
大企業は製品を開発する研究員を抱えているため、常に商品を開発し続けなければなりませんでした。そのため、飲料など季節ごとなど定期的に新製品を投入するなどしてきました。もちろん、それを得るには大量の広告が必要でした。
最近はSNSなどによる口コミという広がり方も増えたため、広告で点火したブームが口コミで一気に広がると加速が見られるようになりました。せっかく発売したのに売れすぎで数日で販売休止なんて話題も定期的に見られるようになりました。でもそんな商品も何年も何十年も売れるというわけではありません。
いいもの作っても売れすぎて休止とか、行き過ぎです。こんな悲しいことはありません。でも手を抜けば売れるわけもないでしょう。
だから、大企業は、このモデルから離れなければなりません。
いくら大企業だからといって、マーケットサイズを重視して、全国一斉に大量の広告とともに売り出すみたいなやり方をやめるのです。かつてはそれが効率良かったのですが、「開発コストはかさんでいく」と書かれているように、その手法ももはや必ず効率が良いわけではないのです。どうせ開発コストがかさむのなら、いろんなやり方があるでしょう?
たとえば Apple は、いまだに高価なスマホ、つまり iPhone を出しています。全員を相手にしていません。ブランドを作り、この価格で買う人だけを相手にしています。
食品なら、たとえばある地域から出せばいいのではないでしょうか。