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ずっしりと重いツイートを見かけました。
「言われなかったことはやってはいけない」という考え方は、若い人には普通なことです。別に私が言われたわけじゃないんだけど、世間の老害上司がよく言う「言われたことだけやってれば良いと思ってるのか?」には思想のすれ違いがあるんだよね。若い人たちは、「言われなかったことはやらなくて良い」と思ってるのではなくて、「言われなかったことはやってはいけない」と思ってるんだよ。
― 権太夫(┳д┳) (@gondayu) 2015, 5月 7
でも、大人にしてみたら「言われたことしかやらない」のは社会人とは呼べません。
このギャップはどこから来るのか。
これは私たち社会が乗り越えなくてはいけない大きな問題です。こんなことになっているのは、大人のせいでも、子供のせいでもありません。有り体に言うと少子化のせいです。
大人たちはいつの時代も子供たちに向かっていつも「いらんことするな」の大合唱です。子供は「いらんこと」の基準がまだわかりませんから、「いらんことするな」は「言われたこと以外はするな」という意味です。余分に勉強することすら「いらんこと」だと思います。そんな馬鹿なと思うかもしれませんが、たとえば国語と算数の宿題が出ていたとして、まず国語から始め、でも興に乗って余分にやり始めたとします。このとき少なくない親が「いらんことせんと算数やり」と言ってしまいます。その背後には時間の問題があったりするのですが、子供にしてみれば、毎日、勉強ですら「言われたこと以外はするな」と言われて育っているのです。
それは今の大人が悪いわけではありません。昔から大人なんてそんなもんです。でも、昔は子沢山だったせいもあってか、子供たちはほったらかしでした。今私の長男は小5ですが、私が小5の頃はもう大人と過ごす時間なんてほとんどありませんでした。大人といるときは「いらんこと」したら怒られるけど、それ以外の時間は「いらんこと」だらけで、大人になっても「いらんこと」をし続けます。
しかし、今の子供は大半の時間を大人の目の届くところにいる場所にいることも少なくありません。常に「いらんこと」をしない生活を続け、そのまま大人になることだってあるのです。
しかも今社会は見た目安定しています。基本的に大人の作った社会の仕組みに乗っかることが幸せへの近道と考えられます。つまり「いらんこと」をする時間があったら、大人の勧める習い事に行く方が幸せになれることになっています。実際にはストレスはあるでしょうが、子供たちは「『いらんこと』をしない生活」に自分たちを最適化していき、それはそれで幸せに暮らしているのです。
そうやって幸せに生きてきたのに、社会に出たら、「言われたことだけやってれば良いと思ってるのか?」と言われるですから、世の中理不尽です。大人に言われた通りのことやってきたのに……。
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