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[S]10代と議論していると分かるやケツまくって逃げないといけない訳
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[S]10代と議論していると分かるやケツまくって逃げないといけない訳

2015-06-17 23:30

     いつもとちょっと違う水曜、今回は気楽に書き始める記事[S]です。

     ちょっと前の話題なんですが、こんな騒動がありました。 

     【悲報】総理補佐官の礒崎陽輔 (@isozaki_yousuke)が、ツイッターで喧嘩をふっかけるも論破され、相手が10代女子とわかるとブロックして逃走←バカ - Togetterまとめ  

     総理補佐官の礒崎陽輔さんが、集団的自衛権を火事にたとえて説明したところ、ある一般人から、「火事に例える例えが悪い」、「集団的自衛権と個別的自衛権の違いがわかっていない」、「どの国も日本を守るために戦争などしていない」と指摘されるも、答えに窮するうちに、その相手が10代の女性とわかったら、ブロックして議論をやめたという顛末です。

     選挙権が18歳に引き下げられることになりましたし、政治における若い人の存在感は今後ますます高くなっていくでしょうから、このような騒動はこれからよくある風景なのかなあとも思いますが、これは政治家にとってなかなか対応がやっかいな問題であり、これからどんな騒動がおきるか目が離せそうもありません。

     去年の11月にもひと騒動ありました。

     大人達、#どうして解散? にどんだけうろたえてるん  

     小学生を騙ったサイトを20際の学生が作ったもので、この時はやった本人がフルボッコされて、社会の人たちはほっとしましたが、もしもこの小学生はキャラですとわかるようになっていたら、あるいはやったのが19歳だったらどうなっていたのかかなり興味深い事例でした。

     そして今回はまさに未成年による直球議論だったのです。

     いったん社会に組み込まれた社会人たちは、議論をするとき、純粋に議論はできなくなります。お互い立場があるからです。交渉についても、なにか合意をしようとするには、お互い何かを諦めなくてはならず、純粋に議論をしているように見えて、互いになにを諦めるんだという腹の探り合いになります。

     しかし、議論の相手が、交渉の相手が若者になると状況は変わります。若者は失うものがないからです。

     かつてアメリカの女子大学生が立ち上げた Teach For America (参考:東大院生 町議トップ当選 )という教育プログラムがあります。これも、最初の企業の協力を得てからは、どんどん協力を得ていきます。企業同士でこのようなプログラムを立ち上げようとすると、お互いどんな見返りがあるのか、そのためにいくら出す気があるのかと腹の探り合いになってしまいますが、大学生が正論でぶつかってきては、拒むことは困難です。

     かつて、いつわりとはいえ小学生が「どうして解散するの?」とイノセントな正論をぶつけてきたことが大きなインパクトがあったように、今回ももし本当に小学生が「どうして集団的自衛権なの?」とイノセントな正論を掲げるサイトを立ち上げたら、大きなインパクトとなることでしょう。

     今回それにかなり近いことが起こりました。前回は偽の小学生でしたが、今回は言葉の乱暴な若者という落とし穴があったのです。礒崎陽輔さんにしてみれば、若者からいきなり乱暴な言葉で話しかけられましたから、どうなっても自分が不利になるようなことにはならないと思っていたことでしょう。未成年の可能性も考えていたと思いますが、それならなおさら議論して負けるとも思っていなかったことでしょう。

     しかし、相手は予想外に鋭い指摘をしてきます。「日本を守る戦争が一体どこでいつ起きたの?起きるの?」という、その後国会で似たような質問が出てくることになる論点も出ています。

     まあ、それでも仮に20歳以上であれば、言葉の悪さなどを指摘して、無理やりドローに持ち込むことができたかもしれませんが、未成年となると万事休す。外野の反応もありますから、どうやっても自分の有利に進むことはないでしょう。恥をかこうがブロックして強制幕引きが最善の対応で、その点は見事だったと思います。プライドを捨て切れなかったら、相手の口の悪さとか他の点責めて、ポイント取り返そうとするとおもうのです。さすが国会議員、百戦錬磨。

     ということで、いくら未成年だろうが、きちんと鋭い議論をできる人はいくらでもいるわけで、でも昔は国会議員とそういう人が生々しく議論できることは難しかったのですが、いまやいつでも起こりうる時代になりました。

     ですから、これから政治家は本音と建前でしのぎきることは難しくなっていくと思います。

     
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