仮想通貨ビットコインの元になっている技術「ブロックチェーン」。なんか海外でばかり盛り上がってて、日本遅れている!と心配されていましたが、どうしてどうして。日本のベンチャーが頑張っているようです。

 金融インフラをブロックチェーンで代替してコストを10分の1に、日本から「mijin」が登場  |  TechCrunch Japan  

 10分の1!と銘打ってるように、この技術は将来誰でも使えるようになっていくでしょう。

 それはものすごいインパクトです。

 今のところ、新しい通貨ができるとか(たくさんのローカル通貨を使いこなす未来の普通 )、未公開株の取引をできるようになるとか、イマイチ身近じゃない感じだったかもしれませんが、この技術が一般化すると、

 情報を所有することができるようになります。

 モノの世界では持たない暮らしとか、シェアリングとか、所有しないことが大流行ですが、なんと情報の世界では「ポゼシング (possessing)」が大流行することになります。

 たとえば、ビットコインは10000円という情報を所有しているわけです。

 ですから、たとえばスマホゲームの世界が根本から変わります。スマホゲームで必死にガチャやってレアカード引いたところで、所詮電子データとよく言われます。ある日そのゲーム会社がそのサービスをやめてしまったら、そのカードはどこか電子の海に消えていきます。

 しかし、ブロックチェーン技術を使えば、そのカードを「所有」できるようになるのです。「マジック・ザ・ギャザリング」のようなカードゲームを考えるといいのではないでしょうか。今は物理的に実体のあるカードを所有することでデッキを組みますが、それをスマホの上でできるようになるのです。今スマホアプリで同じようなのを作っても、そのカードを所有していることにはなりません。

 でも、ブロックチェーン技術があれば、自分のスマホにそのカードを所有することができるようになります。しかも対戦するにしても、どこかのサーバにつなぐ必要がありません。互いの端末を端末にあるアプリを通して bluetooth とかでつないでやればいいだけです。どんなに「マジック・ザ・ギャザリング」がすたれようと、その電子データを保有していれば、おなじく保有している人と、いつまでもゲームを楽しむことができる基盤ができるのです。

 ですから、あるところで、スマホゲームは、この技術を基本にするようになります。

 所有できるということは大きな快感です。たとえば、パズドラのモンスターを所有できるようになったとしましょう。そうすると、パズドラのアプリの外で、別のことができるようになります。たとえば、ネットを介して、持ってるモンスターを見せっこするというアプリを作ることができます。「+297の究極カーリー持ってるぜ」みたいなの、今でもスクリーンショット取って相手に送って見せることもできますが、偽装だってできるわけですから、ネットを介しては、お互い本当かどうかなんてわかりません。

 でも、そのデータを所有することができるようになれば、パズドラのアプリの外で、お互い離れてても別のアプリでその見せっこができるようになるのです。それを使った別の対戦ゲームだって作れちゃいます。もしかしたら、そっちの方が本アプリより人気が出るかもしれません。別ゲームを作ったところから適切なライセンス料を取るようにすれば、共存共栄で、つまり今とはまったく違うゲームの世界が出来上がるのです。二つのゲームのカードを組み合わせて遊ぶゲームだってできちゃいます。

 これが情報を所有するというインパクトです。

 今物として存在する物がいろいろ電子化されていますが、それに再び所有の概念が付加されるということです。たとえば電子書籍。