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厨二の未来
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厨二の未来

2015-12-17 23:45

     昨夜唐突に思ったので変なこと言い出しますけど、

     厨二って、未来でどうなるんでしょう?

     厨二病って私の中の定義は、世の中より自分の内面の方が圧倒時に厨二になることです。

     40代の自分の世界だと、「ぼく地球」ですよ。厨二の金字塔「ぼく地球」はすごい厨二ですけど、大切なことは、私達一人ひとりがその厨二世界よりも(当社比)はるかに厨二な世界を自分の中に作り上げられたことが、「ぼく地球」の揺るぎない地位を作り上げたのです。

     自分は「紫苑」ではないけど、それより(当社比)もっとすごい過去を自分は持っていると妄想する力こそが厨二なのです。

     僕の左手がうずくと感じた後に広がる宇宙より広い世界観。(当社比)どんな作品でも描かれたことのない世界。それが厨二。

     散々「(当社比)」と入れてますけど、ほんとに古今東西オリジナリティがあるかなんてわかりません。まあないです。それでも自分の内面では、世界中で唯一の物語を身にまとっているのです。

     「ぼく地球」はピンとこないなら、自分は厨二年齢から外れてしまってますが、「デスノート」でしょうか。ノートに殺したい奴の名前書いたりするんでしょう? その時は、あの「デスノート」の世界よりも壮大な世界の中で、「奴」を殺すのです。

     そんな中、ニコ動の発達で、めいめいがそれぞれの厨二を思う存分発表できる時代が来てしまいました。

     こんなこと書き始めるきっかけになったさらにきっかけは、たまたまこれを知ったこと。

    【マッシュアップ】ヒビカセ × ECHO【Mashup】 


     やばすぎるでしょう。このマッシュアップ。原作超えちゃってますよね。

     といいつつ、実際にヘビロテから抜けなれなくなっているのは、原曲の方。
     特に、 Echo。

    【VOCALOID Original】ECHO【Gumi English】



     これって結局、不安定な思春期の心の揺れで、だけど、歌詞も大げさで、音も思いつめてて、それを生命的に中性な Gumi (生きてるわけでもなく生きてないわけでもないという中性)が歌って、よりリアリティが出て、youtube でちょうど500万再生超えたっていう、厨二の結晶なのです。念のため断っておきますが、褒め言葉です。ずっとヘビロテです。

     で、問題は、こういう最近の厨二曲の表現力が爆発的に強まっているのではないかということです。

     「デスノート」は厨二全開でありながら、メジャーな多くの人が楽しんだ作品です。でも、「デスノート」好きなひとがみんな厨二ではありません。大半の人は、「デスノート」の厨二世界をすごいねと評価し楽しむ人達です。

     でも厨二は違います。「デスノート」に触れることで、「デスノート」の世界より、(当社比)はるかに壮大な世界が発現します。つまり、(当社比)厨二の世界を作り上げる触媒として「デスノート」は不動の地位を築いたのです。

     とはいえ、「デスノート」は商業誌の作品。お金を儲けたいというモチベーションの上に構成されています。ですから、厨二たちとは、絶対超えられない距離を持っていて、ですから、厨二は自分の中に、自分の厨二を爆発させることができます。

     しかし、【VOCALOID Original】ECHO【Gumi English】は違います。まあお金になればいいなとは思っているかもしれませんが、主は自分の厨二をぶつけて爆発させる作品です。個人の感情がこんなに高いレベルの音と映像でぶつけられてしまう時代になったのです。

     今後はヘッドマウントディスプレイの発達で映像によるバーチャルリアリティが発展し、個人の感情を映像でも生々しく視聴者にぶつけることができるでしょう。

     こうやって、ある境界を超えて、個人の感情をそのまま取り入れられるようになったとき、なにが起こるのでしょうか。

     これからの青少年たちは厨二を外部化してしまうことにならないでしょうか。自分が発現すべき厨二よりもはるかに厨二なコンテンツが、その子との境界を尊重することなく、その子の内面に発現するのです。

     「デスノート」であれば、自分が完全な「キラ」に同化してしまうということです。もちろんまれにそういうことも起こりますが、普通は「キラ」のような「自分キラ」が発現して、つまりその時点で社会との折り合いをつけながら、あれこれしながら成長して、社会人として適応していきます。

     しかし、あまりにリアリティのある厨二に巻き込まれたらどうなってしまうのか。自分の厨二、それは、その時点で社会との折り合いの中で生まれた厨二を発現させられることなく、ある作家による強力な厨二に巻き取られてしまうということ。

     リアル、ハーメルンの笛吹きです。

     
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