ついに、個人が「自動」自動車を作りました。

 伝説的ハッカーが自動運転カーをわずか1カ月で自作、すでに公道走行済み - GIGAZINE 
 伝説的なハッカーとして知られるジョージ・ホッツ氏が、なんと1カ月で市販車を改造し、自動運転カーに仕立て上げました。世界中の自動車メーカーやIT企業がこぞって参戦している自動運転カーの開発競争に天才がたった一人で殴り込みをかけるとこうなるようです。 
 これ、個人が「自動」自動車作るって、ここミラフツで予言したはず! でも検索しても見つけられない。なぜ。絶対見つけて報告しようと思います。

 それにしてもすごい天才がいるもんです。しかも、制作費たったの240万円。

 感心するばかりではありますが、これとても大事なことがあります。それは、このホッツ氏は、この車が自分の生活圏でだけ動けばいいということです。それに雨や雪で動かなければ、ま、それはそれで構いません。

 一方トヨタなどの大企業ではそういうわけにはいきません。基本的にいつでも日本全国どこでも走るようにしないといけません。まあ、豪雨、豪雪など例外は設けるでしょうが、ホッツ氏のような気軽さで作るわけにはいきません。

 そこにイノベーションのジレンマが起こり、今後自動運転技術がどのように発展するのか、予断を許しません。

 今日のところは天才ハッカーだからこそ作れた自動運転車ですが、この事件の意味するところは、5年もすれば、誰でもその気になれば自動運転車が作れてしまうということです。そのときには 240万円もかからないでしょう。

 するとどうでしょう。たとえば、田舎で、運転が辛くなってきたおばあちゃんのために、孫が、家と病院の間だけ行き来できる自動運転装置を車に作り込める時代が来るということです。

 まあこういうことを考えるとすぐに法律の問題がとか考えてしまいますが、少なくともちょっとした危険回避システムくらいなら、ちょいっとつけてしまえて、車検のときだけ外すかあ、くらいは、今でもかなり現実的なシナリオです。

 車がないと生活が成り立たない地域での、高齢者運転は極めて重大な問題であり、そんな法律がどうだからとか言っている場合ではありません。ホッツ氏の記事を読んで、腕に自信のあるエンジニアたちは、よし俺もと腕まくりしていることでしょう。最初は自分の車かもしれませんが、その先には老いていく父母のことを考えているかもしれません。

 重要なことは、その車は自分たちの生活の範囲だけで動けばいいのです。たとえば、ある道に対応できなければ、その道は通らないことにすればいいだけです。適切な条件を設定すれば、数百万あれば、自動運転にできてしまう現実がやってきたのです。

 あるいは、地域のコミュニティーバスを作ってしまう人がいるかもしれません。こちらはなにしろ指定した道だけ走ればいいのですから、さらに条件は有利です。どっかのベンチャーが特区で始めたら、あれよあれよと他の自治体から及びがかかるかもしれません。大企業の大きな資本なんてなくても進んでしまいます。

 というか、これはコンテスト始めないと! アメリカではきっと始まります。日本だって負けてられません。とりあえず、法律が邪魔するならコンテストで走らせられる環境を整えて、そこで思う存分やってもらえばいいのです。テストができる環境もなんとか。