岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/05/05
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2017/04/09配信「『攻殻機動隊』士郎正宗原作版、押井守アニメ版、ハリウッド実写版は何が違うのか?」の内容をご紹介します。
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2017/04/09の内容一覧
- オープニング
- 『“天才”を売る 心と市場をつかまえるマンガ編集者』と『描クえもん』
- 映画『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』がラヴクラフト『狂気の山脈にて』だった件
- 恋愛工学の藤沢数希が書いた『損する結婚 儲かる離婚』
- 『シン・ゴジラ』のBlu-ray買ったよ
- ヒッチコックはスピルバーグが唯一盗めなかった監督
- ハリウッドが作っているのは世界映画
- 『ブレードランナー』や『ロボコップ』が公開された1980年代
- 「人間らしさ」を「ゴースト」として描いた士郎正宗の原作版『攻殻機動隊』
- 原作キャラの魅力を消し去った、押井守のアニメ版『攻殻機動隊』
- 『シン・ゴジラ』が世界でウケなかった理由
- めちゃくちゃ出来の良いバカ映画『ロボコップ』
- 実写版『ゴースト・イン・ザ・シェル』の問題点
- 『正義のミカタ』改変について
- 映画『美女と野獣』には期待
- アニメ『進撃の巨人 Season2』について
- 筒井康隆発言について
- 『攻殻機動隊』も解説するしかない
- 『ニコ生岡田斗司夫ゼミ』を続ける理由
- 第二次朝鮮戦争は起こるのか
筒井康隆発言について
質問:「筒井発言をどう思いますか?」
最後は筒井発言ですね。筒井康隆さんが慰安婦像に関していろいろ言って、えらく揉めてる件に関して、ちょっとそこだけ話しますけども。
結論部分として言えるのは、「筒井康隆さんというのは、やっぱり昔の作家、「作家が作家であった時代の作家」なんだ」ということですね。現代の東野圭吾とか宮部みゆきとかの作家より、もっと偉かった時代の作家なんですよ。だから断筆宣言をしちゃう。いわゆる「スター」なんですよね。自分のことを考える時にそう捉えてしまう。
今回の件についても、筒井さんは「従軍慰安婦像の件で騒いでいるのは、所詮、私の作品を読んでいない人たちだ」って言ってるんですよ。こんな上から目線の発言って、もう今時、王様でも言わないですよ。普通は言わないんですけども、筒井康隆は言っちゃうし、それが言っちゃえる環境がこの間まで日本にもあったんですよ。
日本のマスコミにしても出版社にしても、やっぱり筒井康隆先生というのはすごく偉い先生だから、この人が何を言っても、例えばビートたけしが過激な発言をしたかのように「見逃す」……ということはないんですけども、シャレで済まそうという姿勢で聞いていたんです。
でも、ことこれが国際問題になったらまったく通用しないんですね。「長渕剛の発言をファンが聞く時」と「ファンの外の人が聞く時」に出るような違いがやっぱり出てきてしまう。
筒井康隆は、海外に行ってもそれなりの扱いを受けるんですよ。あの時代の作家というのは、パリに行ってもローマに行っても、ウィーンに行っても、どこの国に行っても基本的には国際空港で、大使館の職員が迎えに来るのが当たり前だから、もう本当に僕らが考えるよりは、実は圧倒的に偉い人なんですね。
だから、その偉い人に、どこか他所の国の国民感情を逆なでしたことについて、日本人として「あの発言はないだろう」というようなツッコミを入れたとしても、無駄なところはあるはあるんですけども。
なんかもう、その意味では、筒井康隆という作家の作品を読んだことがある人が、どんどんマイノリティーになってきてますよね。
さっき僕が『ゴースト・イン・ザ・シェル』について、「アニメ見た人はこんなに多いのに原作マンガを読んだ人はすごいすくない」と嘆いたんですけども、筒井康隆に至っては、『時をかける少女』を書いたということすら知られていない。筒井康隆って、もう本当に最初の頃は、「俺は『時をかける少女の筒井康隆』と呼ばれるのが嫌で嫌でしょうがない!」というポジションだったんですけど、それが長年経つ内に「うちで一番稼ぐ子になってくれました」って言うくらい評価が変わってきたんですけど。それくらい筒井康隆の知名度というのも、意味が変わってきてしまっていて。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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