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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「人間の心の暗部を描いた『亜人』は、心理デッサンがすごい」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「人間の心の暗部を描いた『亜人』は、心理デッサンがすごい」

2017-06-13 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/06/13

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2016/10/16配信「復活のM一夜限りのマンガ夜話~これを見れば『聲の形』だって『亜人』だって語れちゃう」の内容をご紹介します。
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    2016/10/16の内容一覧

    人間の心理の深いところに手を入れる『亜人』

     じゃ『亜人』いってみようか。

     アニメが公開されて、人気作品だよね。桜井画門による日本のマンガ、『good!アフタヌーン』講談社にて2012年7月から連載中、現在も連載中だね。単行本1巻までは作画桜井我們、原作者三浦っていうふうに、なってたけど、2巻より桜井さん単独の作品になったということで。トラブルはない、円満だって作者は言ってるんで、おそらく原作者の必要が無くなっちゃったんだよね。マンガ家の桜井さんの考えてることがどんどん深くなっていって、これ原作者つけなくてもいいなってよくある話なんだけど。
     普通、絵描きに専念したいっていうふうに絵を描く人は思ってお話を考えて貰うということになるんだけど、『蒼天航路』もそうだったんだけど原作者の原作が追いつかなくなってきて、書き手の側でこうだこうだ、ストーリーはこうだというふうになってくる。
     なんで俺、そんなふうに思うのか、『亜人』に対してそう思うのかって言うと『亜人』の設定ってさ、めちゃくちゃきっちりしてるんだけど、一カ所だけゆるゆるのところがある。それはもう第1話から出ている、亜人というのは何かって言うと死なない人間なんだよね。死なない人間が厚生労働省によって監禁されてて、人体実験されている。人体実験をされているので亜人は人間を恨んでて、人前に姿を見せないようにして。人体実験されてしまうから、そのなかで佐藤という、人間に恨みを持ってるやつが大事件を起こすというのが大まかなプロットになってるんだけど。
     死なない人間というのを国家が保護したからといって、何で亜人が発生するのか、その原因がまったくわからないからといって、なんだろ、車のメーカーに貸し出して衝突実験でほら死なないとか、もしくは防弾チョッキの実験だ、防弾チョッキ着てがんがんと撃って、おーこの防弾チョッキは失敗だ、突き抜けた、ほら、死んじゃった、やっぱり失敗したけど、ほら亜人さんまた生き返ったみたいな、すごい拷問みたいなのを受ける。ひどい目に遭ってる。それを何年もやっていて、そっから抜け出した亜人が、という話なんだけどさ。
     これ、設定としてはかなりゆるいんだよね。そんな人間がいたからといって、日本政府が保護して人体実験しか使わないって、そんなバカなことがあるか、それは60年代70年代のレベルの低いSFマンガの設定であって、この亜人というもののストーリーラインにまったく載っかっていないんだ。でも、1巻をそこから始めちゃったものだから、現在、未だそれを使わなきゃいけなくて、作者はなんとかそれを辻褄あわせようと、6巻7巻8巻あたりでえらい苦労してるだけどもさ。ここに違いないと思ってるんだけど、なかなか良い読みしてるだろう。
     17年前のアフリカにおける戦場で死なない新生物、亜人が確かめられた。世界は大きな騒ぎに包まれたが、死なないことをのぞけば人と変わらないことが明らかになり、人の心にとめれらることはなくなった。暑い夏の日、友達と下校中だった少年永井圭、主人公だね、交通事故に遭いひき殺されるが、すぐに生き返った。永井圭は、じつは亜人であった。
     政府に追われる身となった圭は、親の影響で遠ざかっていた幼なじみの海斗を頼りに逃げる。戸崎を始めとする政府期間の集団と「帽子」と呼ばれる謎の男である佐藤が、亜人の田中と共に圭に近づこうと試みる。つまり、政府と逃げていて発見されていない亜人の集団と、2つの勢力があって、その両方が主人公の圭を追いかける。
     やがて圭は海斗と別れて、佐藤に近づく。圭は、静かな生活を送ろうという佐藤に心許しかけるんだけど、佐藤の手によって戸崎の所属する、さっきいった国家だよね、国家に所属する厚生労働省に差し出されてしまって、そこで厚生省の暗部で行われているのは亜人へのむごい虐待実験だった。
     圭はそこで幾度殺されても死なないことによる地獄を見るということで、ちょっとイヤなシーンなんだけども、コマをとってみました。これが亜人のそういうシーンだよね。単行本の2巻なんだけども、いつの間にか佐藤に売られて厚生労働省に引き渡されて防音室、無音室みたいなところに閉じ込められた。「声が出ない。なんで声が出ない、かすれても声が出るはずだ。声帯がいつの間にか切除されていた」腕に乗っけられているのが、糸鋸だよね。糸鋸でがりごりがりごり、麻酔もなしに腕を切られて、というシーンで主人公の顔とかも描かずに、ガクガク震えるだけなんだ。医者が「はいこれ、岩崎さんに送っておいて」っていうふうに左腕を切り落として、主人公がけいれんを起こしているんだけども、次は脳の活動をしながら、何回死んだかを調べようということで、この変なハサミみたいなやつで指をバチンバチンと一本ずつ切っていくと。
     ごめんね、こんなイヤなシーン見せちゃって。でも、ここを描かないと、このお話全体の流れが出来ないんだよね。1巻の最初の頃からひどい目にあっている亜人というので出てくるんだけども、主人公はそれなりにご立派なことを言う訳だよ。人間というのは友達を俺は信じているとか、そんな目にあっても人間を殺してはいけない、というようなご立派なことを言う訳だ。
     じゃ、それが本当にそんな目にあった時にどうなるのかっていうやつなんだけどもさ、亜人さ、難しいのは、というか面白いのは、いわゆるで終わらないところなんだよね。俺が今まで読んだマンガのなかでも、最も人間の心理とか暗部に関して、男性マンガにしては深いところに手を入れようとしてるんだ。

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